流体工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 流体工学Ⅱ
科目番号 0149 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械システム工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 流体力学(JSMEテキストシリーズ) (著 日本機械学会,丸善出版)
担当教員 山本 久嗣

到達目標

・実在する流体である粘性流体の現象を理解する.
・実在流体の方程式や法則を理解する.
具体的には下記ルーブリックの各項目が到達目標になる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
流体工学の基礎用語や方程式流体工学の基礎用語や方程式を説明できる流体工学の基礎用語や方程式を理解できる流体工学の基礎用語や方程式を理解できない
粘性流体粘性流体を説明できる粘性流体を理解できる粘性流体を理解できない
層流の基礎方程式層流の基礎方程式を説明できる層流の基礎方程式を理解できる層流の基礎方程式を理解できない
層流と乱流の違い,乱流の方程式層流と乱流の違い,乱流の方程式を説明できる層流と乱流の違い,乱流の方程式を理解できる層流と乱流の違い,乱流の方程式を理解できない
管路内の層流管路内の層流を説明できる管路内の層流を理解できる管路内の層流を理解できない
管路内の乱流,ムーディ線図管路内の乱流,ムーディ線図を説明できる管路内の乱流,ムーディ線図を理解できる管路内の乱流,ムーディ線図を理解できない
管路内の損失管路内の損失を説明できる管路内の損失を理解できる管路内の損失を理解できない
相似側相似側を説明できる相似側を理解できる相似側を理解できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-6 説明 閉じる
JABEE 1(2)(d)(1) 説明 閉じる
JABEE 1(2)(e) 説明 閉じる
ディプロマポリシー 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
流れ現象は,飛行機の翼や自動車の車体,扇風機,コンピューターのハードディスクなどの我々が日常接している機械に多く利用されている.これらの機械の効率を上げ,安全性を高めるには,流れ現象を理解し応用しなければならない.そこで,本科目では,流体工学Ⅰで学んだ内容を復習するともに,身の回りの流れ現象に興味を持ち,流れ現象を表現した方程式や法則を理解することを学習目標とする.
授業の進め方・方法:
最初に,流体工学の基礎用語を復習し,流体の基礎方程式を理解する.次に,層流と乱流の違いを明確にし,乱流の性質を理解する.そして,飛行機の翼上で見られる境界層や翼に働く力,翼の後方できる渦などの流体機械に関する現象も学習する,また,水道管などの管内の流れや,用水路などの表面を有する流れ,海などの表面波を伴う流れなど,身近な流れについても学習する.
注意点:
流れの基礎式は,微分方程式や複素数などを使うので,数学の基礎は各自復習して授業に取り組んでください.また,授業後にレポートを課しますので,課題を解くことにより,理解を確実なものにし,提出してください.なお,授業計画は,学生の理解度に応じて変更する場合があります.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 流体工学の基礎用語と流れの基礎方程式(1) 完全流体と粘性流体,圧縮性流体と非圧縮性流体,定常流と非定常流,流線・流管・流跡線,流体の変形運動,連続の式,オイラーの運動方程式,ベルヌーイの定理と応用,運動量の方程式.
2週 粘性流体 粘性,動粘性係数,ニュートン流体,レイノルズ数
3週 流れの基礎方程式(2) ナビエー・ストークス式,クエット流,ポアゾイユ流
4週 層流と乱流,乱流の性質 レイノルズの実験,乱流中に働くせん断応力,レイノルズ方程式,乱れエネルギ方程式,乱流の発生と組織的構造,乱流中の渦と波,乱流の統計的処理,一様等方性乱流の統計的性質
5週 管路内の流れ(1) 管路内の層流時の流速分布と流量
6週 管路内の流れ(2) 管路内の乱流時の流速分布と流量
7週 管路内の流れ(3) 管路での損失,損失を考慮したベルヌーイの式(ダルシーの式)
8週 中間テスト
4thQ
9週 中間テスト解答,様々な流れ・相似則 噴流と後流,衝撃波,2次流れ,特殊な流体,フルードの相似則,レイノルズの相似則
10週 境界層 境界層の概念,境界層方程式,境界層の性質
11週 流れと抵抗 表面抵抗と形状抵抗,3次元物体が流れから受ける抵抗,2次元物体が流れから受ける抵抗
12週 揚力と抗力(1) 揚力と抗力を用いた問題
13週 揚力と抗力(2) 揚力と抗力を用いた応用問題
14週 渦と循環 渦度と循環,渦線・渦管・渦糸および渦と循環に関する基礎原理,渦の誘導速度,渦列,循環と揚力,基礎的な渦
15週 期末テスト
16週 期末テストの解答とアンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。4後1
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。4後1
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。4後2,後3
定常流と非定常流の違いを説明できる。4後3
流線と流管の定義を説明できる。4後3,後4
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。4後3
オイラーの運動方程式を説明できる。4後3
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。4後1
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。4後1
層流と乱流の違いを説明できる。4後1
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。4後2
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。4後6
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。4後6
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。4後8
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。4後8,後11
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。4後8,後12

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合7030100
理解度7030100