材料力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 材料力学Ⅰ
科目番号 0011 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械システム工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 Professional Engineer Library 材料力学,実教出版
担当教員 岡根 正樹

到達目標

材料力学では,主に弾性変形を巨視力学的な観点から考え,応力,ひずみという基本的な概念の理解と,種々の負荷形式により生じる応力の種類についての理解を深め,各種機器における強度設計の基礎を理解することを目的とします.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
外力,内力を正しく理解している複雑な問題であっても,仮想面を正しく仮定でき,内力を求めることができる.基本的な問題であれば,仮想面を正しく仮定でき,内力を求めることができる.仮想面が正しく仮定できず,内力を求めることができない.
力と応力,変形量とひずみについて正しく理解している応力の定義,ひずみの定義を正しく理解しており,それらを,外力や変形量から正しく求めることができる.また,その逆も求めることができる.基本的な問題であれば,外力から応力,変形量からひずみを算出できる.力と応力の関係,変形量とひずみの関係を理解していない.
垂直応力(ひずみ)とせん断応力(ひずみ)を理解しているそれぞれの定義を理解しており,外力に対して傾斜した仮想面上でも,それらを正しく求めることができる.単純な負荷状態であれば,それぞれを正しく求めることができる.フックの法則が理解できていない.
せん断力と曲げモーメントを正しく理解している複雑な問題であっても,仮想面上のせん断力と曲げモーメントを正しく求めることができる.基本的な問題であれば,仮想面上のせん断力と曲げモーメントを正しく求めることができる.基本的な問題でも,仮想面上のせん断力と曲げモーメントを正しく求めることができない.
種々のはりの曲げについてS.F.D.,B.M.D.が描ける複雑な問題であっても,SFD,BMDを正しく描ける.基本的な問題であれば,SFD,BMDを正しく描ける.基本的な問題でも,SFD,BMDを正しく描くことができない.
曲げ応力を正しく理解している複雑な問題であっても,曲げ応力を正しく求めることができる.基本的な問題であれば,曲げ応力を正しく求めることができる.基本的な問題でも,曲げ応力を正しく求めることができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料力学は,機械工学の基本となる科目の一つであり,機器設計等で,必ず必要となる学問です.材料力学を理解することが求められるのではなく,卒業後は,材料力学を道具として,機器設計等の業務に携わることになります.テストのための暗記ではなく,卒業後も忘れずに,知識として身に付くよう,きちんと理解することが求められます.
授業の進め方・方法:
教員単独で行います.基礎科目なので,座学が中心になりますが,適宜,授業中に,演習問題等も取り入れます.
注意点:
質点および剛体の基礎的な静力学について理解していることが望ましい.
レポート等は,すべての課題についての提出が必要です.やむを得ない事情の場合を除き,1通でも未提出のレポートがある場合,提出期限を守らなかった場合などは,単位を認定しません.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,材料力学の基礎① 力のつりあい,モーメントのつりあいを理解する.
2週 材料力学の基礎② 外力,内力,力と応力,変形量とひずみを理解する.
3週 応力とひずみ① 軸負荷,せん断負荷,曲げ負荷を理解する.
4週 応力とひずみ② 弾性係数,フックの法則を理解する.
5週 はりのせん断力と曲げモーメント① はりの種類,荷重の種類,支持と固定を理解する.
6週 はりのせん断力と曲げモーメント② 力のつりあい式,静定・不静定の違いを理解する.
7週 はりのせん断力と曲げモーメント③ せん断力と曲げモーメントを理解する.
8週 中間試験
2ndQ
9週 せん断力線図と曲げモーメント線図① 基本的なS.F.D.,B.M.D.の意味を理解する.
10週 せん断力線図と曲げモーメント線図② 種々の問題におけるS.F.D.,B.M.D.の描き方を理解する.
11週 せん断力線図と曲げモーメント線図③ やや高度な内容の問題におけるS.F.D.,B.M.D.の描き方を理解する.
12週 はりの曲げ応力① 中立面と中立軸の意味を理解する.
13週 はりの曲げ応力② はりの断面形状の性質(断面1次モーメント,断面2次モーメント)を理解する.
14週 はりの曲げ応力③ 曲げ応力と断面形状の関係,平等強さのはりを理解する.
15週 期末試験
16週 期末試験の解答と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。3
応力とひずみを説明できる。3前3
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。3
応力-ひずみ線図を説明できる。3
許容応力と安全率を説明できる。3
断面が変化する棒について、応力と伸びを計算できる。3
棒の自重よって生じる応力とひずみを計算できる。3
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。3
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。3
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。3
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。3

評価割合

試験レポート・課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力401050
専門的能力401050