材料力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 材料力学Ⅰ
科目番号 0054 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械システム工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 Professional Engineer Library 材料力学,実教出版
担当教員 岡根 正樹

到達目標

材料力学では,主に弾性変形を巨視力学的な観点から考え,応力,ひずみという基本的な概念の理解と,種々の負荷形式により生じる応力の種類についての理解を深め,各種機器における強度設計の基礎を理解することを目的とします.具体的には,下記の『評価(ルーブリック)』の『標準的な到達レベルの目安(良)』に記載された内容が,本科目の基本的な到達目標となる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
外力と内力の違いを正しく説明することができる.複雑な問題であっても,仮想面を正しく仮定でき,内力を求めることができる.基本的な問題であれば,仮想面を正しく仮定でき,内力を求めることができる.仮想面が正しく仮定できず,内力を求めることができない.
力のつりあい,モーメントのつりあいを理解し,それぞれのつりあい式を正しく求めることができる.複雑な問題であっても,それぞれのつりあい式を正しく求めることができる.標準的な問題であれば,それらを正しく求めることができる.標準的な問題であっても,それらを求めることができない.
応力とひずみの定義を理解し,それらを正しく説明することができる.負荷様式に応じた応力,ひずみを正確に説明することができる.概ね,それらを説明することができる.いずれについても,正しく求めることができない.
棒の自重よって生じる応力とひずみを計算できる.それらを,正確に求めることができる.概ね,求めることができる.求めることができない.
断面が変化する棒について、応力と伸びを計算できる.それらを,正確に求めることができる.概ね,求めることができる.求めることができない.
はりの固定,支持方法を理解し,反力,支持モーメントを正しく仮定することができる.固定,支持方法に応じて,正確に仮定することができる.概ね,正確に仮定することができる.仮定することができない.
集中荷重のみが作用する比較的単純なはりであれば,せん断力,曲げモーメントを求めることができる.正しく求めることができる.概ね,正しく求めることができる.正しく求めることができない.
面積モーメント法が適用できる分布荷重が作用するはりの,せん断力,曲げモーメントを求めることができる.正しく求めることができる,概ね,正しく求めることができる.正しく求めることができない.
面積モーメント法が簡単に適用できない分布荷重が作用するはりの場合でも,積分法を用いて,せん断力,曲げモーメントを求めることができる.正しく求めることができる,概ね,正しく求めることができる.正しく求めることができない.
せん断力,曲げモーメントの式が与えられれば,せん断力線図(S.F.D.),曲げモーメント線図(B.M.D.)を描くことができる.正確に描くことができる.概ね,描くことができる.正しく描くことができない.
せん断力線図(S.F.D.),曲げモーメント線図(B.M.D.)を見れば,どのような荷重やモーメントが負荷されているはりか,ある程度推察することができる.正確にイメージすることができる概ねイメージすることができる.イメージすることができない.

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
材料力学は,機械工学の基本となる科目の一つであり,機器設計等で,必ず必要となる学問です.材料力学を理解することが求められるのではなく,卒業後は,材料力学を道具として,機器設計等の業務に携わることになります.テストのための暗記ではなく,卒業後も忘れずに,知識として身に付くよう,きちんと理解することが求められます.
授業の進め方・方法:
教員単独で行います.基礎科目なので,座学が中心になりますが,適宜,授業中に,演習問題等も取り入れます.
注意点:
質点および剛体の基礎的な静力学について理解していることが望ましい.
レポート等は,すべての課題についての提出が必要です.やむを得ない事情の場合を除き,1通でも未提出のレポートがある場合,提出期限を守らなかった場合などは,単位を認定しません.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,材料力学の基礎① 力のつりあい,モーメントのつりあいを理解(復習)する.
2週 材料力学の基礎② 仮想断面を理解し,内力と外力の違いを理解する.
3週 応力とひずみ① 垂直応力の定義を理解する.
4週 応力とひずみ② せん断応力の定義を理解し,傾いた仮想断面上の応力を求めることができる.
5週 応力とひずみ③ 垂直ひずみとせん断ひずみ,縦ひずみと横ひずみ,公称ひずみと真ひずみ,についてそれぞれ理解する.
6週 応力とひずみ④ 種々の材料の応力ひずみ線図を理解し,許容応力,安全率について理解する.
7週 引張と圧縮① 伸びと応力の関係を理解し,自重による棒の伸びを求めることができる.
8週 引張と圧縮② 平等強さの棒について理解する.棒の不静定問題を解くことができる.
2ndQ
9週 中間試験
10週 中間試験の解答と解説 これまでの学習内容の復習と,理解度の確認を行う.
11週 曲げ① 支持,固定の種類を理解し,せん断力と曲げモーメントを理解する.
12週 曲げ② 基本的なS.F.D.,B.M.D.の意味を理解する.
13週 曲げ③ 種々の問題におけるせん断力と曲げモーメントを求め,S.F.D.,B.M.D.の描き方を理解する.
14週 曲げ④ 高度で複雑な内容の問題における,せん断力と曲げモーメントを求め,S.F.D.,B.M.D.の描き方を理解する.
15週 期末試験
16週 期末試験の解答と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4
応力とひずみを説明できる。4前3
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4
許容応力と安全率を説明できる。4
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。4
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。4
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。4
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。4
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。4
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。3
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。3

評価割合

試験レポート・課題合計
総合評価割合8515100
基礎的能力40545
専門的能力451055