伝熱工学

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 伝熱工学
科目番号 0190 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械システム工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 教科書 伝熱工学の基礎(望月・村田共著,日新出版)
担当教員 寺西 恒宣

到達目標

【伝熱の基礎】
 1.伝熱の基本形態を理解し、各形態における伝熱機構を説明できる。
【伝導伝熱】
 2.フーリエの法則および熱伝導率を説明できる。
 3.平板および多層平板の定常熱伝導について、熱流束、温度分布、熱抵抗を計算できる。
 4.対流を伴う平板の定常熱伝導について、熱流束、温度分布、熱通過率を計算できる。
【対流熱伝達】
 5.ニュートンの冷却法則および熱伝達率を説明できる。
 6.自然対流と強制対流、層流と乱流、温度境界層と速度境界層、局所熱伝達率と平均熱伝達率を説明できる。
 7.平板に沿う流れ、円管内の流れ、円管群周りの流れなどについて、熱伝達関係式を用いることができる。
【ふく射伝熱】
 8.黒体の定義を説明できる。
 9.プランクの法則、ステファン・ボルツマンの法則、ウィーンの変位則を説明できる。
 10.単色ふく射率および全ふく射率を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1  伝熱の基礎伝熱の基本形態を正しく理解し、各形態における伝熱機構を詳しく説明できる。伝熱の基本形態を理解し、各形態における伝熱機構を説明できる。伝熱の基本形態を説明できない。
評価項目2  伝導伝熱伝導伝熱を正しく理解し、応用問題を解くことができる。伝導伝熱を理解し、基礎問題を解くことができる。伝導伝熱の基礎を理解できず、基礎問題を解くことができない。
評価項目3  対流熱伝達対流熱伝達を正しく理解し、応用問題を解くことができる。対流熱伝達を理解し、基礎問題を解くことができる。対流熱伝達の基礎を理解できず、基礎問題を解くことができない。
評価項目4  ふく射伝熱ふく射伝熱を正しく理解し、応用問題を解くことができる。ふく射伝熱を理解し、基礎問題を解くことができる。ふく射伝熱の基礎を理解できず、基礎問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-6 説明 閉じる
JABEE 1(2)(d)(1) 説明 閉じる
JABEE 1(2)(e) 説明 閉じる
ディプロマポリシー 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
熱の移動形態は,伝導伝熱,対流熱伝達,ふく射伝熱に大別される。このような伝熱の基本形態や伝熱機構を理解し,伝熱量を 求める方法を学ぶ。熱エネルギーの有効利用に関する基礎力、熱機器を設計・製造・使用するために必要な基礎力を身に着ける。
【学習・教育目標】A-6  【JABEE基準】基準1(2)(d)(1)
【基本キーワード】(E)熱移動と温度 【個別キーワード】(13)層流と乱流,(28)熱放射と放射伝熱,(36)熱伝導,(37)対流熱伝達,(38)エネルギーの伝達(日本機械学会分野別要件参照)
授業の進め方・方法:
アクティブラーニングを取り入れた講義と例題演習。
理論式の誘導や例題演習を通して,専門用語や単位系をしっかり理解し,応用力や創造力を養う。
注意点:
学修単位である.授業で学ぶ以外に,自立的自発的学習が大切である。
毎回,演習課題を課すので,レポートとして次週までに必ず提出のこと。
シラバスを参考に,定義の理解と基礎式の誘導ができるまで予習や復習を行い,関連する例題を数多く 解くこと。
「熱力学」や「流体工学」を履修していることが望ましい。
授業計画は,学生の理解度に応じて変更する場合がある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業概要の説明。熱移動形態の分類。 伝熱の基本形態を理解し、各形態における伝熱機構を説明できる。
2週 フーリエの法則と熱伝導率 フーリエの法則および熱伝導率を説明できる。
3週 熱伝導の基礎方程式 熱伝導の基礎方程式を誘導できる。
4週 定常熱伝導(単層平板) 単層平板の定常熱伝導について、熱流束、温度分布、熱抵抗を計算できる。
5週 〃(多層平板) 多層平板の定常熱伝導について、熱流束、温度分布、熱抵抗を計算できる。
6週 〃(円筒) 円筒および多層円筒の定常熱伝導について、熱流束、温度分布、熱抵抗を計算できる。
7週 ニュートンの冷却法則と熱伝達率、熱通過率 ニュートンの冷却法則および熱伝達率を説明できる。
8週 中間試験 中間試験(第1週から第7週の範囲)
4thQ
9週 答案返却、解説、中間試験の復習。
対流熱伝達(流体の流れと熱伝達)
第1週から第7週の範囲について、理解不足の事項を復習し理解する。
自然対流と強制対流、層流と乱流、温度境界層と速度境界層、局所熱伝達率と平均熱伝達率を説明できる。
10週 強制対流熱伝達(平板に沿う流れ) 平板に沿う流れについて、熱伝達関係式を用いることができる。
11週 〃(円管内の流れ、円管群周りの流れ) 円管内の流れ、円管群周りの流れなどについて、熱伝達関係式を用いることができる。
12週 自然対流熱伝達 自然対流について、熱伝達関係式を用いることができる。
13週 非定常熱伝導、拡大伝熱面 非定常熱伝導や拡大伝熱面について説明できる。
14週 ふく射伝熱 黒体の定義を説明できる。プランクの法則、ステファン・ボルツマンの法則、ウィーンの変位則を説明できる。単色ふく射率および全ふく射率を説明できる。
15週 期末試験 期末試験(第9週から第14週の範囲)
16週 答案返却、解説、授業アンケート。 第9週から第14週の範囲について、理解不足の事項を復習し理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。1
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。1
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。1
層流と乱流の違いを説明できる。2
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。2
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。2
熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。2

評価割合

中間試験期末試験ポートフォリオ合計
総合評価割合404020100
基礎的能力20201050
専門的能力20201050