本科目では,中学校を卒業した学生が,将来技術者として社会で活躍するために必要となる情報や環境に対する倫理観を育み,以下のスキルを習得できることを目標としている。
1.与えられた課題について,適切な情報収集に基づき,決められたルールに従ってレポートが書ける。
2.与えられた課題について,チーム内で自分の役割を果たし,情報を共有し,議論を行った結果を授業で学んだ内容を反映して発表できる。
3.学んだことを記述し、自分の意見を述べることができる。
概要:
中学校を卒業した学生が,将来技術者として社会で活躍するために必要となる情報や知的財産の取り扱い,環境に対する倫理観を醸成するために,以下の内容について取り組む。
1. 技術者倫理が必要とされる社会的な背景や重要性を理解し、技術者の役割と責任、行動について学ぶ。
2. 情報を利用する立場、発信する立場に立ったとき、技術者としてどのように行動すべきかを情報倫理の観点から学ぶ。
3. 技術者を目指すものとして,人々が持続的に安全・安心に暮らせる未来社会を構築するするために必要な知識・態度について学ぶ。
授業の進め方・方法:
講義およびグループワークを交えて授業を行う。
事前に行う準備学習:グループワークを行う際は,与えられたテーマについて事前に調査学習を行い,授業に臨むこと。
注意点:
最終評価は,試験評価20%,発表評価50%,レポート評価15%および態度評価5%として計算します。
本科目では,50点以上の最終評価で単位を認定します。
また,授業計画は学生の理解度に応じて変更する場合があります。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス |
授業の目的,授業内容,スケジュールについてシラバスを用いて説明し,本講義の進め方や評価方法について理解できる。
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2週 |
情報倫理(1) |
21世紀の技術者に必要となる情報の取り扱い方,倫理観について理解できる。
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3週 |
情報倫理(2) |
21世紀の技術者に必要となる情報の取り扱い方,倫理観について理解できる。
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4週 |
持続可能な開発(1) |
身近な工業製品を例に,工業製品の資源採掘から廃棄の過程で生じる環境問題や社会問題について理解できる。
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5週 |
持続可能な開発(2) |
身近な工業製品を例に,工業製品の資源採掘から廃棄の過程で生じる環境問題や社会問題について理解した内容をチームでまとめ,発表できる。
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6週 |
持続可能な開発(3) |
講義により,持続可能な開発の概念,技術者に求められる環境倫理,ライフサイクルアセスメントの必要性を理解できる。
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7週 |
技術者倫理(1) |
過去の事故事例から,技術者倫理を欠くことによって重大な事故や環境汚染を招くことを理解できる。
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8週 |
技術者倫理(2) |
化学の発展と人類への貢献,負の側面に関する情報収集をチーム内で役割分担し,共有し・議論できる。
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4thQ |
9週 |
中間試験 |
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10週 |
技術者倫理(3),答案返却 |
化学の発展と人類への貢献,負の側面に関する情報収集をチーム内で役割分担し,共有し・議論できる。
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11週 |
技術者倫理(4) |
適切に情報収集および情報共有を行い,発表のためのプレゼン資料をパワーポイントを用いて作成できる。
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12週 |
技術者倫理(5) |
適切に情報収集および情報共有を行い,発表のためのプレゼン資料をパワーポイントを用いて作成できる。
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13週 |
発表(1) |
チームで調査したテーマについて,これまで学んだ内容を活かし,技術者の視点で発表を行うことができる。
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14週 |
発表(2) |
チームで調査したテーマについて,これまで学んだ内容を活かし,技術者の視点で発表を行うことができる。
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15週 |
発表&全体ふりかえり,アンケート |
発表および授業全体を振り返り,本科目の内容の理解度および知識,態度の変容を各自確認する。
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16週 |
成績評価・確認 |
成績評価・確認を実施する。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。 | 2 | |
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。 | 3 | |
社会における技術者の役割と責任を説明できる。 | 2 | |
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。 | 3 | |
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。 | 2 | |
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 2 | |
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。 | 3 | |
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。 | 2 | |
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。 | 2 | |
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。 | 2 | |
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。 | 3 | |
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。 | 3 | |
情報リテラシー | 情報リテラシー | 情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。 | 3 | |
情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。 | 2 | |
個人情報とプライバシー保護の考え方についての基本的な配慮ができる。 | 2 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 他者の意見を聞き合意形成することができる。 | 3 | |
合意形成のために会話を成立させることができる。 | 3 | |
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。 | 3 | |
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 3 | |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 3 | |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 2 | |
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。 | 2 | |
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。 | 3 | |
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。 | 3 | |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 3 | |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 3 | |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 3 | |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 3 | |
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。 | 2 | |