工業力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 工業力学Ⅰ
科目番号 0077 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械システム工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 Professional Engineer Library 工業力学,実教出版
担当教員 岡根 正樹

到達目標

(1)力の合成と分解を理解し,力が一点に働く場合のつり合い条件等を説明することができる。
(2)力のモーメントの意味を理解し,着力点の異なるつり合い条件や剛体のつり合いについて説明できる。
(3)重心の意味を理解し,立体,平面の重心位置を求めることができる。
(4)分布力を理解し,分布力と等価な集中力を求めることができる。
(5)時間,位置,速度,加速度の意味を理解し,平面運動におけるそれらの関係を直交座標成分に分けて考えることができる。
(6)角速度と周速度の関係を理解し,曲線運動を極座標成分に分けて考えることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
力の合成と分解力の合成と分解を理解し,力が一点に働く場合のつり合い条件等を,正しく説明することができる。力の合成と分解を理解し,力が一点に働く場合のつり合い条件等を,ある程度説明することができる。力の合成と分解を理解しておらず,力が一点に働く場合のつり合い条件等を,説明することができない。
モーメントと剛体のつり合い力のモーメントの意味を理解し,着力点の異なるつり合い条件や剛体のつり合いについて,正しく説明できる。力のモーメントの意味を理解し,着力点の異なるつり合い条件や剛体のつり合いについて,ある程度説明できる。力のモーメントの意味を理解しておらず,着力点の異なるつり合い条件や剛体のつり合いについて,説明できない。
重心重心の意味を理解し,立体,平面の重心位置を,正しく求めることができる。重心の意味をある程度理解し,立体,平面の重心位置を,求めることができる。重心の意味を理解しておらず,立体,平面の重心位置を,求めることができない。
分布力分布力を理解し,分布力と等価な集中力を,正しく求めることができる。分布力をある程度理解し,分布力と等価な集中力を,求めることができる。分布力を理解しておらず,分布力と等価な集中力を求めることができない。
直線運動と平面運動平面運動における時間,位置,速度,加速度の意味を理解し,それらの関係を直交座標成分に分けて考えることができる。平面運動における時間,位置,速度,加速度の意味をある程度理解し,それらの関係を直交座標成分に分けることができる。平面運動における時間,位置,速度,加速度の意味を理解しておらず,それらの関係を直交座標成分に分けることができない。
円運動と曲線運動極座標を用いて,円運動の速度,加速度を,円軌道に沿う接線方向の成分とそれに直交する成分とに分けて,正しく考えることができる。極座標を用いて,円運動の速度,加速度を,円軌道に沿う接線方向の成分とそれに直交する成分とに分けることができる。極座標を用いて,円運動の速度,加速度を,円軌道に沿う接線方向の成分とそれに直交する成分とに分けることができない。

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
1年生のときに物理学の授業で学んだ力学の知識をベースに,3年生以降で学ぶ,機械工学に関する専門科目(材料力学,熱力学,流体工学,機械力学など)を学ぶための基盤を固めることを目的としています。具体的には,力やモーメントのつり合いに関する静力学と,質点や剛体の運動に関する動力学について学習します。
授業の進め方・方法:
教員単独で行います。基礎科目なので,座学が中心になりますが,適宜,授業中に,演習問題等も取り入れます。
注意点:
1年生のときに学習した物理学(特に力学分野)および数学の基本を理解していることが望ましい。これらの理解不足を自覚している者は,十分に復習して理解を深めておくことを強くお勧めします。なお,授業計画は,みなさんの理解度に応じて変更する場合があります。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス これまでに学んだ物理学,数学の基礎知識の確認等。
2週 力とは 力がベクトルであることを理解し,それらの表し方を説明することができる。
3週 一点に働く力① 物体に作用する力を図示することができ,力の合成や分解をすることができる。
4週 一点に働く力② 重力,抗力について説明でき,力のつりあい条件を説明することができる。
5週 複数の点に働く力① モーメント,偶力等を理解し,それらを具体的に計算することができる。
6週 複数の点に働く力② 着力点の異なる力のつり合い条件を説明でき,剛体のつり合いに関する問題を解くことができる。
7週 重心と分布力① 平面および立体図形の重心位置を求めることができる。
8週 重心と分布力② 分布力を理解し,分布力と等価な集中力を求めることができる。
2ndQ
9週 中間試験
10週 中間試験の解答と解説
11週 直線運動と平面運動① 等速直線運動,等加速度直線運動における,時間,位置,速度,加速度を理解し,それらを求めることができる。
12週 直線運動と平面運動② 平面運動における時間,位置,速度,加速度の関係を理解し,それらを直交座標成分に分けて考えることができる。
13週 円運動と曲線運動① 角速度と周速度の関係を理解し,向心加速度について説明することができる。
14週 円運動と曲線運動② 極座標を用いて,円運動の速度,加速度を,円軌道に沿う接線方向の成分とそれに直交する成分とに分けて考えることができる。
15週 前期末試験
16週 前期末試験の解答および解説,授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。3
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。3
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。3
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。3前2
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。3
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。3
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。3
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。3
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。3
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。3
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。3
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。3
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。3
振動の種類および調和振動を説明できる。2
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。2
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。2
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。2
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。2

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000
分野横断的能力000