総合国語ⅠA

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 総合国語ⅠA
科目番号 0080 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械システム工学科 対象学年 1
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 国語総合 現代文編・古典編(大修館書店)/新総合図説国語(東京書籍)/新版高校漢字必携(第一学習社)
担当教員 高熊 哲也

到達目標

現代人に必要とされる、言葉を運用する力(読み、書き、話し、聞く力)を身につける。人間と社会・環境の関係について考える力を磨く。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
さまざまなジャンルの文章について、論理的に内容を理解することができる。表現が生まれる背景を視野に入れ、部分の意味内容を全体構成の中で捉えることができる。語句や文のつながりを正確に捉えて、表現の意図や趣旨が理解できる。語句や文の連鎖を貫く、つながりや構成意識を捉えることができない。
文章読解を通じて、さまざまな問題について、自分なりの考えを持ち、それを適切に表現できる。教材を踏まえた問題意識を持ち、自己の創造的な糧としつつ、表現された内容についてまとめることができる。教材が内包する問題点を理解して、その意味内容について説明できる。教材の提示している問題や意味についての理解が不十分で、その内容が説明できない。
漢字・語彙・文法など、言語に関する知識を身につける。教科書や漢字副教材レベルの知識に加えて、発展的な内容を加えて身につける。教科書や漢字副教材レベルの知識を習得する。教科書や漢字副教材レベルの知識を十分に習得できていない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
さまざまな文章を読み、文章の論理に即して内容を理解する。漢字・語彙・文法など、言語に関する知識を豊かにする。教材の文章の読解を通じて、人間と社会・環境の関係について思考する力を磨く。教材の文章の読解を通じて、さまざまな問題について、自分なりの考えを持ち、それを適切に表現する。
授業の進め方・方法:
担当教員による単独講義。ただし、発問を軸に学習者と教授者の相互交流を通して、理解を深める授業形態を中心とする。
学習プリントを配布し、教材ごとの学習の要点をあらかじめ提示する。授業展開を理解する上での補助とするとともに、予習、復習のための材料として活用する。
注意点:
他人の書いた文章を正確に読むことや自分で苦労して文章を書くことを通じて、自らの感じ方や考え方を磨いてゆくのだという意識を持ってほしい。
なお、授業計画は、学生の理解度に応じて変更する場合がある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス・新入生課題テスト・池内了「富士山のカタチ」① 授業の内容についての説明。新入生課題を確認するテストの実施。なぜ「国語」という科目を学ぶのかについて考える。
2週 鷲田清一「他者を理解するということ」 なぜ「国語」という言葉やコミュニケーションに関わる科目が必要なのかについて考える。「他者を理解する」ことにおける、言葉の重要性を理解する。
3週 山崎正和「水の東西」 「水」をめぐる西洋文化との比較により、日本人の感性について把握する。
二項対立的な文章の構成を分析し、一般的な評論の組み立てについて理解を深める。
4週 森鷗外「高瀬舟」① 弟を故意に死なせた喜助と、島流しになる喜助を高瀬舟に乗せて行く同心庄兵衛。作者がどのようなことに問題意識を持って作品を描いたか、考察する。
5週 森鷗外「高瀬舟」② 同上
6週 連休課題テスト
古文入門 『宇治拾遺物語』「児のそら寝」
漢字課題テストの実施。なぜ古文を読むのか。古文と現代文の違いや、仮名文字の特性などについて理解する。
歴史的仮名遣いを正しく読む。
7週 『宇治拾遺物語』「絵仏師良秀」 「良秀」がなぜ自分の家の火事を見ているだけだったのかを考える。古文の文法(文語文法)と現代文の文法(口語文法)の違いを、動詞の活用を学ぶ中で理解する。
8週 『今昔物語集』
   「阿蘇の史、盗人にあひてのがるること」
「阿蘇の史」がどのように盗人の襲撃を回避したのかを考える。用言のうち、形容詞と形容動詞の活用について、文語文法と口語文法との違いを理解する。
2ndQ
9週 前期中間試験 第1~8回の授業の内容について、理解度を確認する。
10週 前期中間試験の答案返却と解説
11週 港千尋「知識の扉――学ぶことの身体性――」① 知識を得る際に私たちが用いる媒体の違いから、どういう問題が生じるのかについて理解する。
12週 港千尋「知識の扉――学ぶことの身体性――」② 「物質性」・「身体性」について、筆者がどのように捉えているのか、理解する。
13週 漢文入門「漢文訓読のきまり」・「訓読に親しむ」 漢文をなぜ学習するのか、その意義について理解する。送り仮名に用いる片仮名や返り点などがなぜ発明されたのかを理解する。
白文、書き下し文、訓点などについて理解する。
14週 故事成語「五十歩百歩」「矛盾」 さまざまな故事成語について、正しく訓読し、書き下し文を書き、現代語訳して文章の内容を正しく把握する。
15週 「蛇足」「朝三暮四」 同上
16週 期末試験 第10~15回の授業の内容について、理解度を確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語文学作品について、鑑賞の方法を理解できる。また、代表的な文学作品について、日本文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。2
鑑賞にもとづく批評的な文章の執筆や文学的な文章(詩歌、小説など)の創作をとおして、感受性を培うことができる。3
現代日本語の運用、語句の意味、常用漢字、熟語の構成、ことわざ、慣用句、同音同訓異義語、単位呼称、対義語と類義語等の基礎的知識についての理解を深め、その特徴を把握できる。また、それらの知識を適切に活用して表現できる。1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ小テストレポート合計
総合評価割合7000002010100
基礎的能力7000002010100
専門的能力00000000
分野横断的能力00000000