ベクトル解析学は多次元空間における位置や運動、軌跡だけでなく物理量の空間的な相関関係を数学的に解くに当たり重要な基礎分野であることから、下記に挙げるベクトル則を理解することを目標とする。
・ベクトルの基本則(内積、外積、図形の表記法)
・ベクトル計算(演算子、微積分)
・ベクトル解析(グリーンの定理、ストークスの定理、ガウスの発散定理)
・固有値、固有ベクトル
具体的には下記ルーブリックの各項目が到達目標になる。
概要:
ベクトル解析とは複数の情報量を同時に連続して取り扱うことで複雑な空間を数式化することができる数学的手法である。これは流体力学や電磁気学の基礎となるため、技術者や研究者に必要不可欠な基礎知識とも言える。本講義では、この強力な数学的道具としてのベクトル解析法について理解し、応用できる基礎力を養うことを目的とする。
授業の進め方・方法:
講義および演習の形式により学生の理解度を評価し、原則として授業計画に従って進めるが、学生の理解度に応じて変更する場合がある。
注意点:
ベクトル解析には基本的な関数の微分・積分が身に付いているものと前提の上、授業を進めていく。難解なものについては詳解や復習も示すが、予習・復習がなされているものとして課題・試験難度を設定するものである。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス・ベクトルの復習Ⅰ ベクトルの内積と外積について計算演習を行い、上記内容を復習する |
ベクトルの定義を理解し、内積・外積の計算ができる
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2週 |
図形とベクトルⅠ 2次元空間におけるベクトル方程式を用いた図形の表現法を学ぶ |
2次元系における点、直線、曲線、円をベクトル方程式で記述できる
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3週 |
図形とベクトルⅡ 3次元空間におけるベクトル方程式を用いた図形の表現法を学ぶ |
3次元系における直線、曲線、平面、曲面、球面をベクトル方程式で記述できる
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4週 |
ベクトルの微分 ベクトル関数が空間上の曲線や曲面を表記できることを理解する |
接線ベクトルや法線ベクトルを図示できる
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5週 |
演算子Ⅰ:スカラー場と勾配 スカラー場と勾配について概念を学び、微分演算子を用いたgrad演算を理解する |
grad演算について計算できる
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6週 |
演算子Ⅱ:ベクトル場と発散 ベクトル場と発散について概念を学び、微分演算子を用いたdiv演算を理解する |
div演算について計算できる
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7週 |
演算子Ⅲ:ベクトル場と回転 ベクトル場と回転について概念を学び、微分演算子を用いたrot(curl)演算を理解する |
rot(curl)演算について計算できる
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8週 |
演算子Ⅳ:ラプラス演算子 各ベクトル演算の組み合わせやラプラス演算の基本公式の導出について学ぶ |
各演算の組み合わせによる基本公式の導出ができる
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2ndQ |
9週 |
ベクトルの積分 ベクトルの普通積分、線積分、面積分、体積積分について理解する |
ベクトルの微積分と物理現象を結び付けることができる
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10週 |
ベクトルの積分公式Ⅰ グリーンの定理、ストークスの定理について理解する |
グリーンの定理、ストークスの定理が説明できる
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11週 |
ベクトルの積分公式Ⅱ ガウスの発散定理について理解する |
ガウスの発散定理について説明できる
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12週 |
行列と座標変換 行列と一次変換について学び、座標変換と方向余弦について理解する |
行列を用いた座標変換ができる
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13週 |
固有値と固有ベクトル 固有値と固有ベクトルについて理解し、固有方程式の解法について学ぶ |
固有方程式の計算ができる
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14週 |
ベクトル解析の応用 ベクトル場を用いて流体力学・電磁気学における基本法則を数学的に評価する |
流体力学や電磁気学で学んだ公式とベクトル公式の関連を説明できる
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
答案返却・解説・授業アンケート |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。 | 3 | |
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。 | 3 | |
分数式の加減乗除の計算ができる。 | 3 | |
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。 | 3 | |
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。 | 3 | |
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。 | 3 | |
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。 | 3 | |
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。 | 3 | |
簡単な連立方程式を解くことができる。 | 3 | |
無理方程式・分数方程式を解くことができる。 | 3 | |
1次不等式や2次不等式を解くことができる。 | 3 | |
1元連立1次不等式を解くことができる。 | 3 | |
基本的な2次不等式を解くことができる。 | 3 | |
恒等式と方程式の違いを区別できる。 | 3 | |
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。 | 3 | 前3 |
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 3 | 前3 |
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。 | 3 | 前3 |
無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 3 | 前3 |
関数のグラフと座標軸との共有点を求めることができる。 | 3 | 前3 |
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。 | 3 | |
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 3 | |
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。 | 3 | |
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。 | 3 | |
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 3 | |
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。 | 3 | |
三角比を理解し、三角関数表を用いて三角比を求めることができる。一般角の三角関数の値を求めることができる。 | 3 | 前3 |
角を弧度法で表現することができる。 | 3 | 前3 |
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 3 | 前3 |
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。 | 3 | 前3 |
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。 | 3 | 前3 |
2点間の距離を求めることができる。 | 3 | 前2 |
内分点の座標を求めることができる。 | 3 | 前2 |
通る点や傾きから直線の方程式を求めることができる。 | 3 | 前2 |
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。 | 3 | 前2,前3,前4 |
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。 | 3 | 前2 |
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。 | 3 | 前1 |
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。 | 3 | 前1 |
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。 | 3 | 前2,前3 |
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。 | 3 | 前2,前3,前4 |
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。 | 3 | 前2,前3,前4 |
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。 | 3 | 前12 |
行列の和・差・数との積の計算ができる。 | 3 | 前12 |
行列の積の計算ができる。 | 3 | 前12 |
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。 | 3 | 前12 |
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。 | 3 | 前12 |
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。 | 3 | 前12 |
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。 | 3 | 前12 |
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。 | 3 | 前12 |