応用物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 応用物理Ⅰ
科目番号 0016 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械システム工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 高専の応用物理(小暮・森北出版) 物理Ⅰ,Ⅱ(数研出版)
担当教員 豊嶋 剛司,浅地 豊久

到達目標

1. ニュートンの運動法則
2. 質点の運動
3. エネルギー保存則
4. 剛体の運動
5. 弾性体と完全流体
6. 光の波動性と粒子性
7. 静的な電界
8. 静的な磁界
9. 動的な電磁界
について理解出来た.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1位置、速度、加速度の相関性について理解し、微積分を用いて導出が出来る質点の位置の時間変化から速度、加速度の導出が出来る質点の位置の時間変化から速度、加速度の導出が出来ない
評価項目2質点に働く力から位置の時間変化ならびにポテンシャルエネルギーの導出が出来る質点に働く力から位置の時間変化が導出出来る質点に働く力から位置の時間変化が導出出来ない
評価項目3質量が時間変化する質点の運動方程式から解が求められる質量が時間変化をする質点の運動方程式が立てられる質量が時間変化をする質点の運動方程式が立てられない
評価項目4球や円錐等の形状を有する剛体の慣性モーメントを体積要素から導出出来る回転対称性を有する形状の剛体の慣性モーメントを導出出来る回転対称性を有する形状の剛体の慣性モーメントを導出出来ない
評価項目5物体の並進運動と回転運動の連立方程式から物体の運動が導出出来る物体の回転運動に関する運動方程式が導出出来る物体の回転運動に関する運動方程式が導出出来ない
評価項目6動圧、静圧を理解し、ピトー管の原理が説明出来るベルヌーイの定理について説明が出来るベルヌーイの定理について説明が出来ない
評価項目7電荷による力や電界と電位の関係を正しく理解し,応用問題を解くことができる.電荷による力や電界と電位の基本的な関係を理解し,基本問題を解くことができる.電荷による力や電界と電位の関係を理解できず,基本問題を解くことができない.
評価項目8磁荷による力や磁界の関係を正しく理解し,応用問題を解くことができる.磁荷による力や磁界の基本的な関係を理解し,基本問題を解くことができる.磁荷による力や磁界の関係を理解できず,基本問題を解くことができない.
評価項目9電流と磁界の関係を正しく理解し,応用問題を解くことができる.電流と磁界の基本的な関係を理解し,基本問題を解くことができる.電流と磁界の関係を理解できず,基本問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
学習目標(授業の狙い)
本講義では物理学で学んできた力学・電磁気学・波に加えて流体力学を数学的見地から再解釈し自然現象と数学を結び付ける応用力を養うことを目的とする.
授業の進め方・方法:
教員単独による講義を実施する.
注意点:
応用物理は物理学で学んできた知識を数学(特に微分・積分)の見地から見直し,基本的な概念を理解することが大切である.このことは,単に式を覚えるのではなく,演習問題を自分で考え,解いてみることが必要であり,関連図書や関連する参考書などを活用して自学習にも望んで欲しい.「応用」物理とあるように,この講義は物理学を基本とする科目であることから1~2年時に学んだ物理を再度勉強するつもりで臨むようにお願いします.また,本教科の内容が理解出来ない場合は簡単なことを聞くのは・・・と遠慮をせず,疑問が生じた時点で積極的に質問をすることが望ましい.

なお,授業計画は学生の理解度に応じて変更する場合がある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 講義の進め方について,物理学(力学)の復習
2週 1.力学の基礎Ⅰ 運動の第1-3法則の復習、慣性系
3週 1.力学の基礎Ⅱ 仕事とエネルギー、力積の関係
4週 2.質点系の力学Ⅰ 重心と運動量、重心に対する運動方程式
5週 2.質点系の力学Ⅱ 力のモーメントと角運動量
6週 3.剛体の力学Ⅰ 剛体の慣性モーメントの導出Ⅰ
7週 前期中間試験
8週 3.剛体の力学Ⅱ 剛体の慣性モーメントの導出Ⅱ
2ndQ
9週 3.剛体の力学Ⅲ 剛体の並進運動と回転運動における連立運動方程式Ⅰ
10週 3.剛体の力学Ⅳ 剛体の並進運動と回転運動における連立運動方程式Ⅱ
11週 3.剛体の力学に関する復習
12週 4.変形する物体 材料学からみた固体の変形
13週 4.流体Ⅰ 完全流体と連続の方程式
14週 4.流体Ⅱ ベルヌーイの定理
15週 4.変形する物体に関する復習
16週 期末試験
後期
3rdQ
1週 7.静的な電磁気Ⅰ 電荷と力、電界
2週 7.静的な電磁気Ⅱ 電界の導出法、電位
3週 7.静的な電磁気Ⅲ 導体と電気容量
4週 7.静的な電磁気Ⅳ コンデンサーに蓄えられるエネルギー
5週 7.静的な電磁気Ⅴ 誘電体と電界のエネルギー
6週 7.静的な電磁気Ⅵ 磁荷と力
7週 7.静的な電磁気Ⅶ 磁性体と工業的応用
8週 後期中間試験 第1〜7週の内容の理解度を測るために,中間試験を行う.
4thQ
9週 8.動的な電磁気Ⅰ 電流とオームの法則
10週 8.動的な電磁気Ⅱ 超伝導
11週 8.動的な電磁気Ⅲ 電流磁界の計算法、電流に働く力
12週 8.動的な電磁気Ⅳ 変動する電磁界Ⅰ
13週 8.動的な電磁気Ⅴ 変動する電磁界Ⅱ
14週 8.動的な電磁気Ⅵ 電磁場
15週 期末試験 第9〜14週の内容の理解度を測るために,中間試験を行う.
16週 解答,アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3前1
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3前1
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3前1
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3前1
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3前1
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前1
鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前1
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前1
物体に作用する力を図示することができる。3前1
力の合成と分解をすることができる。3前1
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3前1
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3前1
慣性の法則について説明できる。3前2
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3前2
運動方程式を用いた計算ができる。3前2
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3前2
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3前1,前3
最大摩擦力に関する計算ができる。3前1,前3
動摩擦力に関する計算ができる。3前1,前3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3前3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3前3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3前3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3前2
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3前3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3前2,前3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3前5
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3前5
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3前5
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3前4
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前4
力のモーメントを求めることができる。3前5
角運動量を求めることができる。3前5
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3前5
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3前6
重心に関する計算ができる。3前4
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3前6
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3前9
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。3前1
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。3前1
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。3前1
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。3前5
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。3前5
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。3前5
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。3前4
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。3前2
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。3前2
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。3前2
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。3前2
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。3前2
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。3前5
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。3前5
仕事の意味を理解し、計算できる。3前3
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。3前3
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。3前3
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。3前3
動力の意味を理解し、計算できる。3前3
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。3前3
運動量および運動量保存の法則を説明できる。3前3
物体が衝突するさいに生じる現象を説明できる。3前3
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。3前9,前10
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。3前6,前8,前9,前10
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。3前12
応力とひずみを説明できる。3前12
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。3前12
応力-ひずみ線図を説明できる。3前12
許容応力と安全率を説明できる。3前12
熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。2前13,前14
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。2前13,前14
圧縮性流体と非圧縮性流体の違いを説明できる。2前13,前14
ピトー管、ベンチュリー管、オリフィスを用いた流量や流速の測定原理を説明できる。2前14
材料系分野力学荷重と応力、変形とひずみの関係について理解できる。3前12
応力-ひずみ曲線について説明できる。3前12
フックの法則を用いて、縦弾性係数(ヤング率)、応力およびひずみを計算できる。3前12
許容応力と安全率を説明できる。3前12
ひずみエネルギーを説明できる。3前12
垂直応力、垂直ひずみ、縦弾性係数を用いてひずみエネルギーを計算できる。3前12

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合165000035200
基礎的能力80000020100
専門的能力85000015100
分野横断的能力0000000