材料力学Ⅲ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 材料力学Ⅲ
科目番号 0108 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械システム工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 Professional Engineer Library 材料力学,実教出版
担当教員 岡根 正樹

到達目標

材料力学Ⅰ・Ⅱに引き続き,機器の強度設計上重要となる組合せ応力について学び,主応力,主せん断応力,応力変換等について理解を深める.さらに,弾性ひずみエネルギーの概念を学び,相反定理,カスティリアノの定理に関する理解を深める.具体的には,下記の『評価(ルーブリック)』の『標準的な到達レベルの目安(良)』に記載された内容が,本科目の基本的な到達目標となる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
多軸応力多軸応力状態について,正確に説明できる.多軸応力状態について,ある程度説明できる.多軸応力状態について,説明できない.
応力成分,構成式独立した6つの応力成分を,正確に説明することができる.また,一般化された応力とひずみの関係(構成式)を説明することができる.応力成分を,ある程度説明することができる.また,応力とひずみの関係(構成式)を理解している.応力成分,構成式を説明することができない
平面応力と平面ひずみ平面応力と平面ひずみを,正確に説明することができいる.平面応力と平面ひずみを,ある程度説明することができいる.平面応力と平面ひずみを説明することができない.
主応力,主せん断応力主応力と主せん断応力の意味を理解し,平面応力状態におけるそれらを正確に求めることができる.主応力と主せん断応力の意味を理解し,平面応力状態におけるそれらをある程度求めることができる.主応力と主せん断応力の意味を理解しておらず,平面応力状態におけるそれらを求めることができない.
モールの応力円平面応力状態におけるモールの応力円を正確に描くことができる.平面応力状態におけるモールの応力円をある程度描くことができる.平面応力状態におけるモールの応力円を描くことができない.
薄肉円筒,薄肉球殻薄肉円筒や薄肉球殻等における応力を,正確に求めることができる.薄肉円筒や薄肉球殻等における応力を,ある程度求めることができる.薄肉円筒や薄肉球殻等における応力を求めることができない.
熱応力熱応力を正確に求めることができる.熱応力をある程度求めることができる.熱応力を求めることができない.
弾性ひずみエネルギー引張圧縮,せん断,曲げが複合して作用する複雑な場合でも,正しく求めることができる.引張圧縮,せん断,曲げが,単独で作用するような基本的な場合であれば,正しく求めることができる.単純な負荷の状態でも,正しく求めることができない.
カスティリアノの定理カスティリアノの定理を理解し,構造物の変形量を正確に求めることができる.カスティリアノの定理を理解し,構造物の変形量をある程度求めることができる.カスティリアノの定理を理解しておらず,構造物の変形量を求めることができない.
マックスウェルの相反定理マックスウェルの相反定理を理解し,正しく説明することができる.マックスウェルの相反定理をある程度理解し,説明することができる.マックスウェルの相反定理を理解しておらず,説明することができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-2 説明 閉じる
JABEE 1(2)(d)(1) 説明 閉じる
JABEE 1(2)(d)(2) 説明 閉じる
JABEE 2.1(1) 説明 閉じる
ディプロマポリシー 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
材料力学は,機械工学の基本となる科目の一つであり,機器設計等で,必ず必要となる学問です.材料力学を理解することが求められるのではなく,卒業後は,材料力学を道具として,機器設計等の業務に携わることになります.テストのための暗記ではなく,卒業後も忘れずに,知識として身に付くよう,きちんと理解することが求められます.
授業の進め方・方法:
教員単独で行います.基礎科目なので,座学が中心になりますが,適宜,授業中に,演習問題等も取り入れます.
注意点:
材料力学Ⅰ・Ⅱを履修(出来れば修得)していることが望ましい.
レポート等は,すべての課題についての提出が必要です.やむを得ない事情の場合を除き,1通でも未提出のレポートがある場合,提出期限を守らなかった場合などは,単位を認定しません.
出来るだけみなさんの理解度にあわせて授業を進める予定です.したがって,上記の授業計画・内容は,変更になることもあります.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 授業の説明,材料力学Ⅰ,Ⅱにおける学習内容の確認等.
2週 組合せ応力① 3次元の応力状態を理解する.
3週 組合せ応力② 独立な6つの応力成分,構成式を理解する.
4週 組合せ応力③ 平面応力状態と平面ひずみ状態を理解する.
5週 組合せ応力④ 平面応力状態での応力,主応力,主せん断応力を理解する.
6週 組合せ応力⑤ 平面応力状態におけるモールの応力円 を理解する.
7週 熱応力 温度変化にともなって生じる変形と応力を理解する.
8週 中間試験
2ndQ
9週 弾性ひずみエネルギー① 弾性ひずみエネルギーの定義を理解する.
10週 弾性ひずみエネルギー② 引張・圧縮によるひずみエネルギー,せん断によるひずみエネルギーを理解する.
11週 弾性ひずみエネルギー③ 曲げによるひずみエネルギー,ねじりによるひずみエネルギーを理解する.
12週 弾性ひずみエネルギー④ 曲げとねじりが同時に作用する場合等の,ひずみエネルギーを理解する.
13週 弾性ひずみエネルギー⑤ カスティリアノの定理を理解する.
14週 弾性ひずみエネルギー⑥ 相反定理を理解する.
15週 期末試験
16週 期末試験の解答と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。4
多軸応力の意味を説明できる。4
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。4
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。4

評価割合

試験レポート・課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力30737
専門的能力501363