哲学Ⅰ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 哲学Ⅰ
科目番号 0054 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 電気制御システム工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 教科書は使用しません。各テーマ毎に講義レジュメと資料を配布。
担当教員 宮崎 真矢

到達目標

◯「主客一致問題」に対してデカルト、カント、ヘーゲルらが与えた解決策を理解し、批判的に評価することができる。
◯「客観的真理」の想定を無効化しようとするニーチェの着想を理解し、批判的に評価することができる。
◯デカルトからニーチェに到る「真理」をめぐる思索をふまえながら、自分が「真理」をどう捉えるかについて自分なりの結論を下し、論証することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1「主客一致問題」に対してデカルト、カント、ヘーゲルらが与えた解決策を理解し、これらを評価・批判する自分の主張を説得力ある仕方で論証できる。「主客一致問題」に対してデカルト、カント、ヘーゲルらが与えた解決策を理解し、批判的に評価することができる。「主客一致問題」に対してデカルト、カント、ヘーゲルらが与えた解決策についての理解が不足し、適切な論評が行えていない。
評価項目2「客観的真理」の想定を無効化しようとするニーチェの着想を理解し、これらを評価・批判する自分の主張を説得力ある仕方で論証できる。「客観的真理」の想定を無効化しようとするニーチェの着想を理解し、批判的に評価することができる。「客観的真理」の想定を無効化しようとするニーチェの着想についての理解が不足し、適切な論評が行えていない。
評価項目3デカルトからニーチェに到る「真理」をめぐる思索をふまえながら、自分が「真理」をどう捉えるかについて説得力ある仕方で論証できる。デカルトからニーチェに到る「真理」をめぐる思索をふまえながら、自分が「真理」をどう捉えるかについて自分なりの結論を下し、論証することができる。デカルトからニーチェに到る「真理」をめぐる思索についての理解が不足し、自分が「真理」をどう捉えるかについての考察も不十分で、適切な論証が行えていない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C-1 説明 閉じる
JABEE 1(2)(a) 説明 閉じる
ディプロマポリシー DP1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
善悪美醜の価値に普遍性はあるか。それとも各人の価値観が相対主義的に分立するだけなのか。2年生で取り組んだこのテーマを哲学Ⅰでは「真理」の成立可能性として捉え直し、デカルト、カント、ヘーゲル、ニーチェら近代ヨーロッパの哲学者が示した手筋に従って考察します。邦訳された哲学者のテキストないしそれらについての解説書を的確に読み解けるようになること、そこで示された論点に対して自分なりの論評を加え、「真理」をいかにとらえるかについて、自らの考えを論証できることが、この授業の目標です。
授業の進め方・方法:
講義(100%),授業形態A(教員→学生)70%・B(教員⟷学生)30%、教育手法1(普通の授業)
注意点:
ほぼ毎回レジュメと資料を配るので、受講者は毎回出席して資料に漏れがないようにすること。授業で求められるのは、テキストを読み解く力、それとの対決を通して自分の考えをまとめる力、それを表現する力です。極力休まずに出席して、授業の中で自分で考えるトレーニングを積んで下さい。なお学生の理解度に応じて授業計画を変更する場合があります。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 「哲学する」とはどのような営みか 学習・評価方法のガイダンス 哲学を人間の営みとしてとらえる視点を理解する。

授業外学習・事後:授業内容を確認する。
2週 「哲学する」とはどのような営みか 「哲学する」営みの特質を理解する。

授業外学習・事前:授業内容を予習しておく。事後:授業内容を確認する。
3週 「真理」への問い―若き竹田青嗣の苦闘 「真理」を問うこととわれわれの実生活との関連を理解する。

授業外学習・事前:授業内容を予習しておく。事後:授業内容を確認する。
4週 哲学の思考法 哲学的思考の主要ルール(概念・論理の使用、原理の提示)を理解する。

授業外学習・事前:授業内容を予習しておく。事後:授業内容を確認する。
5週 確実な「真理」は存在するか―デカルトー デカルトの方法的懐疑を読み解き、様々な知識の確実さ・不確実さを吟味する。

授業外学習・事前:授業内容を予習しておく。事後:授業内容を確認する。
6週 確実な「真理」は存在するか―デカルトー デカルトが示した「考える私の存在」の確実さ、明晰判明という真理基準という知見について、批判的に吟味する。

授業外学習・事前:授業内容を予習しておく。事後:授業内容を確認する。
7週 確実な「真理」は存在するか―デカルトー デカルトが突き当たった「主客一致問題」、およびその解決の試みについて理解する。

授業外学習・事前:授業内容を予習しておく。事後:授業内容を確認する。
8週 確実な「真理」は存在するか―カントー カントによる「主客一致問題」の解決策を理解し、それを批判的に評価する―人間の認識の限界

授業外学習・事前:授業内容を予習しておく。事後:授業内容を確認する。
2ndQ
9週 確実な「真理」は存在するか―カントー カントによる「主客一致問題」の解決策を理解し、それを批判的に評価する―現象認識のメカニズム

授業外学習・事前:授業内容を予習しておく。事後:授業内容を確認する。
10週 確実な「真理」は存在するか―カントー カントによる「主客一致問題」の解決策を理解し、それを批判的に評価する―人間の立場の「真理」

授業外学習・事前:授業内容を予習しておく。事後:授業内容を確認する。
11週 確実な「真理」は存在するか―ヘーゲル ヘーゲルによる「主客一致問題」の解決策を理解し、それを批判的に評価する―精神の成長と労働

授業外学習・事前:授業内容を予習しておく。事後:授業内容を確認する。
12週 確実な「真理」は存在するか―ヘーゲル ヘーゲルによる「主客一致問題」の解決策を理解し、それを批判的に評価する―絶対知と新たなパラドクス

授業外学習・事前:授業内容を予習しておく。事後:授業内容を確認する。
13週 伝統的「真理」観の転覆ーニーチェ 伝統的な「真理」観を根本から覆そうとするニーチェの主張を批判的に評価する―「認識」「客観」「真理」の正体

授業外学習・事前:授業内容を予習しておく。事後:授業内容を確認する。
14週 伝統的「真理」観の転覆ーニーチェ 伝統的な「真理」観を根本から覆そうとするニーチェの主張を批判的に評価する―欲望の遠近法、「真理」への信仰

授業外学習・事前:授業内容を予習しておく。事後:授業内容を確認する。
15週 「真理」をどう考えるか 「客観と一致する認識=真理」という想定を無効とみなすニーチェや現象学の観点に立って、「真理」の成立可能性を再考する。

授業外学習・事前:授業内容を予習しておく。事後:授業内容を確認する。
16週 レポートの返却、講評 返却された期末レポートと講評から自らの思索を顧みる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

レポート合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000