環境微生物工学

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 環境微生物工学
科目番号 0047 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境都市工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 掘越弘毅・井上明, ベーシックマスター微生物学, オーム社, 2006年 村松正實・田村隆明, 基礎分子生物学, 東京化学同人, 2007年
担当教員 押木 守

到達目標

この科目は長岡高専の学習・教育目標の(D)と主体的に関わる.この科目では、1)汚染物質の分解経路とそれを担う微生物群の働きを理解する、2)酵素反応機構について理解する、3)分子生物学的アプローチを用いて機能性微生物群を解析し、工学的に有意義な情報を得るための解析手法を学ぶ、ことを到達目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1汚染物質の分解経路とそれを担う微生物群の働きを網羅的に解説できる。汚染物質の分解経路とそれを担う微生物群の働きを部分的に解説できる。汚染物質の分解経路とそれを担う微生物群の働きを解説できない。
評価項目2酵素反応機構について詳細な解説ができる。酵素反応機構について、部分的な解説ができる。酵素反応機構について解説できない。
評価項目3分子生物学的アプローチを用いて機能性微生物群を解析し、工学的に有意義な情報を得るための解析手法を網羅的に解説できる。分子生物学的アプローチを用いて機能性微生物群を解析し、工学的に有意義な情報を得るための解析手法について部分的に紹介できる。分子生物学的アプローチを用いて機能性微生物群を解析し、工学的に有意義な情報を得るための解析手法を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 (D1) 説明 閉じる
学習・教育到達目標 (D2) 説明 閉じる
学習・教育到達目標 (E1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
人間の生活や生産活動はさまざまな汚染物質を放出している。産業廃水や都市下水は人工的に微生物を用いて処理され、直接自然界に放出された化学肥料、殺虫剤等の化学物質は微生物の働きによって無害化、分解が行われる。微生物の分解作用は低濃度でも適用が可能であり、処理エネルギー。コストも小さい。この講義では、環境インパクトを与える物質とその分解を担う微生物群の種類、どの程度の速度で分解が進行するかについて学習する。特に、工学的なアプローチの手法について演習を交えて解説する。
授業の進め方・方法:
講義形式で授業を進める。適宜、コンピューターを使用し、汎用ソフトの使用方法を解説する。中間・期末試験を実施し、成績評価に用いる。
注意点:
生物、化学、数学の境界領域的な内容です。できる限り演習を取り混ぜながら講義を進めます。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 環境微生物工学とは:概論 環境微生物工学の概論を理解する。
2週 微生物の分類 微生物の分類単位を理解する。
3週 環境内での物質循環に関わる微生物群 物質循環に関与する微生物群を理解する。
4週 環境内での物質循環に関わる微生物群 物質循環に関与する微生物群を理解する。
5週 酵素反応速度(Michaelis-Menten式) ミカエリスメンテン式を理解する。
6週 酵素反応速度(阻害定数)1 酵素の阻害様式を理解する。
7週 酵素反応速度(阻害定数)2 酵素の阻害様式を理解する。
8週 中間試験
2ndQ
9週 微生物による廃水処理 生物学的廃水処理法を理解する。
10週 分子生物学1 核酸 核酸の役割を理解する。
11週 分子生物学2 タンパク質 タンパク質の役割を理解する。
12週 環境微生物とインフォマティクス解析1 NCBIデータベースの使用方法を理解する。
13週 環境微生物とインフォマティクス解析2 Blastツールを理解する。
14週 環境微生物とインフォマティクス解析3 アライメントツールを理解する。
15週 前期末試験
16週 試験解説と発展授業

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野環境地球規模の環境問題を説明できる。5前1
環境と人の健康との関わりを説明できる。5前1
過去に生じた公害の歴史とその内容(環境要因と疾病の関係)について、説明できる。5前1
水の物性、水の循環を説明できる。5前1
水質指標を説明できる。5前1
水質汚濁の現状を説明できる。5前1
水質汚濁物の発生源と移動過程を説明でき、原単位、発生負荷を含めた計算ができる。5前9
水域生態系と水質変換過程(自浄作用、富栄養化、生物濃縮等)について、説明できる。5前9
水質汚濁の防止対策・水質管理計画(施策、法規等)を説明できる。5前9
物質循環と微生物の関係を説明できる。5前9
下水道の役割と現状、汚水処理の種類について、説明できる。5前9
下水道の基本計画と施設計画、下水道の構成を説明でき、これに関する計算ができる。5前9
生物学的排水処理の基礎(好気的処理)を説明できる。5前9
汚泥処理・処分について、説明できる。5前9
微生物の定義(分類、構造、機能等)を説明できる。5前2
廃棄物の発生源と現状について、説明できる。5前1
廃棄物の収集・処理・処分について、説明できる。5前1
廃棄物の減量化・再資源化について、説明できる。5前1
廃棄物対策(施策、法規等)を説明できる。5前1
環境影響評価の目的を説明できる。5前1
環境影響評価の現状(事例など)を説明できる。5前1
環境影響指標を説明できる。5前1
リスクアセスメントを説明できる。5前1
ライフサイクルアセスメントを説明できる。5前1
生物多様性の現状と危機について、説明できる。5前2
生態系の保全手法を説明できる。5前2
生態系や生物多様性を守るための施策を説明できる。5前2
物質循環と微生物の関係を説明できる。5前4
土壌汚染の現状を説明できる。5前1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力200000020
専門的能力500000050
分野横断的能力300000030