哲学Ⅱ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 哲学Ⅱ
科目番号 0055 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質化学工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 教科書は使用しません。各テーマ毎に講義レジュメと資料を授業の際に配布。
担当教員 宮崎 真矢

到達目標

現象学の思考法を理解し、自分がテーマとして選んだ事柄の意味本質を、この方法を用いて観取する、思考実験を行うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1現象学の思考法を理解し、自分がテーマとして選んだ事柄についての十分な現象学的分析と自己了解を通じて、その意味本質をはっきりと提示できている。現象学の思考法を理解し、自分がテーマとして選んだ事柄の意味本質を、この方法を用いて観取する、思考実験を行うことができる。現象学の思考法についての理解が不十分であり、自分がテーマとして選んだ事柄の現象学的分析も中途にとどまっていて、その意味本質を示すことができていないとみなされる。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C-1 説明 閉じる
JABEE 1(2)(a) 説明 閉じる
ディプロマポリシー 3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
哲学Ⅱでは、哲学Ⅰで到達した、「客観的真理」を放棄し「自己確信・共通確信」として「真理」を捉え直す観点に立ち、このような「真理」を探求する思考法として現象学の考え方を紹介します。また、「自分」というものに深く関わる「自由」、「欲望」、価値といった事柄を取り上げ、現象学の手法でその意味本質を明らかにすることを試みます。これらの作業を手がかりにして、みなさん自身が実際に現象学的解明を行い、事柄の意味本質を分析し表現できるようになることが、哲学Ⅱの授業の目標です。
授業の進め方・方法:
講義(100%),授業形態A(教員→学生)60%・B(教員⟷学生)40%、教育手法1(普通の授業)・3(探求に基づいた発見学習)
注意点:
哲学Ⅱでは、現象学という一風変わった物の見方を理解した上で、これを用いて自分の意識の内部をどれほど掘り下げて探索できるかを問います。辞書の定義や誰かの学説の受け売りではない、みなさん自身の深い自己了解を、みなさん自身の哲学として語ってもらうことになるでしょう。なお哲学Ⅱは、哲学Ⅰの内容を踏まえた応用編となりますので、Ⅰ、Ⅱ合わせて履修する方が理解しやすいと思います。また、学生の理解度に応じて授業計画を変更する場合があります。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 現象学の思考法-現象学的還元- 現象学的還元やエポケーという思考方法を理解する。
2週 現象学の思考法-意識の見取り図- 「真理」を問うことと我々の実生活との関連を理解した確信の源としての直観の概念、意識のノエシス―ノエマ構造、内在-超越構造について理解する。
3週 現象学の思考法-本質直観 意識のノエシス―ノエマの分析を通して本質直観を取り出す方法について理解する。
4週 本質直観の練習①―「死」の現象学的解明 各自で「死」に関する現象学的解明を行う―材料集め、グルーピング、エポケー
5週 本質直観の練習①―「死」の現象学的解明 各自で「死」に関する現象学的解明を行う―「死」に関連するノエマ-ノエシスのつながりや重層を丹念に記述する
6週 本質直観の練習①―「死」の現象学的解明 各自で死に関する現象学的解明を行う―「死」の意識における核心的要素と周辺的要素を見分け、意味本質を示す。
7週 本質直観の練習①―「死」の現象学的解明 死に関する私たちの現象学的解明の結果を、ハイデッガーによるそれと比較しながら、死の意味本質を考える。
8週 本質直観の練習②―「自由」の現象学的解明 「自由」について、各自で現象学的解明を行う―材料集め、グルーピング、エポケー
4thQ
9週 本質直観の練習②―「自由」の現象学的解明 「自由」について、各自で現象学的解明を行う―「自由」に関連するノエマ-ノエシスのつながりや重層を丹念に記述する
10週 本質直観の練習②―「自由」の現象学的解明 「自由」について、各自で現象学的解明を行う―「自由」の意識における核心的要素と周辺的要素を見分け、意味本質を示す。
11週 本質直観の練習②―「自由」の現象学的解明 「自由」に関する現象学的解明の結果を、ヘーゲルの「自己欲望」論と比較考察する。
12週 欲望の現象学 フロイトの無意識説を現象学的観点から読み解き、それを批判的に評価する。
13週 欲望の現象学 フロイトの無意識説を、「自己」の現象学的分析のためにどのように利用できるかを理解する。
14週 欲望の現象学 竹田青嗣による自己の現象学的解明としての欲望論・エロス論を読み解き、それを批判的に評価する。
15週 期末レポートの返却と講評 返却された期末レポートおよび講評から、自身が行った現象学的開明を顧みる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3
公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3

評価割合

レポート発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000