総合国語ⅠA

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 総合国語ⅠA
科目番号 0009 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械システム工学科 対象学年 1
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 精選 現代の国語(明治書院)/言語文化(大修館書店)/新総合図説国語(東京書籍)/常用漢字ダブルクリア五訂版(尚文出版)/別冊徹底トレーニングノート総合タイプ(尚文出版)
担当教員 足立 繭子

到達目標

1.古典を含むさまざまな文章中に出現する語句について、その語意を説明することができ、自分でその語句を実際に適切に使用することができる。
2.古典を含むさまざまな文章についてその主旨を説明することができ、それを適切な言語を用いて文章として表現することができる。
3.古典を含むさまざまな文章で提示された問題について、自分なりの考えを持ち、それを適切な言語を用いて文章として表現することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
文章中に出現する語句についての理解文章中の語句を用いて、自分で実際に適切に文章を作成できる。文章中の語句について、文章に即した語意を説明することができる。文章中の語句の意味を説明することができない。
文章の主旨についての理解文章の主旨についての自分の考えを、適切な文章として表現することができる。文章の主旨を、適切な言語を用いて、文章として説明することができる。文章の主旨を、適切な言語を用いて、文章として説明することができない。
文章の読解を通じて知った、さまざまな問題について、現実社会の問題として捉え直した上での理解文章中で言及されているさまざまな問題について、現実の社会の問題として捉えた上で、自分なりに問題の解決案を考えることができ、それを表現することができる。文章中で言及されているさまざまな問題について、現実の社会の問題として捉えた上で、自分なりの考えを持ち、それを表現することができる。文章中で言及されているさまざまな問題について、現実の社会の問題として捉えることができず、自分なりの考えを持つこともできず、それを表現することもできない。

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー 3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
1.漢字・語意・文法などの言語的基本知識を身に着ける。
2.さまざまな文章をそれぞれの論理構成に即して読解し、主旨を理解する。
3.文章の読解を通じて知ったさまざまな問題について、自分なりの意見や考えを持ち、適切な言語を用いて文章として表現できるようにする。
授業の進め方・方法:
担当教員による講義および演習。
授業前に、担当教員の作成したプリントを配布し、予習・復習課題とする。
注意点:
事前に行う準備学習:前回の講義の復習および予習を行ってから授業に臨むこと 。
(授業外学習・事前)授業内容を予習しておく。
(授業外学習・事後)授業内容に関する課題を解く
授業計画は、学生の理解度に応じて変更する場合がある。
本科目では、50点以上の評価で単位を認定する。評価割合の通り、試験(中間試験と期末試験の平均)を主とし、課題テストや提出物を加えて、成績を評価する。評価が50点に満たない者は、願い出により追認試験を受けることができる。追認試験の結果、単位の修得が認められた者にあっては、その評価を50点とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス/新入生課題の回収およびテスト
/多和田葉子「『ふと』と『思わず』」①
言葉やコミュニケーションに関わる「国語」という科目を、なぜ学ぶのか、自分なりの考えを説明できる。授業に必要な教材や具体的な学習方法について、説明できる。
春休み中に取り組み、丸付け・訂正を行った、新入生課題の冊子を提出できる。新入生課題に基づいたテストで、60/100点以上取得できる。
「穴は、外部に立ったときにしか見えない」とは、どういうことか、説明できる。「ふと」という言葉が現れると、「描かれる対象が認識の現在に連れ込まれる」とは、どういうことか、説明できる。
2週 多和田葉子「『ふと』と『思わず』」② 「『ふと』の視線には、日常性がなければいけない」とは、どういうことか、説明できる。「そういう動きには、その人を理解するのに重要な要素がたくさん含まれている」とは、どういうことか、説明できる。
3週 松田雄馬「未来を予測する最善の方法」① 「そうした『人工知能ブーム』」とは、どのようなものか、説明できる。「情報化社会で得た便利な生活の代償として、われわれが失ったもの」とは、どのようなものか、説明できる。
4週 松田雄馬「未来を予測する最善の方法」② 「情報化社会」の歴史的背景について、順を追って整理できる。「生命知」とは、どのようなものか、説明できる。筆者は、情報化社会をよりよく生きるためにどのような姿勢が必要だと考えているか、説明できる。
5週 連休課題漢字テスト
/『宇治拾遺物語』「児のそら寝」①
連休課題に基づいた漢字テスト(5級)で、180/200点以上を取得できる。/ なぜ古文を読むのか、古文と現代文の違いについて理解した上で、説明できる。五十音図、歴史的仮名遣い、助詞や体言の補いなど、古文読解の基本を理解した上で、歴史的仮名遣いを正しく読め、書くことができ、必要な語句を補って現代語訳をすることができる。
6週 『宇治拾遺物語』「児のそら寝」②
「児」の気持ちの変化を整理し、内容に即して説明できる。エピソードの最後で、僧たちが「笑ふ」のはなぜかについて、説明できる。
7週 『宇治拾遺物語』「児のそら寝」③
/「私たちと漢文」
古文の用言(動詞・形容詞・形容動詞)の活用について学んだ上で、それぞれの用言の活用表を作成することができる。/漢文が現代日本の言葉や思想の礎になっていることを知った上で、熟語・単文・格言について漢文としての構造を理解し、正しく訓読できる。漢字の持つ意味を、漢和辞典で正しく調べることができる。返り点や助字など、漢文訓読に必要な基礎知識を理解し、正しく訓読できる。
8週 「論語」①・「論語」②
置き字や再読文字などに注意して、正しく訓読でき、正しく書き下し文を作ることができる。
2ndQ
9週 前期中間試験 前期前半の学習内容について理解度を確認し、50/100点以上を取得できる。
10週 前期中間試験の答案返却と解説 
/ 芥川龍之介「羅生門」①
前期前半の学習内容の理解度を確認し、理解不足のところを自分で修正できる。/ 羅生門の下にいた場面から、老婆の行為を目撃した場面に至る、主人公の心情の変化について、説明できる。
11週 芥川龍之介「羅生門」② 羅生門の楼上の場面における、主人公の心情の変化について、説明できる。語り手の存在に着目し、それがどのような効果を上げているのか、説明できる。
12週 芥川龍之介「羅生門」③ 小説の最後の一文を、作家が何回か書き直しをしていることについて、自分なりの考えを持ち、説明できる。
13週 「孟子」 置き字や再読文字などに注意して、正しく訓読でき、正しく書き下し文を作ることができる。
14週 『戦国策』「蛇足」・『十八史略』「完璧」 故事成語の出典となる短い文章を正しく訓読でき、寓意について説明できる。また、故事成語の意味を説明できる。
15週 前期期末試験 前期後半の学習内容について理解度を確認し、50/100点以上を取得できる。
16週 前期期末試験の答案返却と解説・授業アンケート
/ 夏休み課題の配布と説明
前期後半の学習内容の理解度を確認し、理解不足のところを自分で修正できる。/ 夏休み課題に必要な教材や具体的な学習方法について、説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要旨・要点をまとめることができる。2前1,前2,前3,前4,前9,前10,前12,前13
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。2前1,前2,前3,前4,前9,前10,前11
社会生活で使われる語彙(故事成語・慣用句等を含む)を増やし、思考・表現に活用できる。2前2,前3,前4,前7,前8,前9,前10,前12,前13
専門の分野に関する用語を論理的思考・表現に活用できる。2前1,前9,前10,前11
文学作品(小説・随筆・詩歌・古典等)を文脈に即して鑑賞し、そこに描かれたものの見方や登場人物の心情を説明できる。2前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16
言語的・文化的教養(語彙・知識等)に広く関心を持ち、そこで得られた知識や考え方を効果的な表現に活用できる。2前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16
言語作品の読解を通して、人間や社会の多様な在り方についての考えを深め、自己を客観的に捉えたり自分の意見を述べることができる。2前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16
常用漢字を中心に、日本語を正しく読み、表記できる。2前5,前9,前10,前14,前15,前16
実用的な文章(手紙・メール等)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。2前1,前2,前3,前4
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集し、それを整理、分析できる。2前1,前2,前3,前4,前9,前12
整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開、表現方法を工夫し、報告・論文を作成できる。2前1,前2,前3,前4,前12
作成した報告・論文の内容及び自分の思考や考察を資料(図解・動画等)にまとめ、的確に口頭発表できる。2前12,前16
課題や条件に応じ、根拠に基づいて議論できる。2前9,前10,前11,前12
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。2前1,前2,前3,前4,前9
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。2前1,前2,前3,前4,前9,前10,前15,前16

評価割合

試験課題テスト提出物合計
総合評価割合701515100
基礎的能力40101060
専門的能力205530
分野横断的能力100010