この科目は長岡高専の教育目標(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習教育目標との関連の順で示す。
①有機化合物の合成法や反応性を理解する。25%(D1) 、②身近な高分子化合物の構造と物理的・化学的性質の関係を理解する。25%(D1) 、③様々な化学結合による分子集合体の形成と発現する優れた機能性を理解する。25%(D1) 、④機能性材料の分子設計について理解する。25%(D1)
概要:
種々の原子の組み合わせで構築されている有機材料について、分子レベルや分子集合体レベルの基本的性質と発現する機能との関連を理解し、有機材料化学の基礎を習得する。
〇関連する科目:高分子化学 (4学年前期)、生物有機化学 (5学年後期)
授業の進め方・方法:
有機材料化学全般の内容について学習する。通常の講義だけでなく、受講者によるプレゼン講義をしてもらい、そのテーマについて理解を深めてもらう。
注意点:
身のまわりの製品や身近な分子の機能や働きについて興味を持ち、科学的に見ることを学んでほしい。内容の十分な理解には、 積極的な授業への参加とこれまでに学んだ授業内容の復習が必要である。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業方針の説明、化学の歴史:原子・分子の概念の誕生 |
原子と分子の概念について理解する。
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2週 |
身近な低分子化合物の構造と性質、合成法 |
身近な低分子化合物の構造と性質を学び、合成法を理解する。
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3週 |
身近な高分子化合物の構造と物理的・化学的性質 |
身近な高分子化合物の構造と物理的・化学的性質を理解する。
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4週 |
プレゼンテーション:身近な有機化合物の構造と性質 |
身近な有機化合物の構造と性質、合成法についてプレゼンができる。
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5週 |
高分子化合物の合成法と反応 |
高分子化合物の合成法と反応を理解する。
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6週 |
様々な化学結合とその働き |
様々な化学結合を理解し、違いを説明できる。
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7週 |
分子集合体の形成と発現する機能性(1) |
化学結合による分子集合体の形成と発現する機能性を理解する。
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8週 |
分子集合体の形成と発現する機能性(2) |
化学結合による分子集合体の形成と発現する機能性を理解する。
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2ndQ |
9週 |
複合有機材料(1) |
多くの他分野と複合可能な有機材料の魅力を理解する。
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10週 |
複合有機材料(2) |
多くの他分野と複合可能な有機材料の魅力を理解する。
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11週 |
環境配慮型材料 |
環境配慮型材料について理解する。
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12週 |
プレゼンテーションの準備 |
機能性材料の設計について理解を深める。
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13週 |
プレゼンテーション:機能性材料 |
本授業で学んだことを活かして機能性材料についてプレゼンができる。
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14週 |
有機材料化学に関する課題 |
有機材料化学に関する問題を解き、理解を深める。
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15週 |
試験 |
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16週 |
試験解説と発展授業 |
試験解説、有機材料化学全般の内容を理解する。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。 | 4 | 前3,前11,前14 |
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。 | 4 | 前2,前3,前11,前14 |
物質が原子からできていることを説明できる。 | 4 | 前1 |
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。 | 4 | 前1 |
価電子の働きについて説明できる。 | 4 | 前1 |
原子のイオン化について説明できる。 | 4 | 前6 |
代表的なイオンを化学式で表すことができる。 | 4 | 前6 |
イオン式とイオンの名称を説明できる。 | 4 | 前6 |
イオン結合について説明できる。 | 4 | 前6 |
イオン結合性物質の性質を説明できる。 | 4 | 前6 |
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。 | 4 | 前6 |
共有結合について説明できる。 | 4 | 前6 |
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。 | 4 | 前6 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 5 | 前2,前3 |
σ結合とπ結合について説明できる。 | 5 | 前6 |
混成軌道を用い物質の形を説明できる。 | 5 | 前6 |
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。 | 5 | 前6 |
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。 | 5 | 前6 |
共鳴構造について説明できる。 | 5 | 前6 |
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。 | 5 | 前2,前3 |
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。 | 5 | 前7,前8 |
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。 | 5 | 前7,前8 |
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。 | 5 | 前7,前8 |
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。 | 5 | 前2,前3,前7,前8,前9,前10 |
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。 | 5 | 前2,前7,前8,前9,前10 |
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。 | 5 | 前2,前7,前8,前9,前10 |
高分子化合物がどのようなものか説明できる。 | 5 | 前3,前5,前7,前8,前9,前10,前14 |
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。 | 5 | 前3,前5,前7,前8,前9,前10,前14 |
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。 | 5 | 前3,前5,前7,前8,前9,前10,前14 |
高分子の熱的性質を説明できる。 | 5 | 前3,前5,前7,前8,前9,前10,前14 |
重合反応について説明できる。 | 5 | 前5 |
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。 | 5 | 前5 |
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。 | 5 | 前5 |
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。 | 5 | 前5 |
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。 | 5 | 前2,前14 |
反応機構に基づき、生成物が予測できる。 | 5 | 前2,前14 |