低学年時に培った言葉を運用する力を基礎として、一層豊かで厚みのある言語知識・応用力を磨き、人間のあり方、社会や環境との関係について考察を深め、自らの生き方を自らの意志で拓く糧とする。
概要:
言語表現表現の意図を、表現が生まれる背景を視野に入れつつ、論理的かつ多角的に内容を把握する。言語に関する知識をより豊かにするために、積極的に発展的な知識を身につける。教材の文章の読解を通じて、人間のあり方や、社会・環境の関係について考察する力を磨く。教材の文章の読解を通じて、多様な問題について、多角的に分析し適切に表現する。
授業の進め方・方法:
担当教員による単独講義。ただし、発問を軸に学習者と教授者の相互交流を通して、理解を深める授業形態を中心とする。学習プリントを配布し、教材ごとの学習の要点をあらかじめ提示する。授業展開を理解する上での補助とするとともに、予習、復習のための材料として活用する。また補助的にプレゼンテーションソフトを用いた映像資料も利用する。
注意点:
言葉の働きや力について自覚的になり、他者の文章を客観的に読んで理解すること、自分の考えを整理して表現することを通じて、自らの感じ方や考え方を磨いてゆくという意識を持ってほしい。なお、授業計画は、学生の理解度に応じて変更する場合がある。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 春休み課題テスト |
授業の概要・評価方法を理解する。 課題テストで90%以上の習熟を達成する。
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2週 |
丸山真男「「である」ことと「する」こと」① |
権利や自由は不断に行使することによって保たれることを理解する。
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3週 |
丸山真男「「である」ことと「する」こと」② |
近代化・民主化は、「である」論理・価値から、「する」論理・価値への転換をもとに成し遂げられたことを、封建社会のあり方と比較しながら考察する。
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4週 |
丸山真男「「である」ことと「する」こと」③ |
固定的な制度の建前に従って、、制度について価値判断を下すあり方(状態)から、制度の中でのサービスや紅葉の検証は、運動や家庭に力点を置くべきものに変化したことを理解する。
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5週 |
丸山真男「「である」ことと「する」こと」④ |
民主主義国家として成立したて以降も、「である」論理・価値が強固に根を張る日本社会の特徴を理解し、その問題点について考察する。
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6週 |
連休課題テスト
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漢字課題テストの実施。課題は授業中にプリント配布で対応する。課題テストで90%以上の習熟を達成する。
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7週 |
夏目漱石「現代日本の開化」① |
「良秀」が自分の家の火事を傍観していた理由について考える。古文の文法(文語文法)と現代文の文法(口語文法)の違いを、動詞の活用を学ぶ中で理解する。
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8週 |
夏目漱石「現代日本の開化」② |
「阿蘇の史」がどのように盗人の襲撃を回避したのかを考える。用言のうち、形容詞と形容動詞の活用について、文語文法と口語文法との違いを理解する。
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2ndQ |
9週 |
前期中間試験 |
前期前半の学習内容について、理解度を確認する。
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10週 |
前期中間試験の答案返却と解説 |
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11週 |
大鏡「肝試し」① |
藤原氏の基本的な人物相関について学び、中でも道長の人柄と傑出ぶりを読み取る。
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12週 |
大鏡「肝試し」② |
同上
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13週 |
大鏡「肝試し」③ |
同上
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14週 |
「定婚店」① |
韋固に人となりを読み取り、彼が寺で出会った老人からどのような予言を得たか読解する。 またその折りに聞かされる赤い糸の物語が現代に語り継がれていることを確認する。
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15週 |
「定婚店」② |
また十四年後にめとった妻は、どのようないきさつを経て韋固のもとにきたのか読解する。そのいきさつをもとに老人が結んだ運命の深さに、韋固はどういう思いを抱いたかどっかする。
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16週 |
期末試験 |
前期後半の学習内容について、理解度を確認する。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
森鴎外「舞姫」① |
主人公大田豊太郎がいつどこで日記をかいているのか、 その人となりや経歴がどのようなものか、読解する。
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2週 |
森鴎外「舞姫」② |
ドイツに留学した豊太郎にどのような変化が起きたのか、またそれはどうして起きたのか、そのような豊太郎を、同郷の留学生がどう遇したのか、読解する。
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3週 |
森鴎外「舞姫」③ |
金髪の少女エリスと豊太郎はどのようないきさつで出会ったのか、またエリスはどのような境涯にあるのか、読解する。
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4週 |
森鴎外「舞姫」④ |
エリスとの交際は豊太郎をどのような立場に置くことになったか、またその結果二人の交際はどう進展したか、を読解する。
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5週 |
森鴎外「舞姫」⑤ |
二人の生活はどのようなものであったか、またその結果豊太郎は「学問が荒みぬ」と言っているが、その思いはどのようなものであったかを読解する。
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6週 |
森鴎外「舞姫」⑥ |
明治二一年の冬起きた二つの出来事は何か、またそれらはエリスにとってどのような意味を持つか、読解する
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7週 |
森鴎外「舞姫」⑦ |
友人相沢は豊太郎にどのような提案をし、豊太郎はその提案にどう処したのか、読解する。
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8週 |
後期中間試験 |
後期前半の学習内容について理解度を確認する。
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4thQ |
9週 |
森鴎外「舞姫」⑧ |
エリスの手紙を通して自覚することになる、天方伯に随行してロシアで通訳としての任務の意味を豊太郎はどう捉えていたのか、読解する。
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10週 |
森鴎外「舞姫」⑨ |
ロシアから帰ってエリスと再会を果たした豊太郎に下した天方伯の命に、豊太郎はどう対応し、どう行動したか読解する。
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11週 |
森鴎外「舞姫」⑩ |
最終場面で相沢が図った処置がどういうものだったか確認し、その結果起きた事態を振り返る豊太郎がなぜ「憎む心」抱くのかを読解する。またその心理を抱く豊太郎を通して小説の主題を探る。
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12週 |
三冊子「不易と変化」① |
芸術における「不易流行」とはどういうことか理解する。
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13週 |
三冊子「不易と変化」② |
同上
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14週 |
韓非子「不死之薬」 |
中射之士が、王に献じる不死の薬を飲んだ自分を罰しないようにどういうことを言ったか確認し、王が何故罰しなかったのか考察する。
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15週 |
帰田録「売油翁」 |
射術のことを知らない油売りの翁が問われて発した「手熟」の意味が、康粛と翁ではどう異なるかを考察し、康粛が笑って翁を許した理由を理解する。
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16週 |
学年末試験 |
後期後半の学習内容について理解度を確認する。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 国語 | 国語 | 論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。 | 3 | |
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。 | 3 | |
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。 | 3 | |
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。 | 3 | |
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。 | 3 | |
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。 | 3 | |
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。 | 3 | |
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。 | 3 | |
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。 | 3 | |
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。 | 3 | |
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。 | 3 | |
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。 | 3 | |
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。 | 3 | |
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。 | 3 | |
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。 | 3 | |