到達目標
高等学校学習指導要領化学基礎の目標に則り、日常生活や社会との関連を図りながら物質とその変化への関心を高め、化学的に探究する能力と態度を育てるとともに、化学の基本的な概念や原理・法則を理解し、科学的な見方や考え方を養うことを志向し、さらに科学産業発展に資する実践的化学力を身に着ける。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1
物質の種類と性質 | 物質の種類と性質を説明でき、それらの適切な分離や精製方法について理解している。原子の成り立ちや元素の周期律について説明できる。 | 物質の種類と性質を理解し、それらの適切な分離や精製方法があることを理解している。原子の成り立ちや元素の周期律について理解している。 | 物質の種類と性質が理解できず、それらの分離や精製方法があることを理解していない。原子の成り立ちや元素の周期律について理解していない。 |
評価項目2
物質の結合 | イオン結合、共有結合、金属結合の特徴とその結晶構造について十分に理解し、物質を結合ごとに分類できる。 | イオン結合、共有結合、金属結合の特徴とその結晶構造についておおよそ理解し、物質の物質を結合ごとに分類できる。 | イオン結合、共有結合、金属結合の特徴とその結晶構造について理解しておらず、物質の物質を結合ごとに分類できない。 |
評価項目3
原子量、分子量、式量 | 原子量、分子量、式量を理解し、それを用いた計算が自在にできる。物質量を用いて、質量、粒子数、気体の体積を自在に計算できる。 | 原子量、分子量、式量を理解し、それを用いた計算がおおよそできる。物質量を用いて、物質の質量、粒子数、気体の体積をおおよそ計算できる。 | 原子量、分子量、式量を理解し、それを用いた計算ができない。物質量を用いて、物質の質量、粒子数、気体の体積を計算できない。 |
評価項目4
溶液 | 質量パーセント濃度とモル濃度の計算が自在にできる。 | 質量パーセント濃度とモル濃度の計算ができる。 | 質量パーセント濃度とモル濃度の計算ができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
高等専門学校の教育に基づいた教科書(Professional Engineer Library 化学)を用い、主に座学で授業を進める。単元ごとに問題集(アクセス化学基礎、アクセス化学)を宿題として自宅で復習を促す。
授業の進め方・方法:
試験: 前期中間・期末、後期中間・期末試験を計4回実施する。重要な項目は授業中または補講時間に小テストを実施する。
ポートフォリオ: 授業中に指示された小テストや宿題、課題の提出等で確認する。
その他: 授業の取り組みや授業内容の理解度などを総合的に評価し決定する。
注意点:
・自然の事物・現象に関することを題材にして,基本的な概念,原理,法則を理解するよう務めること。
・学習事項の練習問題などを適宜課題とする。また,既習事項の確認のため小テストを課すことがある。
・提出物やその他課題についてはそれぞれの指示に従い,提出期限を厳守すること。
・授業中に他人に危害を加える、授業の妨害を行う、授業を怠けるなど倫理的に著しくはずれた行為をした場合は単位を習得できない。また授業への集中度が著しく低い場合、特別な事由がなく欠席遅刻等があった場合も減点する。
学習上の助言
・教科書や副教材などを用いて,復習を中心とした自学自習を行なうこと。
・自学自習の際,高校生向け学習参考書全般が参考となるので各自利用すること。
・本科目では、50 点以上の評価で単位を認定する。評価が50 点に満たない者は、願い出により追認試験を受けることができる。追認試験の結果、単位の修得が認められた者にあっては、その評価を50 点とする。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
化学と人間生活のかかわり 単位、指数計算 |
代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて理解できる。 洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて理解する。 化学で使用する単位および指数計算、有効数字を理解し、適宜使用できる。 測定と測定値の取り扱いができる。
|
2週 |
物質の種類と性質 |
物質が原子からできていることが説明できる。 単体と化合物の意味と具体例が説明できる。 同素体がどのようなものか説明できる。 純物質と混合物の区別ができる。 混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。
|
3週 |
原子の構造 電子配置 |
原子の成り立ちについて理解できる。 同位体について理解できる。 原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。 価電子について説明できる。
|
4週 |
イオン イオン結合 |
原子のイオン化代表的なイオンを化学式で表すことができる。について説明できる。 電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。 イオン式とイオンの名称を説明できる。 イオン結合について説明できる。 イオン結合性物質の性質が説明できる。 イオン性結晶がどのようなものか理解できる。
|
5週 |
共有結合 共有結合と分子の形 |
共有結合がどのようなものか説明できる。 構造式や電子式により分子を書き表すことができる。
|
6週 |
電気陰性度と極性 分子間力 水素結合 |
極性と分子間力について理解している。 共有結合の結晶と分子結晶について理解している。 水素結合について理解している。
|
7週 |
金属結合 金属結晶格子 |
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。 金属の性質が説明できる。 金属の結晶格子について理解している。 結晶格子を用いた計算ができる。
|
8週 |
元素の周期律 |
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について知ることができる。 元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。
|
2ndQ |
9週 |
前期中間試験 |
これまで学習した単元について理解している。
|
10週 |
原子量・分子量・式量 モル:物質量とモル質量 アボガドロ定数 |
原子量・分子量・式量を理解し、計算することができる。 物質量の概念を理解し、計算することができる。 物質量とアボガドロ定数の関係を理解し、計算することができる。
|
11週 |
モル:質量と物質量 モル:気体
|
物質量と質量の関係を理解し、計算することができる。 物質量と気体の体積との関係を理解し、計算することができる。
|
12週 |
化学反応式 量的関係 |
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。 化学反応を用いてやや複雑な化学量論的な計算することができる。
|
13週 |
溶液の濃度 質量パーセント濃度 |
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。
|
14週 |
溶液の濃度 モル濃度 |
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。
|
15週 |
溶液作成方法 溶解度 |
溶液の作成方法を論理的に説明して記述できる。 溶解度の計算ができる。
|
16週 |
前期末試験 |
これまで学習した単元について理解している。
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学 | 化学 | 化学と現代の社会課題との関連性について説明できる。 | 3 | 前1 |
物質が原子からできていることについて説明できる。 | 3 | 前3 |
単体と化合物について説明できる。 | 3 | 前3 |
同素体について説明できる。 | 3 | 前3 |
純物質と混合物の区別について説明できる。 | 3 | 前3 |
混合物の分離法について理解し、適切な分離法を選択できる。 | 3 | 前1,前3 |
原子の構造(原子核・電子)や原子番号、質量数について説明できる。 | 3 | 前6 |
同位体・放射性同位体について説明できる。 | 3 | 前6 |
原子の電子配置について電子殻を用いて書き表すことができる。 | 3 | 前7 |
価電子の働きについて説明できる。 | 3 | 前7 |
イオン化エネルギーと電子親和力について説明できる。 | 3 | 前9 |
代表的なイオンを化学式で表すことができる。 | 3 | 前9 |
原子番号と価電子の数との関係について考えることができる。 | 3 | 前15 |
元素の性質について価電子と周期律から考えることができる。 | 3 | 前15 |
イオンの化学式とイオンの名称について説明できる。 | 3 | 前5 |
イオン結合について説明できる。 | 3 | 前10 |
イオン結晶の性質について説明できる。 | 3 | 前10 |
共有結合について説明できる。 | 3 | 前11 |
極性と水素結合について説明できる。 | 3 | 前11 |
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。 | 3 | |
自由電子と金属結合について説明できる。 | 3 | 前13 |
金属の性質について説明できる。 | 3 | 前13 |
原子の相対質量と原子量について説明できる。 | 3 | 後1 |
物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。 | 3 | 後1 |
分子量・式量について説明できる。 | 3 | 後2 |
気体の体積と物質量の関係について説明できる。 | 3 | 後1 |
化学反応式について反応物、生成物、係数を理解し、組み立てることができる。 | 3 | 後9,後11 |
化学反応式を用いて化学量論的な計算ができる。 | 3 | 後10,後11 |
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。 | 3 | 前9 |
質量パーセント濃度について説明でき、質量パーセント濃度の計算ができる。 | 3 | 後4,後5,後6 |
モル濃度について説明でき、モル濃度の計算ができる。 | 3 | 後4,後5,後6 |
評価割合
| 定期試験・小テスト | 課題提出 | 授業態度 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 15 | 5 | 100 |
基礎的能力 | 80 | 15 | 5 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |