シミュレーション工学

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 シミュレーション工学
科目番号 0012 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械システム工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 微分方程式で数学モデルを作ろう 著:D. N. Burghes, M. S. Borrie, 訳:垣田高夫,大町比佐栄,日本評論社
担当教員 石黒 農

到達目標

プログラミング基礎の発展として、コンピュータによる数学問題の求解とその表現方法の習得を目的に数値解析を学ぶ。数値積分、微分方程式の解法などを学ぶ。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
さまざまな物理現象を数式モデル化しシミュレートする。組立られた常微分方程式をエクセルを用いて解き,実用的な計算ソフトの使用方法を学ぶ。後半では,差分モデルの代表として極座標による偏微分方程式の厳密解の導出と数値解法について講義とVisual Basicを用いた実践的プログラム演習を実施する。
授業の進め方・方法:
プログラミング基礎の発展として、コンピュータによる数学問題の求解とその表現方法の習得を目的に数値解析を学ぶ。数値積分、微分方程式の解法などを学ぶ。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 オリエンテーション
数学モデリングの概要説明
・「何故人は学び続け鍛え上げなければ成らないのか。」について確率とゲーム理論によるシミュレーション結果を示し、学生の学びに対するモチベーション向上を実施する。
・数学モデリングの概要について講義する。
2週 成長と減衰問題の解法
変数分離形微分方程式の解法
・アルコールの吸収と事故危険率をシミュレーションし、飲酒運転が大変危険な行為であることを示す。
・技術革新の普及をシミュレーションし、常に技術革新が求められることを示す。
3週 線形一階微分方程式の解法
連立1次方程式の解法
・固体力学などの専門分野で多く出てくる線形一階微分方程式の解き方の概要を示す。
・美術品の贋作問題をシミュレートし、放射線の半減期を用いた古美術品の鑑定方法を示す。


 シミュレーションでは、連立方程式を解くことが重要となるが、数学で習うガウスジョルダンの消去法が使用されない理由を述べ、ガウスザイデル法による反復解法を説明する。
4週 線形二階微分方程式の解法 ・全ての工学分野で利用されている線形二階微分方程式の解法について説明を行う。
・力学的振動のシミュレーションを示す。
5週 微分方程式系の解法 ・種の相互作用や伝染病の広がり予測などに使用されているロトカ・ボルテラの連立微分方程式の解法を示す。
・生存闘争について説明する。
6週 ルンゲクッタ法による微分方程式の数値解法 1 ・1から5回で講義した微分方程式を解く方法としてルンゲクッタ法を導入する。
・非常に解析が困難な常微分方程式でも数値解法によって比較的簡単に解を求められる事を示す。
・配布資料によるピカールの逐次近似法、解の存在定理の紹介。
・テイラー級数展開による解の近似の説明。
7週 ルンゲクッタ法による微分方程式の数値解法 2 ・4次テイラー級数展開のルンゲクッタ法による表現方法の説明。
・Excel BVAを用いたBasicプログラムによるルンゲクッタ法の解法とグラフ化。Matlabなどの高度解析ソフトが導入されれば、それに切り替わる。
・以上の講義で常微分方程式の解法を修得する。
8週 中間テスト マークシートによる達成度を確認する試験を行う。
4thQ
9週 中間テスト解答および偏微分方程式の概要説明 ・高専5年で数学を勉強してきた答えとして、偏微分方程式の解法を示し、工学現象を数学モデルでシミュレートする。
・フーリエ解析による偏微分方程式の解法を行う。
10週 フーリエ解析による偏微分方程式の解法1 ・フーリエ解析による偏微分方程式の解法を行う。
11週 フーリエ解析による偏微分方程式の解法2 ・偏微分演算子の極座標変換に伴うベッセル方程式の出現を説明する。
12週 ベッセル方程式の概要説明 ・ベッセル方程式の厳密解法を説明し、境界条件が変わった場合、厳密解の求解が難しいことを示し、その後の差分解法への発展を説明する。
13週 ベッセル方程式の解法と応用例の説明 ・ベッセル方程式の厳密解法を説明し、境界条件が変わった場合、厳密解の求解が難しいことを示し、その後の差分解法への発展を説明する。
14週 偏微分方程式の差分近似 ・偏微分方程式の差分化について説明を行う。
15週 偏微分方程式の差分近似 その2 ・格子点が数個の場合の差分解法を示し、行列式表示を行い、バックグラウンドでの計算方法を体得する。
16週 期末試験 マークシートによる達成度を確認する試験を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御自動制御の定義と種類を説明できる。3
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。3
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。3
伝達関数を説明できる。3
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。3
制御系の過渡特性について説明できる。3
制御系の定常特性について説明できる。3
制御系の周波数特性について説明できる。3
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。3
材料系分野情報処理プログラムを実行するための手順を理解し、操作できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合0000000
基礎的能力0000000
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000