応用代数

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用代数
科目番号 0009 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専攻科専門共通科目 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 高遠節夫ほか著、新 応用数学、大日本図書 / 〇 高遠節夫ほか著、新 応用数学問題集、大日本図書
担当教員 野澤 武司

到達目標

(科目コード : A0330 ,英語名 : Applied Algebra) (本科目は第3学期、第4学期に実施する。週に1回授業を行う。)
この科目は長岡高専の教育目標の(C)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育到達目標との関連の順で次に示す。
① ベクトル関数の意味を理解し、その微分が計算できる。また、曲線、曲面の接線ベクトル、法線ベクトルが求められる。25%(C1)
②スカラー場、ベクトル場の意味を理解し、それに関する種々のもの(勾配、発散、回転、ラプラシアンなど)が計算できる。25%(C1)
③スカラー場、ベクトル場の線積分・面積分が計算できる。25%(C1)
④グリーンの定理、発散定理、ストークスの定理を理解し適用できる。25%(C1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ベクトル関数の意味を詳細に理解し、その微分を詳細に計算できる。また、曲線、曲面の接線ベクトル、法線ベクトルが詳細に求められる。ベクトル関数の意味を理解し、その微分が計算できる。また、曲線、曲面の接線ベクトル、法線ベクトルが求められる。ベクトル関数の意味を理解し、その微分が概ね計算できる。また、曲線、曲面の接線ベクトル、法線ベクトルが概ね求められる。左記に達していない。
評価項目2スカラー場、ベクトル場の意味を詳細に理解し、それに関する種々のもの(勾配、発散、回転、ラプラシアンなど)が詳細に計算できる。スカラー場、ベクトル場の意味を理解し、それに関する種々のもの(勾配、発散、回転、ラプラシアンなど)が計算できる。スカラー場、ベクトル場の意味を理解し、それに関する種々のもの(勾配、発散、回転、ラプラシアンなど)が概ね計算できる。左記に達していない。
評価項目3スカラー場、ベクトル場の線積分・面積分を詳細に計算できる。スカラー場、ベクトル場の線積分・面積分が計算できる。スカラー場、ベクトル場の線積分・面積分が概ね計算できる。左記に達していない。
評価項目4グリーンの定理、発散定理、ストークスの定理を詳細に理解し詳細に適用できる。グリーンの定理、発散定理、ストークスの定理を理解し適用できる。グリーンの定理、発散定理、ストークスの定理を理解し概ね適用できる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本講義ではベクトル解析について学ぶ。ベクトル解析は高専本科において学んだベクトルと(偏)微分・(重)積分を基礎とする数学の一分野であるが、流体力学・弾性力学などの連続体の力学、電気磁気学、熱伝導論などの工学の様々な分野で数学的手法の1つとして幅広く使われている重要な一分野でもある。本講義で数学としてのベクトル解析を確実に自分のものにし、各自の専門に戻ったときベクトル解析を道具として生かせるようになることを目指す。
〇関連する科目:微分積分Ⅰ(本科2年で履修)・Ⅱ(本科3年で履修)、代数幾何(本科2年で履修)、応用数学ⅠA・ⅠB(本科4年で履修)、応用数学ⅡA・ⅡB(本科5年で履修)、応用解析(前期履修)
授業の進め方・方法:
問題演習を通して授業内容の理解度を確認しながら授業を進める。この科目は学修単位科目のため事後学習としてレポートを課し、問題演習に取り組むことによって授業内容の習得を目指す。
この授業は学修単位科目のため、事前・事後学習として「週ごとの到達目標」欄に示す課題などを実施する。
注意点:
高専本科で学習したベクトル、(偏)微分、(重)積分が基礎となるので、十分に復習しておくこと。毎回きちんと予習・復習をし、授業内容の十分な理解とその定着に努めること。また計算法を身につけるために、問題演習にしっかり取り組むこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 空間のベクトル、外積
空間ベクトルの復習、内積、外積の定義・性質
空間ベクトルの成分表示、内積、垂直条件を復習・確認した上で外積の定義及び性質を理解する。
外積に関する課題
2週 ベクトル関数
ベクトル関数およびその微分の定義・性質
ベクトル関数およびその微分の定義・性質を理解する。
ベクトル関数に関する課題
3週 曲線(1変数ベクトル関数)
曲線の単位接線ベクトル・曲線の長さの求め方、ベクトル関数の微分の物理的意味
曲線の単位接線ベクトル・曲線の長さの求め方、ベクトル関数の微分の物理的意味を理解する。
曲線(1変数ベクトル関数)に関する課題
4週 曲面(2変数ベクトル関数)
曲面の単位法線ベクトル・曲面の面積の求め方
曲面の単位法線ベクトル・曲面の面積の求め方を理解する。
曲面(2変数ベクトル関数)に関する課題
5週 スカラー場の勾配
勾配の定義・性質・意味
勾配の定義・性質・意味を理解する。
勾配に関する課題
6週 ベクトル場の発散と回転(1)
発散・回転の定義・性質・意味
発散・回転の定義・性質・意味を理解する。
発散・回転に関する課題
7週 ベクトル場の発散と回転(2)
発散・回転の公式、スカラー場のラプラシアン
発散・回転の公式、スカラー場のラプラシアンを理解する。
発散・回転の公式、ラプラシアンに関する課題
8週 中間試験 試験時間:80分
4thQ
9週 線積分(1)
スカラー場の線積分
スカラー場の線積分を理解する。
スカラー場の線積分に関する課題
10週 線積分(2)
ベクトル場の線積分
ベクトル場の線積分を理解する。
ベクトル場の線積分に関する課題
11週 グリーンの定理
グリーンの定理の証明・応用例
グリーンの定理を理解する。
グリーンの定理に関する課題
12週 面積分(1)
スカラー場の面積分
スカラー場の面積分を理解する。
スカラー場の面積分に関する課題
13週 面積分(2)
ベクトル場の面積分
ベクトル場の面積分を理解する。
ベクトル場の面積分に関する課題
14週 発散定理
ガウスの発散定理の証明・物理的意味・応用例
ガウスの発散定理、物理的意味を理解する。
ガウスの発散定理に関する課題
15週 ストークスの定理
ストークスの定理の証明の概要・応用例
ストークスの定理を理解する。
ストークスの定理に関する課題
16週 学年末試験
17週 : 試験解説と発展授業
試験時間:80分

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。4後1
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。4後1
分数式の加減乗除の計算ができる。4後1
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。4後1
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。4後1
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。4後1
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。4後1
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。4後1
簡単な連立方程式を解くことができる。4後1
無理方程式・分数方程式を解くことができる。4後1
1次不等式や2次不等式を解くことができる。4後1
恒等式と方程式の違いを区別できる。4後1
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。4後1
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4後1
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。4後1
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。4後1
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4後1
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。4後1
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。4後1
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4後1
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。4後1
角を弧度法で表現することができる。4後1
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4後1
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。4後1
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。4後1
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。4後1
一般角の三角関数の値を求めることができる。4後1
2点間の距離を求めることができる。4後1
内分点の座標を求めることができる。4後1
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。4後1
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。4後1
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。4後1
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。4後1
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。4後1
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。4後1
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。4後1
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。4後1
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。4後1
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。4後1
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。4後1
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。4後1
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。4後1
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。4後1
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。4後1
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。4後1
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。4後1
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。4後1
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。4後1
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。4後1
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。4後1
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。4後1
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。4後1
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。4後1
合成関数の導関数を求めることができる。4後1
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。4後1
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。4後1
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。4後1
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。4後1
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。4後1
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。4後1
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。4後1
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。4後1
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。4後1
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。4後1
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。4後1
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。4後1
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。4後1
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。4後1
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。4後1
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。4後1
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。4後1
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。4後1
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。4後1
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。4後1
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。4後1
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。4後1
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。4後1
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。4後1
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。4後1
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。4後1
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。4後1
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。4後1
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。4後1
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。4後1
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。4後1

評価割合

中間試験学年末課題レポート合計
総合評価割合343828100
基礎的能力343828100
専門的能力0000
分野横断的能力0000