材料力学Ⅱ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 材料力学Ⅱ
科目番号 0152 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械システム工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 Professional Engineer Library 材料力学,実教出版
担当教員 岡根 正樹

到達目標

材料力学Ⅰに引き続き,はりの曲げ応力,はりのたわみ,ねじり,等について学び,基本的な問題が解けるようにする.また,はりの曲げにおける不静定問題の解法を理解し,実際の問題に応用できるようにすることを目指す.具体的には,下記の『評価(ルーブリック)』の『標準的な到達レベルの目安(良)』に記載された内容が,本科目の基本的な到達目標となる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
曲げ応力は,断面上で一様ではなく分布があり,引張と圧縮が混在していることを理解している正しく説明できるだけでなく,資料等を自作しして,効果的に説明することができる.教科書などを用いれば,簡潔に説明することができる.教科書やノートを用いても,正しく説明できない.
断面二次モーメント を求めることができる.また,断面二次モーメントと,断面二次極モーメントの違いを説明できる.複雑な形状の場合でも正しく求めることができ,簡潔に説明できる.基本的な形状の場合であれば正しく求めることができ,説明できる.単純な形状であっても,求めることができない.
はりの曲げ応力を求めることができる.分布荷重が作用したり,断面形状が複雑な場合でも,正しく求めることができる.基本的な形式のはりであれば,正しく求めることができる.単純な場合でも,求めることができない.
平行軸の定理を理解している.正しく説明できるだけでなく,資料等を自作しして,効果的に説明することができる.教科書などを用いれば,簡潔に説明することができる.教科書やノートを用いても,正しく説明できない.
平等強さのはりがどのようなものか理解している.正しく説明できるだけでなく,資料等を自作しして,効果的に説明することができる.教科書などを用いれば,簡潔に説明することができる.教科書やノートを用いても,正しく説明できない.
はりのたわみの微分方程式(基礎式)を理解している.理論から,基礎式を導出することができ,正しく使用することができる.基礎式がどのようなものか知っており,正しく使用できる.教科書やノートを参考にしても,たわみの微分方程式を説明できない.
はりのたわみ,たわみ角を求めることができる.複雑な形状や,負荷の場合でも正しく求めることができ,簡潔に説明できる.基本的な形状や,負荷の場合であれば正しく求めることができ,簡潔に説明できる.単純な形状や,負荷の場合であっても正しく求めることができない.
はりの不静定問題を解くことができる.複雑な形状や,負荷の場合でも正しく解くことができる.基本的な形状や,負荷の場合であれば 正しく解くことができる.単純な形状や,負荷の場合であも解くことができない.
ねじれ角,比ねじれ角等,ねじりに関する基本的な力学量を理解している.正しく説明できるだけでなく,資料等を自作しして,効果的に説明することができる.教科書などを用いれば,簡潔に説明することができる.教科書やノートを用いても,正しく説明できない.
トルクと,せん断応力の関係を理解している.正しく説明できるだけでなく,資料等を自作しして,効果的に説明することができる.教科書などを用いれば,簡潔に説明することができる.教科書やノートを用いても,正しく説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料力学は,機械工学の基本となる科目の一つであり,機器設計等で,必ず必要となる学問です.材料力学を理解することが求められるのではなく,卒業後は,材料力学を道具として,機器設計等の業務に携わることになります.テストのための暗記ではなく,卒業後も忘れずに,知識として身に付くよう,きちんと理解することが求められます.
授業の進め方・方法:
教員単独で行います.基礎科目なので,座学が中心になりますが,適宜,授業中に,演習問題等も取り入れます.
注意点:
材料力学Ⅰを履修(出来れば修得)していることが望ましい.
レポート等は,すべての課題についての提出が必要です.やむを得ない事情の場合を除き,1通でも未提出のレポートがある場合,提出期限を守らなかった場合などは,単位を認定しません.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 はりの曲げ応力① 曲げによる変形の理解,中立面と中立軸の理解.
2週 はりの曲げ応力② 曲げモーメントと曲げ応力の関係を理解する.
3週 はりの曲げ応力③ 断面形状の性質(図心,断面1次モーメント,断面2次モーメント等)の理解
4週 はりの曲げ応力④ 平行軸の定理,平等強さのはりの理解
5週 はりのたわみ① はりのたわみ曲線の理解,境界条件の理解
6週 はりのたわみ② 種々のはりにおけるたわみの求め方
7週 はりのたわみ③ 重ね合わせ法の理解
8週 中間試験
4thQ
9週 はりの複雑な問題① 不静定はりの定義と,その解法に関する理解.
10週 はりの複雑な問題② 代表的な不静定はりの解法(一端固定他端支持はり,両端固定はり 等)
11週 はりの複雑な問題③ 連続ばり,組合せばり等の解法
12週 ねじり① ねじれ角,比ねじれ角等,ねじりに関する基本的な力学量の理解
13週 ねじり② ねじりの作用により生じる応力,およびその分布と求め方の理解
14週 ねじり③ トルクとせん断応力の関係を理解し,伝動軸の設計等への応用を理解する
15週 期末試験
16週 期末試験の解答と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。3後1,後3
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。4後13
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。4後12,後13
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。4後13,後14
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。4後2
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。4後3
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。4後6,後7

評価割合

試験レポート・課題合計
総合評価割合8515100
基礎的能力42749
専門的能力43851