機械設計Ⅰ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 機械設計Ⅰ
科目番号 0072 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械システム工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 機構学 森田鈞 サイエンス社
機械設計2(実教出版)
担当教員 佐瀬 直樹

到達目標

1.リンク機構の動きを理解する.
2.瞬間中心の概念を理解する.
3.機構における各部の速度,加速度を求められる.
4.転がり接触における運動の伝達を理解する.
5.インボリュート歯車の形状とその意図を理解する.
6.遊星歯車機構の運動について理解する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実際の機械の各部品をモデル化したり,モデル化された機構の動きが正しく理解できる.モデル化された機構の動きをイメージできる.モデル化された機構の動きをイメージできない.
評価項目2瞬間中心の概念を理解し,各種機構における部品間の瞬間中心を求められる.単純な機構における瞬間中心を求められる.瞬間中心の概念が理解できない.
評価項目3各種機構において,各状態や各位置での速度や加速度を正しく求められる.単純な機構において各位置の速度,加速度が求められる.機構における各位置の速度あるいは加速度を求めることがまったくできない.
評価項目4転がり接触にる運動の伝達を理解し,種々の構造の摩擦車の速比やその変化を求められる.転がり接触による運動の伝達を理解し,基本的な形状の摩擦車の速比を算出できる.転がり接触による運動の伝達が理解できない.
評価項目5インボリュート歯車の歯形形状や諸数値を理解し,その特徴や製造法などを説明できる.インボリュート歯車の歯形形状や諸数値を説明できる.インボリュート歯車の歯形形状や諸数値の関係が理解できない.
評価項目6種々の遊星歯車機構の運動が理解でき,その速比が算出できる.基本的な遊星歯車機構の運動を理解し,その速比を算出できる.遊星歯車機構の運動が理解できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械に意図した運動をさせるため,そこには様々な機構や機械要素が組み合わされ,使用される.各要素がどのような運動をし,その運動がどのように伝達されていくかを理解する.そして,それぞれの機構や機械要素の工学的意味と特徴を理解する.
授業の進め方・方法:
講義形式で解説したのち,適宜演習問題を解き,理解を深める.
毎回の授業には,前回の授業の復習,次回の予習をして臨むこと.
注意点:
身の回りの機器の構造や機構,機械要素に興味を持ち,それらの構造や動きに目を配るよう意識をする.
本科目では,60点以上の評価で単位を認定する.評価が60点に見たない者は,願い出により追認試験を受けることができる.追認試験の結果,単位の修得が認められた者にあっては,その評価を60点とする.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 機械運動の基礎 機構のモデル化とリンク機構について説明できる.
2週 瞬間中心 瞬間中心の概念を理解し,単純な機構の瞬間中心が求められる.
3週 3瞬間中心の定理 3瞬間中心の定理を使って,各部品間の瞬間中心をすべて求められる.
4週 機構における瞬間中心 複雑なリンク機構における瞬間中心位置を求められる.
5週 瞬間中心から速度を求める(1) 移送法により機構の各点の速度が求められる.
6週 瞬間中心から速度を求める(2) 連節法により機構の各点の速度が求められる.
7週 機構における分速度 分解法により機構の各点の速度が求められる.
8週 機構における相対速度 写像法により機構の各点の速度が求められる.
2ndQ
9週 中間試験 第8週までの内容についての試験を実施する.
10週 中間試験の解説 中間試験の内容について解説をする.
11週 角加速度と加速度 回転節が角加速度運動する時の加速度について説明できる.
12週 コリオリの加速度 コリオリの加速度を説明できる.
13週 機構における加速度(1) 機構の各点に作用する加速度について説明できる.
14週 機構における加速度(2) 機構の各点に作用する加速度が求められる.
15週 期末試験
16週 期末試験の解説,アンケート
後期
3rdQ
1週 転がり接触 回転体が転がり接触する条件を説明できる.
2週 円すい摩擦車
円すい摩擦車の速比と形状の関係を説明できる.
3週 変速摩擦伝動装置 変速摩擦車の機構を理解し速比変化を求められる.
4週 歯車歯形としての条件 角速度比が一定となるための歯型形状に必要な条件を理解している.
5週 すべり速度 歯面でのすべり速度を求められる.
6週 歯車の形状と歯切り 歯車の基本的な形状と各数値の関係を説明できる.また実際の歯車の製造方法を説明できる.
7週 インボリュート歯車 インボリュート歯車の歯形形状を説明できる.
8週 中心距離の変化 インボリュート歯車の中心間距離の変化による影響を説明できる.
4thQ
9週 中間試験 第8週までの内容についての試験を実施する.
10週 中間試験の解説 中間試験の内容について解説をする.
11週 ラック,内歯車 ラックおよび内歯車のインボリュート歯車形状を説明できる.
12週 干渉,切下げ,転位 歯の干渉や転位歯車について説明できる.
13週 歯車列 歯車列の速比を求められ,歯車列の基本設計ができる.
14週 遊星歯車列 遊星歯車列の機構を理解し,速比を算出できる.
15週 期末試験
16週 期末試験の解説,アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野設計製図ボルト・ナット、軸継手、軸受、歯車などの機械要素の図面を作成できる。3
歯車減速装置、手巻きウインチ、渦巻きポンプ、ねじジャッキなどを題材に、その主要部の設計および製図ができる。3
機械設計歯車の種類、各部の名称、歯型曲線、歯の大きさの表し方を説明できる。2後6
すべり率、歯の切下げ、かみあい率を説明できる。2後5
標準平歯車と転位歯車の違いを説明できる。2後6
標準平歯車について、歯の曲げ強さおよび歯面強さを計算できる。2
歯車列の速度伝達比を計算できる。2後5
リンク装置の機構を理解し、その運動を説明できる。2前1
代表的なリンク装置の、変位、速度、加速度を求めることができる。2前2
カム装置の機構を理解し、その運動を説明できる。2前3
主な基礎曲線のカム線図を求めることができる。2前4

評価割合

試験(中間,期末試験)発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90100000100
基礎的能力0000000
専門的能力90100000100
分野横断的能力0000000