到達目標
哲学Ⅱでは、哲学Ⅰで到達した、「客観的真理」を放棄し「自己確信・共通確信」として「真理」を捉え直す観点に立ち、このような「真理」を探求する思考法として現象学の考え方を紹介します。また、「自分」というものに深く関わる「自由」、「欲望」、価値といった事柄を取り上げ、現象学の手法でその意味本質を明らかにすることを試みます。これらの作業を手がかりにして、みなさん自身が実際に現象学的解明を行い、事柄の意味本質を分析し表現できるようになることが、哲学Ⅱの授業の目標です。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 現象学の思考法を理解し、自分がテーマとして選んだ事柄についての十分な現象学的分析と自己了解を通じて、その意味本質をはっきりと提示できている。 | 現象学の思考法を理解し、自分がテーマとして選んだ事柄の意味本質を、この方法を用いて観取する、思考実験を行うことができる。 | 現象学の思考法についての理解が不十分であり、自分がテーマとして選んだ事柄の現象学的分析も中途にとどまっていて、その意味本質を示すことができていないとみなされる。 |
評価項目2 | | | |
評価項目3 | | | |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
哲学Ⅱでは、哲学Ⅰで到達した、「客観的真理」を放棄し「自己確信・共通確信」として「真理」を捉え直す観点に立ち、このような「真理」を探求する思考法として現象学の考え方を紹介します。また、「自分」というものに深く関わる「自由」、「欲望」、価値といった事柄を取り上げ、現象学の手法でその意味本質を明らかにすることを試みます。これらの作業を手がかりにして、みなさん自身が実際に現象学的解明を行い、事柄の意味本質を分析し表現できるようになることが、哲学Ⅱの授業の目標です。
授業の進め方・方法:
講義(100%),授業形態A(教員→学生)60%・B(教員⟷学生)40%、教育手法1(普通の授業)・3(探求に基づいた発見学習)
注意点:
哲学Ⅱでは、現象学という一風変わった物の見方を理解した上で、これを用いて自分の意識の内部をどれほど掘り下げて探索できるかを問います。辞書の定義や誰かの学説の受け売りではない、みなさん自身の深い自己了解を、みなさん自身の哲学として語ってもらうことになるでしょう。なお哲学Ⅱは、哲学Ⅰの内容を踏まえた応用編となりますので、Ⅰ、Ⅱ合わせて履修する方が理解しやすいと思います。また、学生の理解度に応じて授業計画を変更する場合があります。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
現象学の思考法-現象学的還元- |
現象学的還元やエポケーという思考方法を理解する。
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2週 |
現象学の思考法-意識の見取り図- |
「真理」を問うことと我々の実生活との関連を理解した確信の源としての直観の概念、意識のノエシス―ノエマ構造、内在-超越構造について理解する。
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3週 |
現象学の思考法-本質直観 |
意識のノエシス―ノエマの分析を通して本質直観を取り出す方法について理解する。
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4週 |
本質直観の練習①―「死」の現象学的解明 |
各自で「死」に関する現象学的解明を行う―材料集め、グルーピング、エポケー
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5週 |
本質直観の練習①―「死」の現象学的解明 |
各自で「死」に関する現象学的解明を行う―「死」に関連するノエマ-ノエシスのつながりや重層を丹念に記述する
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6週 |
本質直観の練習①―「死」の現象学的解明 |
各自で死に関する現象学的解明を行う―「死」の意識における核心的要素と周辺的要素を見分け、意味本質を示す。
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7週 |
本質直観の練習①―「死」の現象学的解明 |
死に関する私たちの現象学的解明の結果を、ハイデッガーによるそれと比較しながら、死の意味本質を考える。
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8週 |
本質直観の練習②―「自由」の現象学的解明 |
「自由」について、各自で現象学的解明を行う―材料集め、グルーピング、エポケー
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4thQ |
9週 |
本質直観の練習②―「自由」の現象学的解明 |
「自由」について、各自で現象学的解明を行う―「自由」に関連するノエマ-ノエシスのつながりや重層を丹念に記述する
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10週 |
本質直観の練習②―「自由」の現象学的解明 |
「自由」について、各自で現象学的解明を行う―「自由」の意識における核心的要素と周辺的要素を見分け、意味本質を示す。
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11週 |
本質直観の練習②―「自由」の現象学的解明 |
「自由」に関する現象学的解明の結果を、ヘーゲルの「自己欲望」論と比較考察する。
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12週 |
欲望の現象学 |
フロイトの無意識説を現象学的観点から読み解き、それを批判的に評価する。
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13週 |
欲望の現象学 |
フロイトの無意識説を、「自己」の現象学的分析のためにどのように利用できるかを理解する。
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14週 |
欲望の現象学 |
竹田青嗣による自己の現象学的解明としての欲望論・エロス論を読み解き、それを批判的に評価する。
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15週 |
期末レポートの返却と講評 |
返却された期末レポートおよび講評から、自身が行った現象学的開明を顧みる。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| レポート | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |