強度設計

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 強度設計
科目番号 0142 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械システム工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 必要なプリントを配布します。また,必要に応じて材料力学で使用した教科書を参照します。
担当教員 岡根 正樹

到達目標

・四面体に働く応力状態が説明でき,応力テンソルの基礎を説明できる。
・三軸応力状態におけるひずみエネルギーを理解し,偏差応力について説明できる。
・最大主応力説,最大せん断応力説,せん断ひずみエネルギー説を説明できる。
・き裂のまわりの応力状態をイメージでき,応力拡大係数について,簡単に説明できる.
・破壊形態別の代表的な破面の特徴を説明できる.
・一般的な疲労特性について,簡単に説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
応力状態三軸応力状態,平面応力状態について詳細に説明でき,応力テンソルを用いて主応力,主方向を求めることができる。三軸応力状態,平面応力状態についてある程度説明でき,応力テンソルを用いて,平面応力状態における主応力,主方向を求めることができる。三軸応力状態,平面応力状態について説明できず,応力テンソルを用いて,主応力を求めることができない。
ひずみエネルギー三軸応力状態におけるひずみエネルギーを理解し,偏差応力について詳細に説明できる。三軸応力状態におけるひずみエネルギーを,ある程度理解し,偏差応力について概ね説明できる。三軸応力状態におけるひずみエネルギーが説明できない。
破損の法則最大主応力説,最大せん断応力説,せん断ひずみエネルギー説をきちんと理解し,詳細に説明できる。最大主応力説,最大せん断応力説,せん断ひずみエネルギー説をある程度理解し,説明できる。最大主応力説,最大せん断応力説,せん断ひずみエネルギー説が理解できておらず,説明もできない。
き裂の力学き裂のまわりの応力状態をイメージでき,応力拡大係数について,詳細に説明できる。き裂のまわりの応力状態をある程度イメージでき,応力拡大係数について,概ね説明できる。き裂のまわりの応力状態がイメージできず,応力拡大係数とは何か説明できない。
フラクトグラフィー静的破壊,疲労破壊,衝撃破壊等,代表的な破面形態を理解し,破面を見れば,どのような履歴で破壊したか,詳細に説明できる。静的破壊,疲労破壊,衝撃破壊等,代表的な破面形態を簡単に説明できる。静的破壊,疲労破壊,衝撃破壊等,代表的な破面形態が理解できていない。
疲労強度特性疲労破壊のメカニズムを理解し,疲労強度ならびに疲労き裂進展特性におよぼす各種因子の影響を,詳細に説明できる。疲労破壊のメカニズムをある程度理解し,疲労強度特性におよぼす各種因子の影響を説明できる。疲労破壊のメカニズムが理解できておらず,疲労強度特性におよぼす各種因子の影響について節目できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-6 説明 閉じる
JABEE 1(2)(d)(1) 説明 閉じる
JABEE 1(2)(e) 説明 閉じる
ディプロマポリシー 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
材料力学,設計製図,および材料工学系科目,各力学系科目全般を基礎として,各種機械構造物の強度設計法の理解を目的として講義する。最初に組合せ応力の延長上にある各種の破損理論について学習する.続いて,基礎的なき裂材の力学的取扱について学習した後,脆性破壊,延性破壊,疲労破壊,衝撃破壊等,実構造物における破壊事例を学習することで,これらを防ぐための機械設計法についての概念を学ぶ。
授業の進め方・方法:
教員単独で行います。座学が中心になりますが,適宜,授業中に,演習問題等も取り入れます。
注意点:
材料力学Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,および材料強度学を履修(出来れば修得)していることが望ましい。
レポート等は,すべての課題についての提出が必要です。やむを得ない事情の場合を除き,1通でも未提出のレポートがある場合,提出期限を守らなかった場合などは,単位を認定しません。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス,材料力学での学習内容の確認
2週 応力とひずみ① 三軸応力状態と平面応力状態の理解の確認(材料力学Ⅲの復習)
3週 応力とひずみ② 四面体に働く応力,応力テンソル,主応力,主方向を理解する。
4週 ひずみエネルギー 三軸応力状態におけるひずみエネルギー,偏差応力を理解する。
5週 破損の法則① 最大主応力説,最大主ひずみ説,最大せん断応力説を理解する。
6週 破損の法則② 全ひずみエネルギー説,せん断ひずみエネルギー説を理解する。
7週 定期試験①
8週 き裂の力学① き裂先端近傍の特異応力場,応力拡大係数を理解する。
4thQ
9週 き裂の力学② エネルギー開放率,Griffithの破壊条件,平面ひずみ破壊じん性を理解する。
10週 き裂の力学③ 小規模降伏,Dugdaleモデル,弾塑性破壊じん性を理解する。
11週 定期試験②
12週 破壊の特徴とフラクトグラフィー ぜい性破壊,延性破壊,疲労破壊,衝撃破壊における破面の特徴を理解する。
13週 疲労強度① 疲労破壊のメカニズム,疲労試験を理解する。
14週 疲労強度② 疲労強度におよぼす各種因子の影響を理解する。
15週 疲労強度③ 疲労き裂進展特性,き裂開閉口を理解する。
16週 定期試験③

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。4
平行平板の平面ひずみ圧縮を初等解析法により解くことができる。4
軸対称の圧縮を初等解析法により解くことができる。4

評価割合

定期試験レポート・課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力20525
専門的能力601575