電気回路Ⅰ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 電気回路Ⅰ
科目番号 0013 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気制御システム工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「基礎からの交流理論」,小郷寛 原著,電気学会, トレーニングノート 電気基礎 (上) (下) 全工協会 標準テスト・解答付き コロナ社
担当教員 古川 裕人

到達目標

(1) 正弦波交流の電圧と電流の関係,インピーダンス,アドミタンスの持つ意味を理解し,エネルギーの流れも含めた単相交流回路の理解を深める。(2) 相互誘導回路の扱い方を理解する.   (3) 平衡・不平衡三相交流回路について理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1大学編入学レベルのような応用問題でも解ける.応用問題は解けないが,教科書の例題程度の基本的な問題なら解ける.基本的な問題でも解けない.
評価項目2大学編入学レベルのような応用問題でも解ける.応用問題は解けないが,教科書の例題程度の基本的な問題なら解ける.基本的な問題でも解けない.
評価項目3大学編入学レベルのような応用問題でも解ける.応用問題は解けないが,教科書の例題程度の基本的な問題なら解ける.基本的な問題でも解けない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
単独教員による講義および演習
授業の進め方・方法:
交流回路計算の解法のポイントを整理した後で,基本的な問題を解く反復演習に時間を割く.交流理論の基礎の習得に努める.
注意点:
授業計画は,学生の理解度に応じて変更する場合がある.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 交流の基礎 正弦波交流波形の瞬時式表現,正弦波交流の合成法を理解する.
2週 正弦波交流のフェーザ表現 フェーザを用いた正弦波交流の合成法を理解する.
3週 正弦波交流の複素表現 正弦波交流の複素ベクトルによる表現,オイラーの定理を理解する.
4週 正弦波交流における抵抗,コイル,コンデンサの電気的特性 正弦波交流における抵抗,コイル,コンデンサの電圧波形と電流波形の相似関係を理解する.
5週 基本的な正弦波交流回路の計算 RLC直列回路・並列回路の正弦波電圧および正弦波電流の求め方を理解する.
6週 合成インピーダンス,等価アドミタンス インピーダンスとアドミタンス,リアクタンス,サセプタンス,レジスタンス,コンダクタンスの相互関係を理解する.
7週 演習 基本交流素子を組み合わせた合成インピーダンスの計算,記号法を用いた交流回路の電圧,電流の計算演習
8週 中間試験 正弦波交流回路の基本的な計算方法の理解の到達度試験をおこなう.
2ndQ
9週 答案返却および解説 中間試験の模範解答例と誤った考え方の指摘を説明する.
10週 回路条件 同相条件,インピーダンス最大条件を求める問題の演習をおこなう.
11週 回路網計算 キルヒホッフの法則を用いた正弦波やや複雑な交流回路の計算例,ブリッジの平衡条件を求める計算例を演習する.
12週 テブナンの定理 テブナンの定理,テブナン等価回路とその利用を説明し,演習をおこなう.
13週 電圧源、電流源を含む回路の取扱い ノートンの定理とその応用,テブナンの定理との双対性を説明する.電圧源、電流源の相互変換を用いた回路計算の演習をおこなう.
14週 総合演習 記号法を用いた単相正弦波交流回路の電圧・電流計算,回路網定理を用いた計算演習をおこなう.
15週 期末試験
16週 答案返却,解説,授業評価アンケート
後期
3rdQ
1週 交流電力の基礎 交流電力に関連する用語と定義,電力計算の考え方の説明および演習をおこなう.
2週 複素電力 複素電力ベクトル表現,皮相電力,消費電力,無効電力の計算例を説明および計算演習をおこなう.
3週 相互誘導現象 電磁誘導現象,自己インダクタンスおよび相互インダクタンス,結合係数の定義を説明する.
4週 相互誘導回路 正弦波交流における相互誘導回路の計算例,極性符号を説明する.
5週 相互誘導計算演習 正弦波単相交流電源を含む相互誘導回路の計算演習,クラーメルの定理を用いた回路方程式の解法演習
6週 相互誘導回路の応用 理想変成器の原理,インピーダンス変換の説明をおこなう.
7週 単相変圧器 単巻変圧器,最大電力伝達定理に関する計算演習
8週 中間試験 単相正弦波交流の相互誘導現象に関する基本事項の理解と相互誘導回路の計算の到達度を試験する.
4thQ
9週 答案返却および解説 中間試験の模範解答例と誤った考え方の指摘を説明する.
10週 三相交流 対称三相起電力の数式表現,Δ結線・Y結線方式の特徴を説明する.
11週 平衡三相交流回路 Y-Y結線,Δ-Y結線,Y-ΔおよびΔ-Δ結線方式の回路計算例を説明する.
12週 平衡三相交流回路の計算演習 等価単相回路およびΔ-Y変換公式を用いた平衡三相回路の電圧・電流ベクトル,電力および力率計算を演習する.
13週 不平衡三相交流回路 網目法,節点解析法およびY-Δ変換公式を用いた不平衡三相回路の計算例を説明する.
14週 平衡三相・不平衡三相交流回路の計算演習 等価単相回路,網目法を用いた平衡三相・不平衡三相回路の電圧,電流および電力計算の演習をおこなう.
15週 期末試験
16週 答案返却,解説,授業評価アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。2
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4
瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。2
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。3
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3
網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。3
重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。3
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。3
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。3
理想変成器を説明できる。3
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。3
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。3
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。3
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他課題演習合計
総合評価割合650000035100
基礎的能力00000000
専門的能力650000035100
分野横断的能力00000000