((科目コード:A2190、英語名:Applied Electrochemistry)この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習教育目標との関連の順で示す。①電気と化学をつなぐ因子を理解する。35%(D1) ②電極と電解液界面での原子・分子レベルの現象を理解する。35%(D1) ③電子とイオンのエネルギーが係る応用分野を理解する。30%(D1)
概要:
電気化学は電子のやりとりを伴う現象を解き明かし、その成果を暮らしに役立てる学問である。本講義では、基礎理論(平衡論と速度論)の理解を深め、応用分野(電池、電解合成、センサー、表面加工等)について解説する。関連する科目、固体構造化学
この科目は、公的機関の技術研究所にて機器分析に従事した教員が、その経験を生かし、電気化学に関する原理、技術および最新の応用分野について講義形式で授業を行なうものである。
授業の進め方・方法:
原子、分子に関する基礎的理解を踏まえて、熱力学、速度論の考察を行い、最終的に、応用分野へと結びつけて考えていく。
この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習としてレポート課題などを実施します。
注意点:
無機化学の基礎を再確認することが必要である。演習問題を通して、理解度を確認しながら進めていく。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 物質が原子からできていることを説明できる。 | 4 | 後1 |
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 4 | 後1 |
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。 | 4 | 後1 |
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。 | 4 | 後1 |
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。 | 4 | 後1 |
価電子の働きについて説明できる。 | 3 | 後1 |
原子のイオン化について説明できる。 | 4 | 後1 |
代表的なイオンを化学式で表すことができる。 | 4 | 後1 |
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。 | 4 | 後1 |
イオン式とイオンの名称を説明できる。 | 4 | 後1 |
イオン結合について説明できる。 | 4 | 後1 |
イオン結合性物質の性質を説明できる。 | 4 | 後1 |
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。 | 4 | 後1 |
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。 | 4 | 後1 |
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。 | 4 | 後1 |
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。 | 4 | 後2 |
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。 | 4 | 後2 |
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。 | 4 | 後2 |
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。 | 4 | 後2 |
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。 | 4 | 後2 |
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。 | 4 | 後2 |
中和反応がどのような反応であるか説明できる。 | 4 | 後2 |
中和滴定の計算ができる。 | 4 | 後2 |
酸化還元反応について説明できる。 | 4 | 後2 |
イオン化傾向について説明できる。 | 4 | 後3 |
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。 | 4 | 後3 |
ダニエル電池についてその反応を説明できる。 | 4 | 後1,後3,後12,後14 |
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。 | 4 | 後2,後3,後12 |
一次電池の種類を説明できる。 | 4 | 後3,後12 |
二次電池の種類を説明できる。 | 4 | 後3,後11,後12,後13,後14 |
電気分解反応を説明できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後14 |
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。 | 4 | 後3 |
ファラデーの法則による計算ができる。 | 4 | 後3,後5,後10 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 無機化学 | 主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。 | 5 | 後4 |
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。 | 5 | 後4 |
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。 | 5 | 後4 |
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 5 | 後4 |
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。 | 5 | 後4 |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。 | 5 | 後4 |
イオン結合と共有結合について説明できる。 | 5 | 後5 |
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。 | 5 | 後5 |
金属結合の形成について理解できる。 | 5 | 後5 |
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。 | 5 | 後5 |
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。 | 5 | 後5 |
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。 | 5 | 後1 |
配位結合の形成について説明できる。 | 5 | 後1 |
水素結合について説明できる。 | 5 | 後1 |
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。 | 5 | 後2 |
錯体の命名法の基本を説明できる。 | 5 | 後2 |
配位数と構造について説明できる。 | 5 | 後2 |
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。 | 5 | 後2 |
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。 | 5 | 後2 |
分析化学 | いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。 | 5 | 後4 |
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。 | 5 | 後5 |
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。 | 5 | |
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。 | 5 | |
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。 | 5 | |
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。 | 5 | |
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。 | 5 | |
錯体の生成について説明できる。 | 5 | 後10 |