基礎電気工学

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 基礎電気工学
科目番号 0033 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気制御システム工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「精選電気基礎 新訂版」,実教出版 / 「精選電気基礎 (工業390) 準拠 精選電気基礎演習ノート 新訂版」,実教出版
担当教員 西 敏行,古川 裕人

到達目標

①有効数字,誤差について十分に理解し,有効数字を正しく計算することができる.
②正弦波交流波形の特徴を理解し,瞬時式表現および複素数を用いたベクトル表現ができる.
③正弦波交流に対する抵抗,コイル,コンデンサの電圧と電流の関係を理解し,基本交流回路の計算ができる.
④クーロンの法則やガウスの法則ついて理解し,複数の電荷間に働く力や電界を計算できる.
⑤静電容量やコンデンサの接続を理解し,合成静電容量を計算できる.
⑥静磁界に関して,ビオ・サバールの法則やアンペアの法則を理解し,真空中の磁界を計算できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1有効数字,誤差について正しく理解し,有効数字を正しく計算することができる.有効数字,誤差について理解し,有効数字を計算することができる.有効数字,誤差について理解が不十分で,有効数字を計算することができない.
評価項目2正弦波交流波形を瞬時式を用いて正しく理解し,これを用いて正しく計算できる.正弦波交流波形を瞬時式を用いて理解し,これを用いて計算できる.正弦波交流波形を瞬時式を用いて理解しておらず,これを用いて計算できない.
評価項目3記号法を用いた正弦波交流の扱い方を正しく理解し,正しく基礎的計算ができる.記号法を用いた正弦波交流の扱い方を理解し,基礎的計算ができる.記号法を用いた正弦波交流の扱い方を理解しておらず,基礎的計算ができない.
評価項目4クーロンの法則やガウスの法則ついて理解し,正しく基礎的計算ができる.クーロンの法則やガウスの法則ついて理解し,基礎的計算ができる.クーロンの法則やガウスの法則ついて理解しておらず,基礎的計算ができない.
評価項目5静電容量やコンデンサの接続を理解し,正しく基礎的計算ができる.静電容量やコンデンサの接続を理解し,基礎的計算ができる.静電容量やコンデンサの接続を理解しておらず,基礎的計算ができない.
評価項目6ビオ・サバールの法則やアンペアの法則ついて理解し,正しく基礎的計算ができる.ビオ・サバールの法則やアンペアの法則ついて理解し,基礎的計算ができる.ビオ・サバールの法則やアンペアの法則ついて理解しておらず,基礎的計算ができない.

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
自然科学,工学,技術に用いられる基本的な量の測定方法,表し方,用いられる単位を整理して学習する.系統的な電気現象の学習の準備として,基本的な電気法則を学び,電気現象をイメージする力と科学的定量的に現象を表現する方法を身につける.正弦波交流,電界,コンデンサ,磁界,電磁誘導等の電気分野で基礎的な事項について理解し,簡単な計算問題が解けるようにする.
授業の進め方・方法:
講義・演習
注意点:
授業計画は,学生の理解度に応じて変更する場合がある.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 誤差と有効数字 測定値の誤差と有効数字の考え方を理解し,説明できる.
2週 正弦波交流の数式表現 単相正弦波交流の瞬時式,実効値および平均値を理解し,説明できる.
3週 正弦波交流の合成 三角関数の合成,加法定理を用いて正弦波の合成法を理解する.
4週 正弦波交流波形の描画・計算演習 正弦波起電力や枝路電流の合成ができる.
5週 基本交流素子の交流特性 抵抗,コイルおよびコンデンサの交流に対する電圧と電流の関係を理解し,瞬時式を用いて説明できる.
6週 基本交流回路の計算 抵抗,コイルおよびコンデンサから構成される基本的な正弦波交流回路の計算法を理解する.
7週 総合演習 基本交流素子から構成される正弦波交流回路の電圧,電流およびインピーダンスの基本的な計算ができる.
8週 中間テスト 第1週~7週の内容の理解度を測るために,中間試験を実施する.
2ndQ
9週 答案返却,解答,交流電力 瞬時式に基づいて基本交流素子の瞬時電力の特徴を説明できる.
10週 交流電力計算 皮相電力,消費電力,無効電力および力率を理解する.
11週 正弦波交流のベクトル表現 フェーザの考え方を理解し,複素数を用いて電圧あるいは電流ベクトルを数式表現できる.
12週 複素数の四則演算 複素数の性質,加減乗除法を理解し,基本的な複素数の計算ができる.
13週 基本交流素子のインピーダンスベクトル 正弦波交流回路のオームの法則を理解し,基本交流素子の抵抗,リアクタンスが計算できる.
14週 記号法 基本交流素子から構成される正弦波交流回路の複素数を用いた計算法を理解する.
15週 総合演習 記号法を用いて,基本交流素子から構成される単相正弦波交流回路の計算ができる.
16週 期末試験 第9週~15週の内容の理解度を測るために,期末試験実施する.
後期
3rdQ
1週 クーロンの法則 電荷,クーロンの法則を説明できる.
2週 電界と電気力線 電気力線の性質,電界について説明できる.
3週 ガウスの法則(1) ガウスの法則を説明できる.
4週 ガウスの法則(2) ガウスの法則により簡単な電界計算ができる.
5週 静電容量(1) 静電容量について説明できる.
6週 静電容量(2) コンデンサの接続を理解し,合成静電容量を求めることができる.
7週 総合演習 様々な静電界の基礎的な計算ができる.
8週 中間テスト 第1週~7週の内容の理解度を測るために,中間試験を実施する.
4thQ
9週 答案返却,解説,電流による磁界と磁束 電流によって生じる磁界について説明できる.
10週 ビオ・サバールの法則 ビオ・サバールの法則について説明できる.
11週 アンペアの周回積分の法則 アンペアの周回積分の法則を使って磁界の求め方を説明できる.
12週 電磁力 電流により生じる電磁力について説明できる.
13週 電磁誘導,ファラデーの法則 電磁誘導,ファラデーの法則について説明できる.
14週 インダクタンス コイルの自己,相互インダクタンスについて説明できる.
15週 総合演習 様々な静磁界の基礎的な計算ができる.
16週 期末試験 第9週~15週の内容の理解度を測るために,期末試験を実施する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
自然科学物理電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
電場・電位について説明できる。3
クーロンの法則が説明できる。3
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。4
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。4
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。3
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。4
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。4
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。4

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100