基礎電気工学

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 基礎電気工学
科目番号 0055 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気制御システム工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「精選電気基礎 新訂版」,実教出版 / 「精選電気基礎 (工業390) 準拠 精選電気基礎演習ノート 新訂版」,実教出版
担当教員 古川 裕人,西島 健一

到達目標

①有効数字,単位系について十分に理解し,有効数字を正しく計算することができる.
②電流など電気現象を表す基本量のイメージを持ち,基礎的計算ができる.
③磁気に関する基本的な事項を理解し,基礎的計算ができる.磁気回路,ヒステリシス特性について理解している.
④電磁力,誘導起電力について理解し,基礎的計算ができる.
⑤静電気およびコンデンサの原理を理解し,基礎的計算ができる.
⑥交流素子の基礎的な特性を計算できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1有効数字,単位系について正しく理解し,有効数字を正しく計算することができる.有効数字,単位系について理解し,有効数字を計算することができる.有効数字,単位系について理解が不十分で,有効数字を計算することができない.
評価項目2電流など電気現象を表す基本量のイメージを正しくを持ち,正しく基礎的計算ができる.電流など電気現象を表す基本量のイメージを持ち,基礎的計算ができる.電流など電気現象を表す基本量のイメージがとらえられておらず,基礎的計算ができない.
評価項目3磁気に関する基本的な事項を正しく理解し,正しく基礎的計算ができる.磁気に関する基本的な事項を理解し,基礎的計算ができる.磁気に関する基本的な事項を理解しておらず,基礎的計算ができない.
評価項目4電磁力,誘導起電力について理解し,正しく基礎的計算ができる.電磁力,誘導起電力について理解し,基礎的計算ができる.電磁力,誘導起電力について理解しておらず,基礎的計算ができない.
評価項目5静電気およびコンデンサの原理を理解し,正しく基礎的計算ができる.静電気およびコンデンサの原理を理解し,基礎的計算ができる.静電気およびコンデンサの原理を理解しておらず,基礎的計算ができない.
評価項目6交流素子の基礎的な特性を正しく求めることができる.交流素子の基礎的な特性を求めることができる.交流素子の基礎的な特性を求めることができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
自然科学,工学,技術に用いられる基本的な量の測定方法,表し方,用いられる単位を整理して学習する.系統的な電気現象の学習の準備として,基本的な電気法則を学び,電気現象をイメージする力と科学的定量的に現象を表現する方法を身につける.電磁力・誘導起電力,電気回路(直流と交流),磁気回路,コンデンサ等の電気分野で基礎的な事項について理解し,簡単な計算問題が解けるようにする.
授業の進め方・方法:
講義・演習
注意点:
授業計画は,学生の理解度に応じて変更する場合がある.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 誤差と有効数字(1) 測定の誤差と有効数字の考え方を理解し,説明できる.
2週 誤差と有効数字(2) 測定の誤差と有効数字の考え方を理解し,説明できる.
3週 誤差と有効数字演習 測定の誤差と有効数字の考え方を理解し,それに基づいて計算を行うことができる.
4週 直流回路計算(1) オームの法則,合成抵抗を理解し,基礎的な回路計算ができる.
5週 直流回路計算(2) キルヒホッフの法則を理解し,基礎的な回路計算ができる.
6週 直流回路計算演習 キルヒホッフの法則を適用し,やや複雑な回路計算ができる.
7週 単位と次元 SI単位と次元について理解し,説明することができる.
8週 中間テスト 教科書の例題,演習課題に準ずる問題に対する理解度を諮る.
2ndQ
9週 中間テストの解答,抵抗の性質 抵抗率,導電率について理解する.
10週 消費電力と発生熱量 電力,電力量,ジュール熱について理解する.
11週 磁石の性質と磁極間に働く力 磁石と磁極,磁極間に働くクーロン力の計算方法について理解し,基礎的な計算ができる.
12週 磁力線と磁束 磁束・磁束密度などの磁界の単位と透磁率について理解し,基礎的な計算ができる.
13週 小テスト-2、電流と磁界 アンペアの周回積分の法則について理解し,簡単な磁界の計算ができる.
14週 磁気回路と電気回路(1) 磁気回路とは何かについて理解し,説明することができる.
15週 磁気回路と電気回路(2) 磁気回路について基礎的な計算ができる.磁気ヒステリシスについて大まかな説明ができる.
16週 期末試験 教科書の例題,演習課題に準ずる問題に対する理解度を諮る.
後期
3rdQ
1週 電磁力 電磁力の大きさと方向について理解し,電動機への応用について説明できる.
2週 磁界による起電力 誘導起電力の大きさと向きについて理解し,発電機への応用について説明できる。
3週 電磁力・起電力演習 様々な電磁力,起電力の基礎的な計算ができる.
4週 変圧器 コイルの働きについて理解し,説明することができる.
5週 静電気とクーロンの法則 静電気間に働く力について理解し,説明することができる.
6週 コンデンサ コンデンサの原理,合成容量の求め方について理解し,説明することができる.
7週 静電気演習 様々な静電気の基礎的な計算ができる.
8週 中間テスト 教科書の例題,演習課題に準ずる問題に対する理解度を諮る.
4thQ
9週 中間テストの解答,交流とは. 直流と交流の違いについて理解し,説明することができる.
10週 正弦波交流の特徴 波形から最大値,周期,周波数,位相を計算し,瞬時式を用いて表現することができる.
11週 正弦波交流の特徴 実効値,平均値の定義を理解し,これらを計算により求めることができる.
12週 正弦波交流のベクトル表現 正弦波交流の複素数表現の方法を理解する.
13週 コイル 交流回路のコイルの働きについて理解し,説明することができる.
14週 コンデンサ 交流回路のコンデンサの働きについて理解し,説明することができる.
15週 正弦波交流回路演習 基本的な単相正弦波交流回路の電圧,電流およびインピーダンスの計算ができる.
16週 期末試験 教科書の例題,演習課題に準ずる問題に対する理解度を諮る.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。3
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。3
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。3
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。3
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。3
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。3
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。3
真性半導体と不純物半導体を説明できる。3
計測精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。3
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。3
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000