強度設計

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 強度設計
科目番号 0022 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械システム工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 配付資料
担当教員 増山 圭一

到達目標

強度設計を行う必要性を理解し,その為に各種の因子について計算,図式により求められる.具体的には以下の表か項目について理解することを目標とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
強度設計の必要性 破壊事例疲労破壊におけるSN線図について説明できる.疲労破壊について理解している.疲労破壊について理解していない.
比強度・非弾性率比強度・非弾性率について説明できる.比強度・非弾性率について知っている.比強度・非弾性率について説明できない.
工業材料の原子構造,結合,結晶構造 簡単な金属の結晶構造について名称,結晶方位,結晶面の記述ができる.簡単な金属の結晶構造について名称,図で示すことができる.簡単な金属の結晶構造について名称,図で示すことができない.
1軸応力における垂直応力,せん断応力1軸応力における垂直応力,せん断応力について簡単な問題を解くことができる.1軸応力における垂直応力,せん断応力についてどちらかひとつ問題を解くことができる.1軸応力における垂直応力,せん断応力についてどちらかひとつ問題を解くことができない.
2軸における任意面での主応力とせん断応力の導出2軸における任意面での主応力とせん断応力の導出がモールの応力円を用いて求めることができる.2軸における任意面での主応力とせん断応力のどちらかひとつの導出がモールの応力円を用いて求めることができる.2軸における任意面での主応力とせん断応力のどちらかひとつの導出がモールの応力円を用いて求めることができない.
平面ひずみ破壊靭性試験法による破壊靭性値の算出平面ひずみ破壊靭性試験法による破壊靭性値の算出ができる.平面ひずみ破壊靭性試験法による破壊靭性値の算出法について説明できる.平面ひずみ破壊靭性試験法による破壊靭性値の算出法について説明できない.
回転曲げ疲労試験機による疲れ強さの算出回転曲げ疲労試験機による疲れ強さの算出ができる.回転曲げ疲労試験機による疲れ強さの説明ができる.回転曲げ疲労試験機による疲れ強さの説明ができない.
繰り返し応力繰り返し応力に関し,平均応力,応力振幅,応力比を計算で求められる. 繰り返し応力に関し,平均応力,応力振幅,応力比のいずれかが計算で求められる. 繰り返し応力に関し,平均応力,応力振幅,応力比のいずれも計算で求められない.
耐久限度線図を用いた疲れ強さ引張強さと降伏強度,真の引張強度と平滑材,切り欠き材の疲れ強さから耐久限度線図により使用範囲を特定できる.引張強さと降伏強度,真の引張強度と平滑材,切り欠き材の疲れ強さから求まる耐久限度線図を用いて使用範囲を特定できる.引張強さと降伏強度,真の引張強度と平滑材,切り欠き材の疲れ強さから求まる耐久限度線図を用いて使用範囲を特定できない.
ラーソンミラー法による破断強さラーソンミラー法による破断強さの推定ができる.ラーソンミラー法の使用目的について説明できる.ラーソンミラー法の使用目的について説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械設計するためには損傷許容設計が必要である.損傷許容設計の必要性を理解するため,過去の事故事例を元に事故原因と対策,試験方法について学習し,設計者にとって材料選択に至る試験方法,応力集中,強度計算手法について学習する.
授業の進め方・方法:
授業の度に 授業内容にもとづく資料を配付する.
注意点:
内容が多岐にわたり,進度も速いので予習復習に努めること

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 強度設計の必要性 破壊事例(原因とその後の対策) 
過去の破壊事例事故を参考に強度設計の必要性を理解する.
2週 産業における工業材料 鉄鋼材料,非鉄金属材料について,製造方法,規格,用途について理解する.
3週 工業材料の原子構造,結合,結晶構造 工業材料の原子構造,結合,結晶構造について理解する.
4週 鉄鋼材料 ステンレス鋼を含む鉄鋼材料の規格,用途について理解する.
5週 非鉄金属材料 アルミや銅,チタンなど非鉄金属材料の規格,熱処理方法,強化方法を理解する.
6週 工業材料に働く力 応力とひずみ,1軸,2軸の垂直応力,モールの応力円,2軸応力状態,ひずみゲージとひずみの測定法について理解する.
7週 中間試験 上記の内容について中間試験を実施し,理解度を測る.
8週 工業材料の強度(静的)評価方法 引張,圧縮,ねじり,硬さ,衝撃試験,破壊靭性など静的試験について理解する.
4thQ
9週 工業材料の損傷許容設計のための試験法 疲労試験,クリープ試験,応力集中,環境破壊について理解する.
10週 強度設計の必要性 安全寿命設計・フェイル・セイフ設計および損傷許容設計について理解する.
11週 設計への応用 耐久限度線図を用いて疲れ強さを算出できる.また損傷許容設計に関する簡単な問題が解ける.
12週 簡単なクリープ試験の事例をもとに,クリープ破断強度を図式により求められる.
13週 ラーソンミラー法による破断強さの推定ができる.
14週 期末試験 後期8週から14週までの理解度を測る為に,期末試験を実施する.
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計機械設計の方法を理解できる。3
許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。5
力学力のモーメントの意味を理解し、計算できる。5
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。5
応力とひずみを説明できる。5
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。5
応力-ひずみ線図を説明できる。5
許容応力と安全率を説明できる。5
断面が変化する棒について、応力と伸びを計算できる。3
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。3
材料系分野材料物性金属の一般的な性質について説明できる。3
原子の結合の種類および結合力や物質の例など特徴について説明できる。3
結晶構造の特徴の観点から、純金属、合金や化合物の性質を説明できる。3
代表的な結晶構造の原子配置を描き、充填率の計算ができる。3
X線回折法を用いて結晶構造の解析に応用することができる。3
金属材料製銑および製鋼工程について、原料ならびに主設備、主な炉内反応を説明できる。3
材料組織弾性変形の変形様式の特徴、フックの法則について説明できる。3
格子間原子型および原子空孔型の拡散機構を説明できる。3
力学荷重と応力、変形とひずみの関係について理解できる。3
応力-ひずみ曲線について説明できる。3
フックの法則を用いて、縦弾性係数(ヤング率)、応力およびひずみを計算できる。3
許容応力と安全率を説明できる。3
荷重の方向、性質と物体の変形様式との関係について説明できる。3
引張、圧縮応力(垂直応力)とひずみ、物体の変形量を計算できる。3
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。3
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。3
各種の荷重が作用するはりのせん断力図と曲げモーメント図を作成できる。3
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を計算できる。3
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。3
モールの応力円を理解し、描いたモールの応力円から任意の面の主応力、主応力方向、主せん断応力、主せん断応力方法を求めることができる。5

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合180000020200
基礎的能力90000010100
専門的能力90000010100
分野横断的能力0000000