電子回路Ⅱ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電子回路Ⅱ
科目番号 0246 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 電気制御システム工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 藤原 修 編著 インターユニバーシティシリーズ 「電子回路A」 オーム社
担当教員 多田 和広

到達目標

1. 増幅器の周波数特性(遮断周波数)を計算できる。
2. 各種電力増幅器の特徴を理解し解析できる。
3. オペアンプを利用した応用回路の解析ができる。
4. 各種のRC発振回路,LC発振回路の解析ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1増幅器の周波数特性(遮断周波数)を計算でき、応用問題を解くことができる。増幅器の周波数特性(遮断周波数)を計算でき、基本的な問題を解くことができる。増幅器の周波数特性(遮断周波数)を計算できない。
評価項目2各種電力増幅器の特徴を理解し解析でき、応用問題を解くことができる。各種電力増幅器の特徴を理解し解析でき、基本的な問題を解くことができる。 各種電力増幅器の特徴を解析できない。
評価項目3オペアンプを利用した応用回路の解析ができ、応用問題を解くことができる。オペアンプを利用した応用回路の解析ができ、基本的な問題を解くことができる。オペアンプを利用した応用回路の解析ができない。
評価項目4各種のRC発振回路,LC発振回路の解析ができ、応用問題を解くことができる。各種のRC発振回路,LC発振回路の解析ができ、基本的な問題を解くことができる。各種のRC発振回路,LC発振回路の解析ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気系の学生にとって電子回路は重要な基礎科目のひとつである。増幅作用やスイッチング特性を特徴とする半導体素子を用いた回路についての基礎的な考え方と知識を学ぶことが「電子回路」の目的である。後期では前期で学んだことを基にし、応用面を重視して種々の分野を学ぶ。
 具体的には、増幅回路の周波数特性が現れる原因の理解と解析方法について学ぶ。さらに実際的回路として差動増幅や電力増幅,負帰還回路,オペアンプ(演算増幅器)の基礎と応用,種々の発振回路などに関わる回路についての基本的知識を身につけることをめざす。
授業の進め方・方法:
教員単独による講義を実施する。
注意点:
内容の理解度を定期試験(80%)および課題(20%)により評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 小信号の増幅-交流増幅器 標準的交流増幅器を小信号等価回路により解析する。
2週 入出力インピーダンス 増幅器の入出力インピーダンスを小信号等価回路により解析する。
3週 増幅回路の周波数特性(低域特性) 結合コンデンサ,バイパスコンデンサの周波数特性への影響を調べる。
4週 増幅回路の周波数特性(高域特性) トランジスタの寄生容量と増幅器の高域特性の関係を理解する。
5週 差動増幅器 差動増幅器を解析し,その特徴を理解する。
6週 電力増幅器の考え方,A級電力増幅器 電力増幅回路の基本的考え方を学び,A級電力増幅器を解析する。
7週 中間テスト
8週 中間テストの解答 中間テストの解説
4thQ
9週 フィードバックと負帰還増幅器 帰還回路の考え方と負帰還増幅器の特徴を理解する。
10週 オペアンプの内部構成と性能 オペアンプの回路の構成,理想特性からの外れを表す諸量を学ぶ。
11週 オペアンプの特徴と基本的増幅回路 理想特性に基づいて基本的回路の仮想短絡による解析法を学ぶ。
12週 帰還増幅回路の解析 帰還増幅回路のループ利得による解析方法を学ぶ。
13週 発振の仕組み 発振の成長過程及び発振回路の発振の条件について学ぶ。
14週 RC発振回路 抵抗と容量によるいくつかの発振回路とその解析法を学ぶ。
15週 LC発振回路,水晶発振回路 LとCによる三素子形発振回路,その応用である水晶発振回路を学ぶ。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。2
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。2
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。2
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。2
重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。2
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。2
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。2
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。2
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。2
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。2
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。2
瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。2
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。2
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。2
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。2
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。2
網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。2
重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。2
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。2
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。2
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。2
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。2
電磁気静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。2
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。2
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。3
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。3
FETの特徴と等価回路を説明できる。3
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。3
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。3
演算増幅器の特性を説明できる。3
反転増幅器や非反転増幅器等の回路を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度課題その他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000