総合国語Ⅱ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 総合国語Ⅱ
科目番号 0001 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械システム工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 現代文B(数研出版)/精選古典B 古文編(東京書籍)/古典B 漢文編(大修館書店)/新訂総合国語便覧(第一学習社)/高校漢字必携(第一学習社) 
担当教員 足立 繭子

到達目標

1.古典を含むさまざまな文章中に出現する語句の語意を説明することができ、自分で実際に使用することができる。
2.古典を含むさまざまな文章の主旨を説明でき、文章として表現することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1文章中の語句を用いて、自分の考えを文章として表現することができる。文章中の語句の語意を説明でき、自分で実際に使用することができる。文章中の語句の語意を説明できず、自分で使用することができない。
評価項目2文章の主旨についての自分の考えを、文章化することができる。文章の主旨を説明でき、自分で文章化できる。文章の主旨を説明できず、自分で文章化できない。
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
漢字・語彙・文法など、言語的な知識を身につけ、古典を含むさまざまな文章を読み、論理構成に即して、主旨を理解できるようにする。読んだ文章を通して、さまざまな問題について、自身の意見や考えを持ち、適切に表現できるようにする。
授業の進め方・方法:
担当教員による単独講義及び演習。
但し、授業前に学習プリントや授業プリントを配布して、予習課題とする。
注意点:
他人の書いた文章を正確に読むことや自分で苦労して文章を書くことを通じて、自らの感じ方や考え方を磨いてゆくのだという意識を持ってほしい。なお、授業計画は、学生の理解度に応じて変更する場合がある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
春休み漢字課題テスト
春休み課題(漢字検定3級)の漢字の意味を理解でき、正しく使用できる。
2週 内田樹「胆力について」① 「胆力」と「驚く」こととの関係について説明できる。
3週 内田樹「胆力について」② 「胆力」と「想像力」とが「驚く」ことを媒介にして、どのように関わるか、説明できる。
4週 連休課題漢字テスト・内田樹「胆力について」③ 連休課題(漢字検定準2級)の漢字の意味を理解でき、正しく使用できる。「胆力」をつけるには何が必要だと、筆者が主張しているのか、説明できる。
5週 中島敦「山月記」① 虎に変身してしまった李徴の半生と人物像を整理して説明できる。
6週 中島敦「山月記」② なぜ李徴は虎に変身したのか、彼自身がその理由をどのように考えているのか、整理して説明できる。
7週 中島敦「山月記」③ 詩に対する李徴の執着がどのようなものであるのか、袁傪の視点を参考にしながら考え、説明できる。
8週 中島敦「山月記」④ 李徴の変身を通じて、運命、才能と努力、近代人の自意識といった問題について考え、文章として表現できる。
2ndQ
9週 前期中間試験 第1~8回の授業の内容について、理解度を確認する。
10週 答案返却・解説、『宇治拾遺物語』「小野篁、広才のこと」① 中間試験の答案返却及び解説。暗号性や匿名性など、立て札の落書の意味を説明できる。「無悪善」の意味を説明できる。
11週 『宇治拾遺物語』「小野篁、広才のこと」② 嵯峨帝がなぜ「ね」文字12個を篁に読ませたのか、その意図を説明できる。
12週  『宇治拾遺物語』「小野篁、広才のこと」③ 嵯峨帝が篁をとがめることなく済ませた理由を説明できる。
13週 『古今著聞集』
「能は歌詠み」①
「和歌」の修辞について理解し、侍の歌に用いられている修辞を説明できる。陰暦の月の異名を漢字で書ける。
14週 『古今著聞集』
「能は歌詠み」②
侍のエピソードと友則のエピソードとでは、何が「同じこと」なのか、説明できる。
15週 前期期末試験 第10~15回の授業の内容について、理解度を確認する。
16週 答案返却・解説、授業アンケート 前期の授業の振り返りを行い、達成できたこととできなかったことを文章化できる。
後期
3rdQ
1週 夏休み課題漢字テスト、湊千尋「擬似群衆の時代」① 春休み課題(漢字検定2級)の漢字の意味を理解でき、正しく使用できる。
2週 湊千尋「擬似群衆の時代」② 今の時代を動かしていく「群衆のあり方」が、以前とはどのように変化したのか、説明できる。
3週 湊千尋「擬似群衆の時代」③ 「ポスト情報化社会」の問題とは、どのようなものか、説明できる。
4週 湊千尋「擬似群衆の時代」④ 「待つ群衆」が「潜在させている」「力」とは、どのようなものがありうるのか、考え、説明できる。
5週 『平家物語』
「忠度の都落ち」①
本文の漢字や歴史的仮名遣いを正しく読める。古文単語の意味を説明できる。敬語表現と人物の関係を理解し、説明できる。
忠度の置かれている状況を説明できる。
6週 『平家物語』
「忠度の都落ち」②
勅撰和歌集への入集を「生涯の面目」と考えて、俊成に和歌を託した忠度の心情を理解する。
7週 『平家物語』
「忠度の都落ち」③
忠度の遺した和歌はどのように扱われることになったのかを、説明できる。また、そのことについての語り手の思いを、説明できる。
8週 後期中間試験 第1~8回の授業の内容について、理解度を確認する。
4thQ
9週 答案返却・解説、宿題回収、『唐宋八家文読本』柳宗元「捕蛇者説」① 後期中間試験の解答解説。
冬休みの宿題の回収。
正しく「捕蛇者説」本文の漢字・歴史的仮名遣いを読むことができる。
10週 『唐宋八家文読本』柳宗元
「捕蛇者説」②
注意すべき漢字や漢語の意味を説明できる。書き下し文・現代語訳を作成できる。永州の人々が蛇捕りに「争ひて奔走す」るのははぜか、蛇捕りをすることがなぜ「利」と表現されるのか、説明できる。
11週 『唐宋八家文読本』柳宗元
「捕蛇者説」③
筆者の申し出に対して、なぜ蔣氏は涙を流して悲しんでいるのか、その理由を整理して、説明できる。
12週 『唐宋八家文読本』柳宗元
「捕蛇者説」④
租税徴収の厳しさについて、蔣氏の述べるところを整理して、説明できる。
13週 『唐宋八家文読本』柳宗元
「捕蛇者説」⑤
重い租税による村人たちの苦しみと、毒蛇捕りによる蔣氏の苦しみとが比較されている文を理解し、どちらがより苦しいか、説明できる。
14週 『唐宋八家文読本』柳宗元
「捕蛇者説」⑥
この話で「苛政」と「虎」に当たるのは、どのようなことか、理解する。左遷されている立場にある筆者が、この「説」によって何を主張しようとしているのか、理解し、説明できる。
15週 後期期末試験 第9~14回の授業の内容について、理解度を確認する。
16週 答案返却・解説、授業アンケート 後期の授業の振り返りを行い、達成できたこととできなかったことを文章化できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章を読み、論理の構成や展開の把握にもとづいて論旨を客観的に理解し、要約し、意見を表すことができる。また、論理的な文章の代表的構成法を理解できる。2
代表的な文学作品を読み、人物・情景・心情の描写ならびに描写意図などを理解して味わうとともに、その効果について説明できる。2
文章を客観的に理解し、人間・社会・自然などについて考えを深め、広げることができる。2
文学作品について、鑑賞の方法を理解できる。また、代表的な文学作品について、日本文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。2
鑑賞にもとづく批評的な文章の執筆や文学的な文章(詩歌、小説など)の創作をとおして、感受性を培うことができる。2
読書習慣の形成をとおして感受性を培い、新たな言葉やものの見方を習得して自らの表現の向上に生かすことができる。2
現代日本語の運用、語句の意味、常用漢字、熟語の構成、ことわざ、慣用句、同音同訓異義語、単位呼称、対義語と類義語等の基礎的知識についての理解を深め、その特徴を把握できる。また、それらの知識を適切に活用して表現できる。2
代表的な古文・漢文を読み、言葉や表現方法の特徴をふまえて人物・情景などを理解し、人間・社会・自然などについて考えを深めたり広げたりすることができる。2
古文・漢文について、音読・朗読もしくは暗唱することにより、特有のリズムや韻などを味わうことができる。2
代表的な古文・漢文について、日本文学史および中国文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。また、それらに親しもうとすることができる。2
教材として取り上げた作品について、用いられている言葉の現代の言葉とのつながりや、時代背景などに関する古文・漢文の基礎的知識を習得できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度提出物その他合計
総合評価割合705010150100
基礎的能力105055025
専門的能力5000510065
分野横断的能力100000010