総合国語Ⅱ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 総合国語Ⅱ
科目番号 0036 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気制御システム工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 精選現代文B(明治書院)/精選古典B改訂版(大修館書店)/新総合図説国語(東京書籍)/常用漢字ダブルクリア(尚文出版)
担当教員 足立 繭子

到達目標

1.古典を含むさまざまな文章中に出現する語句の語意を説明することができ、自分で実際に使用することができる。
2.古典を含むさまざまな文章の主旨を説明でき、文章として表現することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
古典を含むさまざまな文章中に出現する語句の語意を説明することができ、自分で実際に使用することができる。文章中の語句を用いて、自分の考えを文章として表現することができる。文章中の語句の語意を説明することができ、自分で実際に使用することができる。文章中の語句の語意を説明することができず、自分で使用することもできない。
古典を含むさまざまな文章の主旨を説明することができ、文章として表現することができる。文章の主旨についての自分の考えを、文章化することができる。文章の主旨を説明することができ、それを自分で文章化することができる。文章の主旨を説明することができず、それを自分で文章化することもできない。

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー 3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
漢字・語意・文法など、言語的な知識を身につけ、古典を含むさざまな文章を読み、論理構成に即して、主旨を理解できるようにする。
読んだ文章を通して、さまざまな問題について、自身の意見や考えを持ち、適切に表現できるようにする。
授業の進め方・方法:
担当教員による単独講義及び演習による授業。
授業前に、担当教員の作成した学習プリントや授業プリントを配布し、これを予習課題とする。
注意点:
他人の書いた文章を正確に読むことや、自分で苦労して文章を書くことを通じて、自らの感じ方や考え方を磨いてゆくのだ、という意識をもって、取り組んでほしい。なお、授業計画は、学生の理解度に応じて変更する場合がある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
春休み漢字課題テスト
授業の内容・学習方法についての説明。
春休み課題への取り組みを確認する漢字テスト。
2週 陣内秀信「近代都市のレトリック」① 日本と西欧の都市の相違点について説明できる。
3週 陣内秀信「近代都市のレトリック」② 西欧の都市における「塔」の意味について、説明できる。
4週 連休課題漢字テスト 連休課題への取り組みを確認する漢字テスト。
5週 陣内秀信「近代都市のレトリック」③ 日本の都市の、西欧の都市とは異質な構造とは、どのようなものか、について説明できる。
6週 『十訓抄』「大江山いくのの道」① 歴史的仮名遣いの本文を正しく読むことができる。古文単語の意味を説明することができる。
7週 『十訓抄』「大江山いくのの道」② 登場人物の所在地・登場人物同士の関係について、説明できる。
8週 『十訓抄』「大江山いくのの道」③ 定頼の発言の意図、これに対する小式部の和歌の内容について、説明できる。「大江山」の和歌の修辞について、説明できる。
2ndQ
9週 前期中間試験 第1~8回の授業の内容について、理解度を確認する。
10週 前期中間試験の答案返却
中島敦「山月記」①
前期中間試験の答案返却及び解説。
李徴の半生と人物像を整理して、説明できる。
11週 中島敦「山月記」② なぜ李徴が虎に変身したのか、彼自身がその理由をどのように考えているのか、について整理し、説明できる。
12週 中島敦「山月記」③ 詩に対する李徴の執着・取り組み姿勢がどのようなものであるのか、袁傪の視点を参考にすることによって、説明できる。
13週 中島敦「山月記」④ 李徴の変身を通じて、運命、才能と努力、近代人の自意識といった問題について、自分なりの考えを説明できる。
14週 故事成語①「助長」・「画竜点睛」 それぞれの故事成語がどのような故事(話)をもとに成立したのか、説明できる。
15週 故事成語②「漱石枕流」・「塞翁が馬」 それぞれの故事成語がどのような故事(話)をもとに成立したのか、説明できる。
16週 前期期末試験の答案返却と解説、授業アンケート実施 前期期末試験の答案返却及び解説。
後期
3rdQ
1週 西谷修「いのちのかたち」① 「生命」・「いのち」のそれぞれの語で表されることがらの違いについて、説明できる。
2週 西谷修「いのちのかたち」② 「いのち」が他者との「分有」に支えられている、とはどういうことか、について説明できる。
3週 西谷修「いのちのかたち」③ 「いのち」という日本語を持っていることが、なぜ「僥倖」と言えるのか、説明できる。
4週 『唐宋ハ家文読本』「捕蛇者説」① 筆者の申し出に対して、なぜ莊氏は涙を流して悲しむのか、莊氏の述べるところを整理した上で、その理由について説明できる。
5週 『唐宋ハ家文読本』「捕蛇者説」② 重い租税による村人たちの苦しみと、危険な毒蛇を捕る莊氏の苦しみとを比較し、より苦しいのはどちらかについて、説明できる。
6週 『唐宋ハ家文読本』「捕蛇者説」③ 「苛政は虎よりも猛なり」の意味を理解し、この話における「苛政」と「虎」に当たるのは、どのようなことか、説明できる。
7週 『唐宋ハ家文読本』「捕蛇者説」④ 左遷中の筆者が、この「説」によって、どのようなことを主張しようとしているのか、説明できる。
8週 後期中間試験 第17~23回の授業の内容について、理解度を確認する。
4thQ
9週 細見和之「身体という受動性」①
「他者への同化」・「内部を『外部』へ開く」とは、ということか、説明できる。
10週 細見和之「身体という受動性」② 「身体と意識の関係という契機のうちに『受動性』を見る」というのはどういうことか、説明できる。
11週 細見和之「身体という受動性」③
「欲望」や「無意識」が「他者」の相貌を帯びてくる、というのはどういうことか、説明できる。
12週 細見和之「身体という受動性」④ 「身体」と「意識」の関係について、筆者の主張するところを踏まえて、自分の考えを文章化することができる。
13週 『枕草子』「中納言参りたまひて」① 登場人物の関係について、説明できる。
登場人物の関係を踏まえて使用されている敬語について、種類や敬意の方向を説明できる。
14週 『枕草子』「中納言参りたまひて」② 助動詞や係り結びの働きについて、説明できる。
清少納言の返答のおもしろさについて、説明できる。
15週 学年末試験 第25~30回の授業の内容について、理解度を確認する。
16週 学年末試験の答案返却と解説、授業アンケート実施 学年末試験の答案返却及び解説。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前9,後1,後2,後3,後8,後9,後10,後11,後12,後15,後16
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前9,後1,後2,後3,後8,後9,後10,後11,後12,後15,後16
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。3前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,後4,後5,後6,後7,後8,後13,後14,後15,後16
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前9,前10,前11,前12,前13,後1,後2,後3,後8,後9,後10,後11,後12,後15,後16
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前9,前10,前11,前12,前13,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後15,後16
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後15,後16
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。3前16,後8
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。3前16,後8
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。3前16,後8
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。3前16,後8
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。3前16,後8
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後15,後16
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後15,後16
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後15,後16

評価割合

試験発表態度提出物合計
総合評価割合7051015100
基礎的能力1055525
専門的能力50051065
分野横断的能力1000010