総合国語ⅠA

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 総合国語ⅠA
科目番号 0009 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械システム工学科 対象学年 1
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 国語総合 現代文編・古典編(大修館書店)/新総合図説国語(東京書籍)/常用漢字ダブルクリア(尚文出版)
担当教員 高熊 哲也

到達目標

現代人に必要とされる、言葉を運用する力(読み、書き、話し、聞く力)を身につける。人間と社会・環境の関係について考える力を磨く。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
さまざまなジャンルの文章について、論理的に内容を理解することができる。表現が生まれる背景を視野に入れ、部分の意味内容を全体構成の中で捉えることができる。語句や文のつながりを正確に捉えて、表現の意図や趣旨が理解できる。語句や文の連鎖を貫く、つながりや構成意識を捉えることができない。
文章読解を通じて、さまざまな問題について、自分なりの考えを持ち、それを適切に表現できる。教材を踏まえた問題意識を持ち、自己の創造的な糧としつつ、表現された内容についてまとめることができる。教材が内包する問題点を理解して、その意味内容について説明できる。教材の提示している問題や意味についての理解が不十分で、その内容が説明できない。
漢字・語彙・文法など、言語に関する知識を身につける。教科書や漢字副教材レベルの知識に加えて、発展的な内容を加えて身につける。教科書や漢字副教材レベルの知識を習得する。教科書や漢字副教材レベルの知識を十分に習得できていない。

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー 3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
さまざまな文章を読み、文章の論理に即して内容を理解する。漢字・語彙・文法など、言語に関する知識を豊かにする。教材の文章の読解を通じて、人間と社会・環境の関係について思考する力を磨く。教材の文章の読解を通じて、さまざまな問題について、自分なりの考えを持ち、それを適切に表現する。
授業の進め方・方法:
担当教員による単独講義。ただし、発問を軸に学習者と教授者の相互交流を通して、理解を深める授業形態を中心とする。
学習プリントを配布し、教材ごとの学習の要点をあらかじめ提示する。授業展開を理解する上での補助とするとともに、予習、復習のための材料として活用する。
注意点:
言葉の働きや力について自覚的になり、他者の文章を客観的に読んで理解すること、自分の考えを整理して表現することを通じて、自らの感じ方や考え方を磨いてゆくという意識を持ってほしい。なお、授業計画は、学生の理解度に応じて変更する場合がある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス・新入生課題テスト 本校の国語のカリキュラムの全体像、授業の内容についての説明。新入生課題を確認するテストの実施。なぜ「国語」という科目を学ぶのかについて考える。
2週 鷲田清一「他者を理解するということ」① なぜ「国語」という、言葉やコミュニケーションに関わる科目が必要なのかについて考える。「他者を理解する」ことにおける、言葉の重要性を理解する。
3週 鷲田清一「他者を理解するということ」② 同上
4週 夏目漱石「夢十夜」(第一夜) 幻想的な夢語りの意味について理解し、恋愛の形について考える。
5週 夏目漱石「夢十夜」(第六夜) 芸術や創作のあり方や意味について考察する。
6週 連休課題テスト
古文入門 『宇治拾遺物語』「絵仏師良秀」①
漢字課題テストの実施。なぜ古文を読むのか。古文と現代文の違いや、仮名文字の特性などについて理解する。
歴史的仮名遣いについて理解しを正しく読む。
7週 『宇治拾遺物語』「絵仏師良秀」② 「良秀」が自分の家の火事を傍観していた理由について考える。古文の文法(文語文法)と現代文の文法(口語文法)の違いを、動詞の活用を学ぶ中で理解する。
8週 『今昔物語集』
   「阿蘇の史、盗人にあひてのがるること」
「阿蘇の史」がどのように盗人の襲撃を回避したのかを考える。用言のうち、形容詞と形容動詞の活用について、文語文法と口語文法との違いを理解する。
2ndQ
9週 前期中間試験 前期前半の学習内容について、理解度を確認する。
10週 前期中間試験の答案返却と解説
11週 池上義彦「言葉についての新しい認識」① 言語の機能や働きを考えるために、「思想を表現し伝達する手段」という定義を洗い直す。
12週 池上義彦「言葉についての新しい認識」② 言語が背景に文化を背負っていて、言語によって我々のものの見方が規定されてくることを理解する。
13週 漢文入門「訓読」・「返り点」「再読文字」〈助字〉」「訓読に親しむ」① 漢文をなぜ学習するのか、その意義について理解する。送り仮名に用いる片仮名や返り点などがなぜ発明されたのかを理解する。白文、書き下し文、訓点などについて理解する。
14週 漢文入門「訓読」・「返り点」「再読文字」〈助字〉」「訓読に親しむ」② 同上
15週 「漁父之利」「蛇足」 さまざまな故事成語について、正しく訓読し、書き下し文を書き、現代語訳して文章の内容を正しく把握する。
16週 期末試験 前期後半の学習内容について、理解度を確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。3
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。3
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。3
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。3
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。3
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。3
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。3
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。3
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。3
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。3
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。3
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。3
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。3
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。3
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。3

評価割合

試験課題小テストレポート・課題提出合計
総合評価割合702010100
基礎的能力702010100
専門的能力0000
分野横断的能力0000