ロボット工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 ロボット工学Ⅰ
科目番号 0280 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気制御システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 ロボット工学の基礎 第2版(川崎晴久著、森北出版株式会社)、プリント
担当教員 金子 慎一郎

到達目標

・ロボットのメカニズムについて理解すること。
・ロボットのセンシング技術について理解すること。
・ロボットのアクチュエータについて理解すること。
・座標変換の基礎について理解すること。
・リンクパラメータに基づく順運動学の導出について理解すること。
・低自由度モデルの逆運動学の導出について理解すること。
・ヤコビ行列の意味について理解すること。
・簡単な静力学問題を解けること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ロボットの機構(メカニズム)について理解し、説明できる。ロボットの機構(メカニズム)について理解できる。ロボットの機構(メカニズム)について理解できない。
評価項目2ロボットのセンシングについて理解し、説明できる。ロボットのセンシングについて理解できる。ロボットのセンシングについて理解できない。
評価項目3ロボットのアクチュエータについて理解し、説明できる。ロボットのアクチュエータについて理解できる。ロボットのアクチュエータについて理解できない。
評価項目4座標変換の基礎について理解し、説明できる。座標変換の基礎について理解できる。座標変換の基礎について理解できない。
評価項目5リンクパラメータを利用した順運動学を導出し、説明できる。リンクパラメータを利用した順運動学を導出できる。リンクパラメータを利用した順運動学を導出できない。
評価項目6低自由度モデルの逆運動学を導出し、説明できる。低自由度モデルの逆運動学を導出できる。低自由度モデルの逆運動学を導出できない。
評価項目7ヤコビ行列の意味を理解し、導出とその説明ができる。ヤコビ行列の意味を理解し、導出できる。ヤコビ行列の意味を理解できず、導出できない。
評価項目8低自由度モデルの静力学を解くことができ、説明できる。低自由度モデルの静力学を解くことができる。低自由度モデルの静力学を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-6 説明 閉じる
JABEE 1(2)(d)(1) 説明 閉じる
JABEE 1(2)(e) 説明 閉じる
ディプロマポリシー 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
近年、ロボット技術は急速に発達し、製造業に留まらず宇宙、医療、建設、農業とその応用分野を拡大している。その土台となるロボット工学は機械、電子、制御、計算機、材料といった分野を多岐に渡って網羅的に成り立っている。本講義ではロボットの基本概念からセンシング、アクチュエータについて概観し、ロボットアームを題材として座標変換、運動学、逆運動学を解説し、静力学までの基礎、ロボットにおける今後の課題等について学習する(講義ごとに演習、レポートを課し、進捗を確認する)。
授業の進め方・方法:
講義と演習
注意点:
授業計画は学生の理解度に応じて変更する場合がある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
ロボット工学イントロダクション
ロボットの歴史、基本概念と基本構成、最先端の現状について理解する。
2週 ロボットの形・メカニズム ロボットの形態とメカニズムについて理解する。
3週 ロボットのセンサ(内界センサ) ロボットの内部状態センシング技術について理解する。
4週 ロボットのセンサ(外界センサ) ロボットの周囲環境センシング技術について理解する。
5週 ロボットのアクチュエータ1 ロボットで利用されている様々なアクチュエータについて学習する。
6週 ロボットのアクチュエータ2 DCサーボモータを中心にロボット設計に関連する要素を学習する。
7週 中間試験 第1~6週までの理解度を確認する。
8週 ロボットの運動学1 座標変換の基礎、姿勢表現について理解する。
2ndQ
9週 ロボットの運動学2 リンクパラメータと順運動学について理解する。
10週 ロボットの運動学3 逆運動学について理解する。
11週 ロボットの運動学4 ヤコビ行列、速度、加速度解析について理解する。
12週 ロボットの運動学5 ここまでの運動学の内容について例題、演習により理解を深める。
13週 ロボットの静力学 ヤコビ行列と静力学の関連について理解する。
14週 ロボットの運動制御 軌道生成手法、運動方程式の概要について学習する。
15週 ロボットの知能化、既知の課題と今後 ロボットの知的制御技術について概観する。またロボット開発における既知の課題とこんごについて概観する。
16週 期末試験 第8~15週までの理解度を確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3
電力直流機の原理と構造を説明できる。2
誘導機の原理と構造を説明できる。2
同期機の原理と構造を説明できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力5000001060
専門的能力400000040
分野横断的能力0000000