物理学ⅠA

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 物理学ⅠA
科目番号 0005 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気制御システム工学科 対象学年 1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 物理基礎(数研出版):ISBN978-4-410-81103-6、物理(数研出版):ISBN978-4-410-81133-3
担当教員 豊嶋 剛司

到達目標

力学分野の基礎を理解する
1.物体の運動の表記法を理解し、質点における位置・速度・加速度を計算できる
2.物体にはたらく力の種類と表記法を理解し、図に示すことができる
3.運動の法則を理解し、仕事や力学的エネルギーを計算できる

モデルコアカリキュラム
Ⅱ-A(物理):項目の1~24を適用レベル(3)まで達成する
Ⅱ-B(物理実験):項目の1~9を理解レベル(2)まで達成する

ルーブリック

標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
物体の運動(1)物体の位置・速度・加速度の関係を説明できる物体の位置・速度・加速度の関係を理解できない
物体の運動(2)物体の運動について、直線上および平面上での導出ができる物体の運動について、直線上および平面上での導出ができない
落体の運動自由落下・鉛直投射・水平投射・斜方投射した物体の変位・速度・時間に関する計算ができる自由落下・鉛直投射・水平投射・斜方投射した物体の変位・速度・時間に関する計算ができない
いろいろな力(1)物体にはたらく力を図で示し、関係する計算ができる物体にはたらく力を図で示せない。力に関係する計算ができない
いろいろな力(2)重力・弾性力・抗力・張力・圧力・浮力について理解し、それぞれの力に関する計算ができる重力・弾性力・抗力・張力・圧力・浮力について理解できない。それぞれの力に関する計算ができない
運動の法則(1)運動の3法則について説明できる運動の3法則について説明できない
運動の法則(2)運動方程式を用いて質点の運動を導出ができる運動方程式を用いて質点の運動を導出ができない
運動の法則(3)簡単な運動について運動方程式と微分方程式の関係を説明できる簡単な運動について運動方程式と微分方程式の関係を説明できない
摩擦力(1)静止摩擦力に関する計算ができる静止摩擦力に関する計算ができない
摩擦力(2)動摩擦力に関する計算ができる動摩擦力に関する計算ができない
力学的エネルギー(1)仕事や仕事率の導出ができる仕事や仕事率の導出ができない
力学的エネルギー(2)物体の運動エネルギーの導出ができる物体の運動エネルギーの導出ができない
力学的エネルギー(3)重力や弾性力における位置エネルギーの導出ができる重力や弾性力における位置エネルギーの導出ができない
力学的エネルギー(4)力学的エネルギー保存則を理解し、物体の速度や位置の導出に応用ができる力学的エネルギー保存則を説明できない。その法則を用いた基礎的な問題を解くことができない

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
物理学を学ぶことは数式を覚えるのではなく、自然科学を理解して工学への応用ができる幅広い視野を身につけるための礎となる。
自然科学における様々な現象を物理学が数学的に解釈可能であることを、演習問題等を通じて理解を深める。
授業の進め方・方法:
講義
注意点:
予習・復習を行う際は、自分が理解できている点、わからない点が何なのかを整理する習慣をつけること
授業計画は、学生の理解度に応じて変更する場合がある。
本科目では、50点以上の評価で単位を認定する。
評価が50点に満たない者は、願い出により追認試験を受けることができる。
追認試験の結果、単位の修得が認められた者にあっては、その評価を50点とする。
授業中に課せられた課題は締切を守ること。締切を超過して提出された場合、評価点が減じることがある。
課題未提出の場合、相当する課題点は0となる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 位置と位置ベクトル 位置の表し方としてベクトルを理解する。1次元と2次元の違いについて理解する
2週 速さと速度 速さと速度の違いを理解する。位置と速度、位置ベクトルと速度ベクトルの関係を理解する。等速度運動を計算できる
3週 合成速度と相対速度 相対位置と相対速度の概念を理解する。2次元平面における速度の分解と合成を理解する
4週 加速度と等加速度運動 物体の位置・速度・加速度の関係を理解する。等加速度運動の式から微分方程式の基礎について触れる
5週 落体の運動 自由落下と鉛直投射した物体の座標・速度・時間に関する計算ができる
6週 落体の運動(2) 水平投射と斜方投射した物体の座標・速度・時間に関する計算ができる
7週 中間試験
8週 力の表記法 物体にはたらく力の表記方法について理解する。力の合成と分解や、つりあいについて図を用いて表記ができる
2ndQ
9週 慣性の法則、作用反作用の法則 慣性と慣性力について理解する。力のつりあいから、作用反作用の法則について理解する
10週 運動方程式 質量と力の関係について理解する。運動方程式を用いて物体の運動に関する計算ができる
11週 様々な力 重力・弾性力・抗力・張力・圧力・浮力について理解し、それらの力に関する計算ができる
12週 仕事と仕事率 仕事・仕事率の定義を理解する。物体の運動と仕事の関係について理解し、それらに関する計算ができる
13週 運動エネルギーと位置エネルギー 運動エネルギーの定義を理解し、計算ができる。仕事と位置エネルギーの関係を理解し、計算ができる
14週 保存力と力学的エネルギー 保存力と非保存力の違いを理解する。力学的エネルギーの定義と導出法を理解し、それらを用いた計算ができる
15週 期末試験
16週 答案返却、解説、アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理物理速度と加速度の概念を説明できる。3前2,前3,前7
平均の速度、平均の加速度に関する計算ができる。3前2,前3,前7
直線及び平面運動において、速度をベクトルとして捉え、速度の合成・分解及び相対速度に関する計算ができる。3前2,前3,前7
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の変位、時間、速度に関する計算ができる。3前4,前7
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3前2,前3,前7
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7
自由落下及び鉛直投射した物体の変位、速度、時間に関する計算ができる。3前5,前6,前7
水平投射及び斜方投射した物体の変位、速度、時間に関する計算ができる。3前5,前6,前7
物体に作用する力を図示できる。3前8,前15
力の合成と分解ができる。3前8,前15
質点にはたらく力のつりあいに関する計算ができる。3前8,前15
重力、弾性力、抗力、張力の概念を理解し、それぞれの力に関する計算ができる。3前11,前15
圧力、浮力について説明できる。3前11,前15
運動の三法則について説明できる。3前8,前9,前10,前11,前15
運動方程式を用いて、物体に生じる加速度や物体にはたらく力などを求めることができる。3前10,前15
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3前10,前15
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3前9,前11,前15
最大摩擦力に関する計算ができる。3前9,前11,前15
動摩擦力に関する計算ができる。3前10,前11,前15
仕事と仕事率に関する計算ができる。3前12,前15
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3前13,前15
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前13,前15
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前13,前15
力学的エネルギー保存の法則について説明でき、その法則を用いて、物体の速度や変位などを求めることができる。3前14,前15
物理実験物理実験実験の目的及び原理を説明できる。2前14
整理整頓により実験環境を適切に保ち、手順に従って安全に実験ができる。(化学実験と共通)2前14
実験条件やデータなどを正確に記録できる。(化学実験と共通)2前14
実験データから、最確値や誤差などを求めることができる。2前14
適切なグラフを作成し、実験データ間の最も確からしい関係を見出すことができる。2前14
適切な有効数字及び単位を用いて物理量を表すことができる。(化学実験と共通)2前14
実験結果から、物理現象の特徴や規則性を説明できる。2前14
観察・実験結果を座学などで学んだ内容と関連付けて説明できる。(化学実験と共通)2前14
以下の6分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。力学に関する分野/熱に関する分野/波に関する分野/光に関する分野/電磁気に関する分野/原子(電子及び放射線を含む)に関する分野2前14
工学基礎工学実験技術工学実験技術目的に応じて適切な実験手法を選択し、実験手順や実験装置・測定器等の使用方法を理解した上で、安全に実験を行うことができる。2前14
実験テーマの目的を理解し、適切な手法により取得したデータから近似曲線を求めるなど、グラフや図、表を用いて分かり易く効果的に表現することができる。2前14
必要に応じて適切な文献や資料を収集し、実験結果について説明でき、定量的・論理的な考察を行い、報告書を作成することができる。2前14
個人あるいはチームとして活動する際、自らの役割を認識して実験・実習を実施することができる。2前14

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000