電気回路Ⅱ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電気回路Ⅱ
科目番号 0103 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気制御システム工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「基礎からの過渡現象 」,柴田尚志 著,森北出版株式会社 / 「基礎からの交流理論」,小郷寛,小亀英己,石亀篤司,電気学会
担当教員 古川 裕人

到達目標

(1) 電気回路の過渡現象の物理的意味を説明できる.
(2) 微分方程式およびラプラス変換を用いた過渡現象の計算ができる.
(3) システム関数を用いて回路の時間応答を求めることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電気回路の過渡現象の物理的意味を正しく説明できる.電気回路の過渡現象の物理的意味を説明できる.電気回路の過渡現象の物理的意味を説明できない.
評価項目2微分方程式およびラプラス変換を用いた過渡現象の計算が正しくできる.微分方程式およびラプラス変換を用いた過渡現象の計算ができる.微分方程式およびラプラス変換を用いた過渡現象の計算ができない.
評価項目3システム関数を用いて回路の時間応答を正しく求めることができる.システム関数を用いて回路の時間応答を求めることができる.システム関数を用いて回路の時間応答を求めることができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-2 説明 閉じる
JABEE 1(2)(d)(1) 説明 閉じる
JABEE 1(2)(d)(2) 説明 閉じる
JABEE 2.1(1) 説明 閉じる
ディプロマポリシー DP2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
過渡状態における電気回路の電圧および電流の求め方を習得する.最初に微分方程式を用いて回路状態の記述および一般的な解法について学習した後,ヘビサイドの演算子法に基づくラプラス変換・逆変換を用いた回路解析法を説明し,複雑な回路の過渡解析に有効な方法であることを学習する.
授業の進め方・方法:
講義および演習をおこなう.適宜,課題演習に時間を充てる.
事前に行う準備学習:講義の復習および予習を行ってから授業に臨むこと.
注意点:
学修単位のため,60時間相当の授業外学習が必要である.
授業外学習・事前:授業内容を予習しておく.
授業外学習・事後:授業内容に関する課題を解く.課題については,レポートとして評価する.
授業の板書内容をノートに書き写すだけの理解にとどまらず,多くの問題演習を自らの手で解き,理解する努力をしてもらいたい.
授業計画は,学生の理解度に応じて変更する場合がある.
本科目では,60点以上の評価で単位を認定する.評価が60点に満たない者は,願い出により追認試験を受けることができる.追認試験の結果,単位の修得が認められた者にあっては,その評価を60点とする.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 単エネルギー回路の過渡現象 RL直列回路およびRC直列回路の過渡現象,時定数,定係数線形1階常微分方程式を用いた回路方程式について理解する.
2週 複エネルギー回路の過渡現象 RLC直列回路の過渡現象,定係数線形2階常微分方程式を用いた回路方程式について理解する.
3週 複エネルギー回路の過渡現象 RLC直列回路の交流過渡現象について理解する.
4週 ラプラス変換 ラプラス変換則,単位ステップ関数,単位インパルス関数について理解する.
5週 ラプラス変換を用いた過渡現象解析 部分分数分解,未定係数比較法,ラプラス逆変換について理解する.
6週 ラプラス変換を用いた過渡現象解析 S回路法を用いたRL直並列回路およびRC直並列回路の過渡現象について理解する.
7週 演習 抵抗,コイルおよびコンデンサから構成される電気回路の過渡現象の考え方を理解する.
8週 中間試験 電気回路の過渡現象に関する基本的な事項の確認およびラプラス変換・逆変換を用いた過渡現象の計算問題
2ndQ
9週 中間試験の解答および解説 中間試験の解答および試験問題の補題演習
10週 複雑な回路の過渡現象例 構造時変回路の過渡現象,初期値定理,最終値定理について理解する.
11週 電圧源回路および電流源回路の過渡現象 等価電圧源,等価電流源,網目法,節点解析法について理解する.
12週 任意時間関数波形のラプラス変換 単一矩形波,単一三角波および周期パルス波形のラプラス変換について理解する.
13週 交流過渡現象 RL回路,RC回路およびRLC回路の交流過渡現象について理解する.
14週 回路の応答 システム関数,インパルス応答,ステップ応答について理解する.
15週 演習 やや複雑な電気回路の過渡現象および回路の応答の計算方法を理解する.
16週 期末試験 ラプラス変換を用いた任意の時間関数入力に対する電気回路の過渡現象に関する問題

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4前1
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4前2,前3

評価割合

試験課題演習合計
総合評価割合7030100
基礎的能力7030100
専門的能力000