制御工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 制御工学Ⅰ
科目番号 0110 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 電気制御システム工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 自動制御理論 [樋口龍雄,森北出版]
担当教員 井澤 正樹

到達目標

・人類の自動化の夢を語る事ができる。・おおかたの数式表現とブロック線図表現ができる。
・GおよびHの変動, 外乱の影響からのフィードバック効果をおおかた正しく示す事が出来る。
・教科書にある関数,微分,積分,たたみ込みのラプラス変換・逆変換がおおかた正しくできる。
・各種伝達関数の数式表現がおおかた正確に出来,ナイキスト線図とボード線図がおおかた正しく描ける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
項目1人類の自動化の夢を想像力を持って考える事ができる。人類の自動化の夢を語る事ができる。人類の自動化の夢が語れない。
項目2全ての数式表現とブロック線図表現が正確にできる。おおかたの数式表現とブロック線図表現ができる。正しいブロック線図表現ができない。
項目3GおよびHの変動, 外乱の影響からのフィードバック効果を正しく示す事が出来る。GおよびHの変動, 外乱の影響からのフィードバック効果をおおかた正しく示す事が出来る。GおよびHの変動, 外乱の影響からのフィードバック効果を正しく示す事が出来ない。
項目4教科書の関数,微分,積分,たたみ込みのラプラス変換・逆変換が正しくできる。教科書の関数,微分,積分,たたみ込みのラプラス変換・逆変換がおおかた正しくできる。教科書の関数,微分,積分,たたみ込みのラプラス変換・逆変換が正しくできない。
項目5伝達関数の数式表現が正確に出来,ナイキスト線図とボード線図が正しく描ける。伝達関数の数式表現がおおかた正確に出来,ナイキスト線図とボード線図がおおかた正しく描ける。伝達関数の数式表現が正確に出来ず,ナイキスト線図とボード線図が正しく描けない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-2 説明 閉じる
JABEE 1(2)(d)(1) 説明 閉じる
JABEE 1(2)(d)(2) 説明 閉じる
JABEE 2.1(1) 説明 閉じる
ディプロマポリシー DP2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 伝達関数の考え方を中心に古典制御理論の大枠を学ぶ.フィードバック制御の考え方を理解し,さらに将来個々の専門分野に進む際の基礎を与えることを目的とする.
授業の進め方・方法:
 講義形式で行うほか,演習問題を解かせる.また小課題を与え提出させる.
 「伝達関数」という形で,4年で学んだ回路理論の復習をする. s=jωと置くことにより,交流理論の復習にもなっている.また電気系と機械系の等価性により,電気工学で学んだ手法や考え方が機械系でも適用可能なことに気が付くはずである.このことが技術者としての視野を広める.
 各種伝達関数の線図を自分で描いてみて,システムの特性を実感として身につけることも重要である.
注意点:
〇単位追認について
 評価が60点に満たない者は,願い出により追認試験を受けることができる.
 追認試験の結果,単位の修得が認められた者にあっては,その評価を60点とする.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 序論-自動化の夢
システムと制御について
自動制御の目的,歴史を理解。
システムの概念と線形化・ブロック線図表現を理解。
2週 システムに要求される基本性質 
閉ループと開ループ
古典系の三要件についての理解。
閉ループと開ループ制御システムの具体例をみる。
3週 フィードバック制御系の構成
ブロック線図の簡単化
フィードバック制御系基本構成と一般表現を理解。
等価変換、特にフィードバックの数式表現を理解。
4週 フィードバックの効果 外乱や内部パラメータ変化等に対するフィードバックの効果を理解。
5週 フィードバック制御系の性能 
演習問題
安定性、速応性、定常特性の概要を理解。
ここまでのまとめと演習を行う。
6週 基礎数学
信号の複素表現や微分方程式表現における電気系と機械系の対応関係を理解。
7週 基礎数学 (つづき) 微分方程式、たたみこみ、フーリエ・ラプラス変換を理解する。
8週 演習問題 (中間試験)
2ndQ
9週 ラプラス変換の復習 微分方程式の立て方とラプラス変換、部分分数分解とラプラス逆変換のやりかたを確認。
10週 演習問題
電気系・機械系の微分方程式表現とラプラス変換による解析。
11週 伝達関数 システムの入出力特性として伝達関数表現を理解。
12週 ナイキスト線図とボード線図、演習問題 伝達関数の図表示、ここまでのまとめと演習。
13週 基本伝達関数の特性 基本各種要素の伝達関数表現を理解。
14週 基本伝達関数の特性(つづき)
基本各種要素の伝達関数表現のつづきと演習。
15週 前期末試験
16週 前期末試験の解答,アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。3前11,前12,前13,前14
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。3前3,前4,前5

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ小課題合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力4000002060
専門的能力3000001040
分野横断的能力0000000