応用物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 応用物理Ⅱ
科目番号 0211 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械システム工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 高専の応用物理(小暮・森北出版) 物理Ⅰ,Ⅱ(数研出版)
担当教員 豊嶋 剛司

到達目標

下記に挙げる物理現象を数式を用いて表現するだけでなく、それらが数学的に連動し、解析可能な事象であることを理解することを目標とする。
・電磁気学(電流、アンペールの法則、ローレンツ力、コイル、電磁誘導、マクスウェル方程式)
・波動工学(調和振動、減衰振動、強制振動、LC回路、LCR回路、波動方程式、音波)
具体的には下記ルーブリックの各項目が到達目標になる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
動的な電磁気についてⅠ荷電体の運動と電流を結び付け、導体中の電荷の平均速度の導出ができる電流の定義を説明できる電流の定義を説明できない
動的な電磁気についてⅡアンペールの法則を理解し、空間中の任意の点での磁界を導出できるアンペールの法則を用いて典型的な地点における磁界を導出できるアンペールの法則から磁界の導出ができない
動的な電磁気についてⅢローレンツ力を理解し、力の釣り合いの式と結び付けて物理現象を説明できるローレンツ力を理解し、力の向きと大きさを導出できるローレンツ力が説明できない
動的な電磁気についてⅣ電磁誘導を理解し、矩形コイルやソレノイドの自己インダクタンス導出ができる電磁誘導を理解し、インダクタンスとの結び付きが説明できる電磁誘導が説明できない
動的な電磁気についてⅤ仮想電流が説明でき、マクスウェル方程式の式と物理現象を結び付けて説明ができるマクスウェル方程式のに対応する電磁気学の基本則が結び付けられるマクスウェル方程式の記述ができない
振動と波動についてⅠ調和振動と振動エネルギーの導出ができる調和振動と振動エネルギーの計算ができる調和振動と振動エネルギーの計算ができない
振動と波動についてⅡLC回路およびLCR回路の電気振動と調和振動・減衰振動の対応関係が説明でき、解の導出ができるLC回路およびLCR回路の電気振動と調和振動・減衰振動の対応関係が説明できるLC回路およびLCR回路の電気振動挙動が理解できない
振動と波動についてⅢ波動方程式が波の伝搬を表す式であることが説明できる波動方程式を記述できる波動方程式を記述できない
振動と波動についてⅣ音波の基本性質を理解し、定在波との対応関係が説明できる音波の基本性質を示す式を記述できる音波の基本性質を示す式が記述できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
現代の機械工学において,その基礎となるものの一つに物理学が挙げられる.本講義では物理現象がどのように応用されているかを含めて習得するものである.応用物理Ⅱでは時間変動する電磁気学と振動工学について演習を交えて理解を深める.
授業の進め方・方法:
教員単独による講義を実施する.
注意点:
この科目は使用する教科書について第8~9章の講義と,その演習を交互に行い理論と実践の両方を身に付ける.特に演習課題については関数電卓は必須のため必ず持参すること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 講義の進め方について、応用物理Ⅰの復習
2週 動的な電磁気Ⅰ
電流と電力について
電流の定義式を用いて導体を流れる電流より電荷の平均速度が導出できる
3週 動的な電磁気Ⅱ
電流が作る磁界の導出法(アンペールの法則)について
アンペールの法則も用いて電流が作る電界が導出できる
4週 動的な電磁気Ⅲ
磁界中で運動する荷電体に働く力(ローレンツ力)について
ローレンツ力について大きさと向きの導出ができる
5週 動的な電磁気Ⅳ
電磁誘導とコイルのインダクタンスについて
電磁誘導の式を用いてコイルのインダクタンスが導出できる
6週 動的な電磁気Ⅴ
仮想電流と導入とマクスウェル方程式について
仮想電流を導入することでガウスの法則が変わることが説明できる
7週 中間試験
教科書の8章についての理解度・到達度を確認する
8週 試験返却、解説
2ndQ
9週 振動と波動Ⅰ
調和振動と減衰振動について
調和振動における振動方程式が計算できる
減衰項を加えた振動方程式が計算できる
10週 振動と波動Ⅱ
LC回路とLCR回路について
LC回路およびLCR回路が調和振動や減衰振動に対応することを式で示せる
11週 振動と波動Ⅲ
波動と波動方程式について
波動方程式が記述でき、波の伝搬を表すことを説明できる
12週 振動と波動Ⅳ
固体中の波の伝搬について
波動方程式を計算することで波の伝搬速度の導出ができる
13週 振動と波動Ⅴ
音波の基本性質とエネルギーについて
音波の基本性質を説明でき、音の持つエネルギーが導出できる
14週 振動と波動Ⅵ
定常波について
固定端と開放端の違いを説明でき、定常波の波長が導出できる
15週 期末試験
教科書の9章についての理解度・到達度を確認する
16週 試験返却、解説、授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
クーロンの法則を説明し、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3前3,前7
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。3前2
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。3前2
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。3前2
材料系分野無機材料Bohrの原子模型について説明できる。3

評価割合

定期試験課題レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力502070
専門的能力30030