概要:
波動、電磁気学における物理現象(波の諸性質、光の波動性と粒子性、静的な電磁気)を数式を用いて表現するだけでなく、それらが数学的に連動し、解析可能な事象であることを理解し、説明ができることを目標と定める。
授業の進め方・方法:
講義内容を振り返る演習や課題を通じて学生の理解度を適宜確認する。
注意点:
応用物理は物理学で学んできた知識を数学(特に微分・積分)の見地から見直し,基本的な概念を理解することが大切である.このことは,単に式を覚えるのではなく,演習問題を自分で考え,解いてみることが必要であり,関連図書や関連する参考書などを活用して自学習にも望んで欲しい.「応用」物理とあるように,この講義は物理学を基本とする科目であることから1~2年時に学んだ物理を再度勉強するつもりで臨むこと.本教科の内容に疑問が生じた時点で積極的に質問をすることが望ましい.なお,授業計画は学生の理解度に応じて変更する場合がある。
本科目では、60点以上の評価で単位を認定する。
評価が60点に満たない者は、願い出により追認試験を受けることができる。追認試験の結果、単位の修得が認められた者にあっては、その評価を60点とする。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
波の性質Ⅰ |
縦波と横波の違いを説明できる 波動方程式を用いた波の伝搬と波長について理解する 波の干渉や反射現象が説明できる
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2週 |
波の性質Ⅱ |
波の回折現象が説明できる 定在波と波長の関係を説明できる ドップラー効果を説明できる
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3週 |
§5:光学(1) |
光の波動性を説明できる 光の反射や屈折を光学距離とフェルマーの原理より説明できる
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4週 |
§5:光学(2) |
ヤングの干渉実験における光学距離と干渉条件を導出ができる 光の可干渉性と非干渉性について説明ができる 異なる媒質境界における光の反射・透過を説明できる
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5週 |
§5:光学(3) |
薄膜における光学距離と干渉条件を導出できる ニュートンリングにおける光学距離と干渉条件を導出できる
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6週 |
§5:光学(4) |
フレネル回折とフラウンフォーファー回折の違いを説明できる 光の粒子性が説明できる 回折格子における干渉条件を図を用いて説明ができる 偏光現象を説明ができる
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7週 |
後期中間試験 教科書の5章および波の諸性質についての理解度・到達度を確認する |
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8週 |
答案返却・解説 |
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4thQ |
9週 |
静的な電磁気Ⅰ 点電荷とクーロン力について |
点電荷間に働くクーロン力の計算ができる
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10週 |
静的な電磁気Ⅱ 電界とガウスの法則について |
点電荷が作る電界が計算できる ガウスの法則を用いて典型的な電界の導出ができる
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11週 |
静的な電磁気Ⅲ 電位と電気的な位置エネルギーについて |
クーロン力と位置エネルギーの関係を理解し、電位が導出できる
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12週 |
静的な電磁気Ⅳ 静電容量とコンデンサーについて |
電気容量の定義を理解し、コンデンサーに蓄えられる電荷やエネルギーの計算ができる
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13週 |
静的な電磁気Ⅴ 導体と誘電体の差異について |
導体と誘電体の違いが説明できる 電界と電束密度の関係を説明できる
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14週 |
静的な電磁気Ⅵ 静的な磁界におけるクーロンの法則や磁気的エネルギーについて |
仮想磁荷を導入することで電荷と同様にクーロンの法則が成立することを説明できる
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15週 |
学年末試験 教科書の7章についての理解度・到達度を確認する |
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16週 |
試験返却、解説、授業アンケート |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 波動 | 波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。 | 3 | 後1,後3,後5,後6,後7 |
横波と縦波の違いについて説明できる。 | 3 | 後1,後3,後7 |
波の重ね合わせの原理について説明できる。 | 3 | 後1,後4,後5,後6,後7 |
波の独立性について説明できる。 | 3 | 後1,後4,後5,後6,後7 |
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。 | 3 | 後1,後4,後5,後6,後7 |
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。 | 3 | 後1,後7 |
ホイヘンスの原理について説明できる。 | 3 | 後2,後4,後7 |
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。 | 3 | 後2,後4,後5,後6,後7 |
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。 | 3 | 後2,後7 |
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。 | 3 | 後2,後7 |
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。 | 3 | 後2,後7 |
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。 | 3 | 後2,後7 |
自然光と偏光の違いについて説明できる。 | 3 | 後3,後6,後7 |
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。 | 3 | 後3,後4,後7 |
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。 | 3 | 後3,後7 |
電気 | 導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。 | 3 | 後13,後15 |
電場・電位について説明できる。 | 3 | 後9,後10,後11,後12,後13,後15 |
クーロンの法則が説明できる。 | 3 | 後9,後10,後11,後12,後13,後15 |
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。 | 3 | 後9,後10,後11,後12,後13,後15 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。 | 4 | |
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。 | 4 | |
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。 | 4 | |
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。 | 4 | |
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。 | 4 | |
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。 | 4 | |
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。 | 4 | |
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。 | 4 | |
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。 | 4 | |
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。 | 4 | |
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。 | 4 | |
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
仕事の意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。 | 4 | |
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。 | 4 | |
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。 | 4 | |
動力の意味を理解し、計算できる。 | 4 | |