輸送現象論

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 輸送現象論
科目番号 0039 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 竹内雍・松岡正邦・越智健二・茅原一之、解説化学工学[改訂版]、培風館、2001年
担当教員 村上 能規

到達目標

この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。
この科目の到達目標と成績評価上の重み付け、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を以下の表に示す。
科目の到達目標 評価の重み 学習・教育到達目標との関連
① 運動量、物質、エネルギーの輸送の基本的な概念について理解する。 30% (D1)
② 吸収操作、抽出操作の基本的概念について理解する。 30% (D1)
③ 撹拌操作の基本的概念について理解する。 20% (D1)
④ 調湿、乾燥操作の基本概念を理解する。 20% (D1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
① 運動量,物質、エネルギーの輸送の基本的な概念について理解できる① 運動量、物質、エネルギーの輸送の基本的な概念について少し理解できる① 運動量、物質、エネルギーの輸送の基本的な概念について理解できない
② 吸収操作、抽出操作の基本的概念について理解できる② 吸収操作、抽出操作の基本的概念について少し理解できる② 吸収操作、抽出操作の基本的概念について理解できない
③ 撹拌操作の基本的概念について理解できる③ 撹拌操作の基本的概念について少し理解できる③ 撹拌操作の基本的概念について理解できない
④ 調湿、乾燥操作の基本概念を理解できる④ 調湿、乾燥操作の基本概念を少し理解できる④ 調湿、乾燥操作の基本概念を理解できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 化学プラント等の生産プロセスに携わると物理変化や化学変化のみならず、物質や熱などの流れが複雑に絡み合った現象となることが多い。そのような時、物質や熱がどのように輸送されるかの基本原理を理解することはきわめて重要となる。この授業では、ガス吸収、抽出、調湿、乾燥等の化学工学における物質や熱の輸送に関する単位操作を学ぶとともに、実際の化学プロセス解析に有用な輸送現象の簡略化、モデル化の手法について学習する。
 ○関連する科目:「化学工学Ⅱ」(本科5年次履修)、「反応工学」(本科5年次履修) 

授業の進め方・方法:
次に示す項目・割合で達成目標に対する理解の程度を評価する。60点以上を合格とする。
● 定期試験(80%)(内訳:前期中間 0、前期末 80)
● レポート (20%)
注意点:
  数学に関しては微分、積分の基礎知識が必要である。授業時間に演習をするので、関数電卓、定規を持参のこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 運動量の輸送(粘度、ニュートンの粘性法則) 運動量の輸送(粘度、ニュートンの粘性法則)の理解
2週 運動量の輸送(圧力損失、速度境界層)、エネルギーの輸送(伝導伝熱:フーリエの法則) 運動量の輸送(圧力損失、速度境界層)、エネルギーの輸送(伝導伝熱:フーリエの法則)の理解
3週 エネルギーの輸送 (対流伝熱、放射伝熱) エネルギーの輸送 (対流伝熱、放射伝熱) の理解
4週 物質の輸送 拡散方程式とヘンリーの法則) 物質の輸送 拡散方程式とヘンリーの法則)の理解
5週 物質の輸送 (吸収速度、二重境膜説) 物質の輸送 (吸収速度、二重境膜説) の理解
6週 物質の輸送 (吸収操作) 物質の輸送 (吸収操作) の理解
7週 物質の輸送 (吸収塔の設計) 物質の輸送 (吸収塔の設計) の理解
8週 物質の輸送 (抽出操作:液液平衡、三角座標、対応線、分配曲線) 物質の輸送 (抽出操作:液液平衡、三角座標、対応線、分配曲線)の理解
2ndQ
9週 物質の輸送(抽出操作:単抽出) 物質の輸送(抽出操作:単抽出)の理解
10週 物質の輸送(抽出操作:多段抽出) 物質の輸送(抽出操作:多段抽出)の理解
11週 攪拌操作 (フローパターン、攪拌動力、攪拌レイノルズ数、フルード数) 攪拌操作 (フローパターン、攪拌動力、攪拌レイノルズ数、フルード数) の理解
12週 膜分離(ケーク、ルースの濾過定理) 膜分離(ケーク、ルースの濾過定理)の理解
13週 調湿 (湿度、湿度図表、調湿操作) 調湿 (湿度、湿度図表、調湿操作) の理解
14週 乾燥(含水率、乾燥速度、乾燥操作) 乾燥(含水率、乾燥速度、乾燥操作)の理解
15週 期末試験
16週 期末試験の解説と発展授業

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。5前1,前5,前7,前9
物質の流れと物質収支についての計算ができる。5前1,前4,前5,前6,前10
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。5前1,前4
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。5前2
流れの物質収支の計算ができる。5前2,前4
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。5前2
流体輸送の動力の計算ができる。5前2,前4,前11
基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。5
吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。5前12

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力2020
専門的能力8080
総合評価割合00