電気回路Ⅰ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気回路Ⅰ
科目番号 0085 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気制御システム工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「基礎からの交流理論」,小郷寛 原著,電気学会 / 工業324 精選電気基礎演習ノート 実教出版
担当教員 古川 裕人

到達目標

(1) 記号法を用いた正弦波交流回路の電圧,電流,電力の計算ができる.
(2) 相互誘導回路の計算ができる.
(3) 平衡・不平衡三相交流回路の計算ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1記号法を用いた正弦波交流回路の電圧,電流,電力の計算が正しくできる.記号法を用いた正弦波交流回路の電圧,電流,電力の計算ができる.記号法を用いた正弦波交流回路の電圧,電流,電力の計算ができない.
評価項目2相互誘導回路の計算が正しくできる.相互誘導回路の計算ができる.相互誘導回路の計算ができない.
評価項目3平衡三相交流回路の計算が正しくできる.平衡三相交流回路の計算ができる.平衡三相交流回路の計算ができない.

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
正弦波交流の電圧と電流の計算方法,インピーダンス,アドミタンスの持つ意味を理解し,エネルギーの流れも含めた交流回路の理解を深める.さらに相互誘導回路と三相交流回路の扱い方について学習する.
授業の進め方・方法:
交流回路計算の解法のポイントを整理した後で,基本的な問題を解く反復演習に時間を充てる.
注意点:
授業計画は,学生の理解度に応じて変更する場合がある.
本科目では,60点以上の評価で単位を認定する.評価が60点に満たない者は,願い出により追認試験を受けることができる.追認試験の結果,単位の修得が認められた者にあっては,その評価を60点とする.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 正弦波交流の基礎 正弦波交流波形の瞬時式表現,正弦波交流の合成法を理解する.
2週 正弦波交流のフェーザ表現 フェーザを用いた正弦波交流の数式表現および計算の方法を理解する.
3週 演習 任意時間関数波形の平均値および実効値計算,静止ベクトルを用いて正弦波交流の合成ができる.
4週 正弦波交流における抵抗,コイル,コンデンサの電気的特性 正弦波交流における抵抗,コイル,コンデンサの電圧波形と電流波形の相似関係を理解する.
5週 記号法を用いた交流回路計算 RLC直並列回路の正弦波電圧および正弦波電流の求め方を理解する.
6週 演習 基本交流素子を組み合わせた合成インピーダンスおよび等価アドミタンスの計算,記号法を用いた交流回路の電圧ベクトル,電流ベクトルの計算ができる.
7週 演習 やや複雑な構成の正弦波交流回路の計算ができる.
8週 中間試験 正弦波交流回路の基本的な計算方法の理解度の到達度試験をおこなう.
2ndQ
9週 答案返却および解答,交流電力 正弦波交流回路の電力計算の考え方を理解する.
10週 複素電力ベクトル 記号法に基づく交流回路の電力計算法を理解する.
11週 演習 正弦波交流回路の皮相電力,消費電力,無効電力および力率を計算できる.
12週 回路条件 同相条件,インピーダンス最大条件を求める問題の計算ができる.
13週 回路網定理(1) 電圧源と電流源の等価変換,テブナン等価回路を理解し,これらを用いた計算ができる.
14週 回路網定理(2) 重ねの理の考え方を理解し,回路計算ができる.
15週 総合演習 回路網定理を用いた正弦波交流回路の計算ができる.
16週 期末試験 記号法を用いた単相正弦波交流回路の電圧・電流および合成インピーダンスの計算問題
後期
3rdQ
1週 相互誘導現象 電磁誘導現象,自己インダクタンスおよび相互インダクタンス,結合係数の定義を理解する.
2週 相互誘導回路 正弦波単相交流電源を含む相互誘導回路の計算,極性符号の意味を理解する.
3週 電圧平衡式 正弦波単相交流電源を含む相互誘導回路の回路方程式を立式し,クラーメルの定理を用いて計算できる.
4週 T型等価回路 相互誘導回路の等価回路の考え方を理解し,これを用いた回路計算ができる.
5週 理想変成器 理想変成器の原理,インピーダンス変換作用を理解し,結合回路の計算ができる.
6週 負荷整合 最大電力伝達定理を理解し,これを用いた計算ができる.
7週 演習 交流ブリッジの平衡条件,最大電力供給条件を計算することができる.
8週 中間試験 単相正弦波交流の相互誘導現象に関する基本事項の理解と相互誘導回路の計算の到達度を試験する.
4thQ
9週 答案返却および解答,補題演習 記号法を十分に使いこなすために精選問題に取り組む.
10週 対称三相交流 対称三相起電力,平衡三相交流の数式表現を理解し,ベクトル図を描くことができる.
11週 平衡三相電源,平衡三相負荷 Δ結線・Y結線方式の電源および負荷の特徴を理解する.
12週 平衡三相交流回路 Y-Y結線,Δ-Y結線,Y-ΔおよびΔ-Δ結線方式の回路計算方法を理解する.
13週 演習 等価単相回路およびΔ-Y変換公式を用いた平衡三相回路の電圧・電流ベクトル,電力および力率計算ができる.
14週 不平衡三相交流回路 網目法,節点解析法およびY-Δ変換公式を用いた不平衡三相回路の計算方法を理解する.
15週 演習 等価単相回路,網目法を用いた平衡三相・不平衡三相回路の電圧,電流および電力計算の方法を理解する.
16週 期末試験 平衡三相交流回路の電力計算および回路条件を求める問題

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。4
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4
理想変成器を説明できる。4
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。4
網目電流法を用いて回路の計算ができる。4
節点電位法を用いて回路の計算ができる。4
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。4
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。3
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。3
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。3

評価割合

試験課題演習合計
総合評価割合7030100
基礎的能力7030100
専門的能力000