応用物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用物理Ⅱ
科目番号 0119 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械システム工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 高専の応用物理(小暮・森北出版) 物理Ⅰ,Ⅱ(数研出版)
担当教員 山本 久嗣

到達目標

下記に挙げる物理現象を数式を用いて表現するだけでなく、それらが数学的に連動し、解析可能な事象であることを理解することを目標とする。
§8:電磁気学(電流、アンペールの法則、ローレンツ力、コイル、電磁誘導、マクスウェル方程式)
§9:波動工学(調和振動、減衰振動、強制振動、LC回路、LCR回路、波動方程式、音波)
§5:光学(波動性、光学距離、波長、反射、屈折、回析、干渉)
具体的には下記ルーブリックの各項目が到達目標になる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
§8:電流の定義を理解する正孔・電子の違いを理解し、材料中に流れる電流から荷電体の平均速度を算出できる電流が荷電体の運動で記述されることを説明できる電流が荷電体の運動であることを説明できない
§8:抵抗の合成を理解するキルヒホッフの法則を理解し、抵抗の合成を利用したホイートストンブリッジ回路の原理を説明できる直列・並列接続された抵抗の合成ができる直列・並列接続された抵抗の合成ができない
§8:ジュール熱を理解するジュール熱の原因を理解し、かつ消費電力と熱量の関係を説明できるジュール熱の単位を理解し、熱量計算ができるジュール熱の熱量計算ができない
§8:電流が作る磁界を理解する電流と磁界の関係をベクトルで理解し、ビオ・サヴァールの法則・アンペールの法則を応用できるビオ・サヴァールの法則・アンペールの法則より典型的な回路の電流・磁界の導出ができるビオ・サヴァールの法則・アンペールの法則より典型的な回路の電流・磁界の導出ができない
§8:ローレンツ力を理解するローレンツ力をベクトルで理解し、クーロン力とあわせて荷電体の運動が説明ができる磁界中を運動する荷電体が受ける力の向きと大きさを導出できる磁界中を運動する荷電体が受ける力の向きと大きさを導出できない
§8:電磁誘導を理解する自己インダクタンス、相互インダクタンスの違いを理解し、変圧器の原理を説明できるファラデーの電磁誘導の法則を理解し、コイルのインダクタンスを導出できるファラデーの電磁誘導の法則を用いて、コイルのインダクタンスを導出できない
§8:マクスウェル方程式を理解する誘電体中のガウスの法則やコンデンサーにおけるアンペールの法則の導出ができるガウスの法則、アンペールの法則、ファラデーの電磁誘導の法則を電界、電束密度、磁界、磁束密度を用いて表記できるガウスの法則、アンペールの法則、ファラデーの電磁誘導の法則を電界、電束密度、磁界、磁束密度を用いて表記できない
§8・9:LC回路およびLCR回路を理解するコイルとコンデンサーに蓄えられるエネルギーと、抵抗により消費されるエネルギーの連立式を記述し、減衰振動と対応つけることができるコイルとコンデンサーに蓄えられるエネルギーと、抵抗により消費されるエネルギーの連立式を記述できるコイルとコンデンサーに蓄えられるエネルギーと、抵抗により消費されるエネルギーの連立式を記述できない
§5・8・9:光の波動性を理解する光の波動性を理解し、可視光以外の波長域についてもエネルギーと波長の関係を説明できる光が電磁波の一種であり、横波であることを説明できる光が電磁波の一種であり、横波であることを説明できない
§5:光の反射・屈折・回折を理解する光の全反射や臨界角の説明、導出ができる光の反射・屈折・回折の各現象について説明ができる光の反射・屈折・回折の各現象について説明ができない
§5:光の干渉を理解するヤングの干渉実験、薄膜やニュートンリング、回折格子などの干渉条件を導出できる光学距離と波長の関係より干渉条件を説明できる光学距離と波長の関係より干渉条件を説明できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-5 説明 閉じる
JABEE 1(2)(c) 説明 閉じる
ディプロマポリシー 3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
現代の機械工学において,その基礎となるものの一つに物理学が挙げられる.本講義では物理現象がどのように応用されているかを含めて習得するものである.応用物理Ⅱでは§5光学、§8時間変動する電磁気学、§9振動工学について演習を交えて理解を深める.
授業の進め方・方法:
教員単独による講義を実施する.
注意点:
この科目は使用する教科書について§5,8,9の講義と,その演習を交互に行い理論と実践の両方を身に付ける.特に演習課題については関数電卓は必須のため必ず持参すること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 §8:時間変動を伴う電磁気(1) 電流、オームの法則、抵抗の合成
2週 §8:時間変動を伴う電磁気(2) 電流と磁界の関係(ビオ・サヴァールの法則、アンペールの法則)、ソレノイド中の磁界
3週 §8:時間変動を伴う電磁気(3) 電流に働く力(ローレンツ力、磁界中を運動する電荷や導線、電流に働く力)、電磁誘導の法則
4週 §8:時間変動を伴う電磁気(4) 相互インダクタンスと自己インダクタンス、コイルに蓄えられるエネルギー、LC回路
5週 §8:時間変動を伴う電磁気(5) マクスウェル方程式、ヘルツの双極子放射の実験、空間を伝搬する電磁波
6週 §9:振動と波動(1) 調和振動、振動エネルギー、単振り子、LC回路、強制振動
7週 §9:振動と波動(2) 減衰振動(減衰振動、臨界制動、過減衰)、LCR回路、強制力を伴う減衰振動
8週 後期中間試験
4thQ
9週 §9:振動と波動(3) 波動、縦波と横波、弦を伝わる波動と波動方程式
10週 §9:振動と波動(4) 細い棒を伝わる縦波、波のエネルギー、弦や管内の定常波、固定端と自由端
11週 §5:光学(1) 光の波動性、反射、屈折、光学距離、フェルマーの原理
12週 §5:光学(2) ヤングの干渉実験、光の可干渉性と非干渉性、異なる媒質境界における反射
13週 §5:光学(3) 薄膜における干渉、ニュートンリング
14週 §5:光学(4) 光の回折(フレネル回折、フラウンフォーファー回折)、光の粒子性、回折格子、偏光
15週 期末試験
16週 解答,アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3前2,前3,前7,後1,後2,後8
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3前2,前7,後1,後2,後8
ジュール熱や電力を求めることができる。3前2,前7,後1,後2,後8
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学振動の種類および調和振動を説明できる。4前9,前10,前15,後6,後8,後15
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4前9,前10,前15,後6,後8,後15
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4前9,前10,前15,後7,後8,後15
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4前10,前15,後7,後8,後15
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4前10,前15,後7,後8,後15

評価割合

定期試験課題レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力502070
専門的能力30030