応用電子化学

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 応用電子化学
科目番号 0042 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 小出 学

到達目標

この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習教育目標との関連の順で示す。①電気と化学をつなぐ因子を理解する。35%(D1) ②電極と電解液界面での原子・分子レベルの現象を理解する。35%(D1) ③電子とイオンのエネルギーが係る応用分野を理解する。30%(D1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電気と化学をつなぐ因子の基礎と応用を理解する。電気と化学をつなぐ因子の基礎を理解する。電気と化学をつなぐ因子を理解する。
評価項目2電極と電解液界面での原子・分子レベルの現象の基礎と応用を理解する。電極と電解液界面での原子・分子レベルの現象の基礎を理解する。電極と電解液界面での原子・分子レベルの現象を理解する。
評価項目3電子とイオンのエネルギーが係る分野の基礎と応用を理解する。電子とイオンのエネルギーが係る分野の基礎を理解する。電子とイオンのエネルギーが係る分野を理解する。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気化学は電子のやりとりを伴う現象を解き明かし、その成果を暮らしに役立てる学問である。本講義では、基礎理論(平衡論と速度論)の理解を深め、応用分野(電池、電解合成、センサー、表面加工等)について解説する。関連する科目、固体構造化学
授業の進め方・方法:
原子、分子に関する基礎的理解を踏まえて、熱力学、速度論の考察を行い、最終的に、応用分野へと結びつけて考えていく。
注意点:
無機化学の基礎を再確認することが必要である。演習問題を通して、理解度を確認しながら進めていく。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 電気化学基礎 高校化学における電気化学を理解する。
2週 電気分解、電気二重層の形成 厚さと濃度の効果を理解する。
3週 物質のエネルギーと平衡(1) 熱力学計算演習を行なう。(1)
4週 物質のエネルギーと平衡(2) 熱力学計算演習を行なう。(2)
5週 標準電極電位、ネルンストの式 熱力学計算演習を行なう。(3)
6週 電解電流、電位が決める電流 反応速度と電流の関係を理解する。
7週 電解電流、物質輸送が決める電流 拡散を理解する。
8週 電流のまとめ 反応、拡散をまとめて理解する。
4thQ
9週 電極電位で起こる現象 電極形状と電子授受機構を理解する。
10週 電解液、デバイ-ヒュッケルの指揮 電解液と導電率を理解する。
11週 固体電解質、導電率とキャリアー ネルンスト-アィンシュタイン式を理解する。
12週 電池の構成、ニッケル水素電池、燃料電池 電池構成と各材料特性を理解する。(1)
13週 光と電池、太陽電池 電池構成と各材料特性を理解する。(2)
14週 材料と電気化学、メッキ 各種メッキ法とその応用
15週 試験 試験
16週 電気化学の総まとめ 電気化学の将来性について

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)ダニエル電池についてその反応を説明できる。5後12
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。5後12
一次電池の種類を説明できる。5後12
二次電池の種類を説明できる。5後11,後12,後13
電気分解反応を説明できる。5後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。5後14
ファラデーの法則による計算ができる。5後5,後10

評価割合

試験発表相互評価合計
総合評価割合80020100
基礎的能力0000
専門的能力80020100
分野横断的能力0000