情報・技術者倫理入門

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 情報・技術者倫理入門
科目番号 0075 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質化学工学科 対象学年 1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 中島 栄次,高松 さおり

到達目標

本科目では,中学校を卒業した学生が,将来技術者として社会で活躍するために必要となる情報や環境に対する倫理観を育み,以下のスキルを習得できることを目標としている。
1.与えられた課題について,適切な情報収集に基づき,決められたルールに従ってレポートが書ける。
2.与えられた課題について,チーム内で自分の役割を果たし,情報を共有し,議論を行った結果を授業で学んだ内容を反映して発表できる。
3.学んだことを記述し、自分の意見を述べることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ルールに従って論理的な構成を持つレポートが書ける。ルールに従って、レポートが書ける。ルールに従ってレポートが書けない。
評価項目2発表において技術者の視点から情報倫理や知財リテラシーに基づいた議論ができ、その中に持続可能な開発の概念や価値観が含まれている。発表において、おおむね情報倫理や知財リテラシーに基づいた議論ができる。課題についての発表や議論ができない。
評価項目3学んだことが記述でき、論理的に自分の意見を述べることができる。自分の意見を交えて学んだことを記述できる。学んだことを記述できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
中学校を卒業した学生が,将来技術者として社会で活躍するために必要となる情報や知的財産の取り扱い,環境に対する倫理観を醸成するために,以下の内容について取り組む。
1. 技術者倫理が必要とされる社会的な背景や重要性を理解し、技術者の役割と責任、行動について学ぶ。
2. 情報を利用する立場、発信する立場に立ったとき、技術者としてどのように行動すべきかを情報倫理の観点から学ぶ。
3. 技術者を目指すものとして,人々が持続的に安全・安心に暮らせる未来社会を構築するするために必要な知識・態度について学ぶ。
授業の進め方・方法:
講義およびグループワークを交えて授業を行う。
事前に行う準備学習:グループワークを行う際は,与えられたテーマについて事前に調査学習を行い,授業に臨むこと。
注意点:
最終評価は,試験評価20%,発表評価50%,レポート評価15%および態度評価5%として計算します。
本科目では,50点以上の最終評価で単位を認定します。
また,授業計画は学生の理解度に応じて変更する場合があります。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 授業の目的,授業内容,スケジュールについてシラバスを用いて説明し,本講義の進め方や評価方法について理解できる。
2週 情報倫理(1) 21世紀の技術者に必要となる情報の取り扱い方,倫理観について理解できる。
3週 情報倫理(2) 21世紀の技術者に必要となる情報の取り扱い方,倫理観について理解できる。
4週 持続可能な開発(1) 身近な工業製品を例に,工業製品の資源採掘から廃棄の過程で生じる環境問題や社会問題について理解できる。
5週 持続可能な開発(2) 身近な工業製品を例に,工業製品の資源採掘から廃棄の過程で生じる環境問題や社会問題について理解した内容をチームでまとめ,発表できる。
6週 持続可能な開発(3) 講義により,持続可能な開発の概念,技術者に求められる環境倫理,ライフサイクルアセスメントの必要性を理解できる。
7週 技術者倫理(1) 過去の事故事例から,技術者倫理を欠くことによって重大な事故や環境汚染を招くことを理解できる。
8週 技術者倫理(2) 化学の発展と人類への貢献,負の側面に関する情報収集をチーム内で役割分担し,共有し・議論できる。
4thQ
9週 中間試験
10週 技術者倫理(3),答案返却 化学の発展と人類への貢献,負の側面に関する情報収集をチーム内で役割分担し,共有し・議論できる。
11週 技術者倫理(4) 適切に情報収集および情報共有を行い,発表のためのプレゼン資料をパワーポイントを用いて作成できる。
12週 技術者倫理(5) 適切に情報収集および情報共有を行い,発表のためのプレゼン資料をパワーポイントを用いて作成できる。
13週 発表(1) チームで調査したテーマについて,これまで学んだ内容を活かし,技術者の視点で発表を行うことができる。
14週 発表(2) チームで調査したテーマについて,これまで学んだ内容を活かし,技術者の視点で発表を行うことができる。
15週 発表&全体ふりかえり,アンケート 発表および授業全体を振り返り,本科目の内容の理解度および知識,態度の変容を各自確認する。
16週 成績評価・確認 成績評価・確認を実施する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理技術者倫理工学や科学技術が人類に果たしてきた貢献、成果について説明できる。3
科学技術の発展動向を踏まえ、現代社会における工学や科学技術の役割、意義について説明できる。3
科学技術の発達が社会、環境、人々に対して与える影響や変化について説明できる(応用倫理学を含む)。3
地域社会やわが国が直面している種々の問題について理解し、工学や科学技術の果たしうる貢献について考え、説明できる。3
国際社会や人類が直面している種々の問題について理解し、工学や科学技術の果たしうる貢献について考え、説明できる。3
現代社会の特徴を理解した上で、安全の確保、実現に向けた技術者の役割、責任について説明できる。3
専門職としての技術者の役割や責任について説明できる。3
法的責任の基本について説明できる。3
倫理的責任の基本について説明できる。3
専門職としての技術者が実務上要求される責任、配慮すべき問題に関して説明できる。3
国際的なフィールドでの実務で要求される責任、配慮すべき問題について説明できる。3
公正な研究活動の推進に向けて必要な知識や態度について説明できる。3
情報リテラシー情報リテラシー情報社会で生活する上でのマナー、モラルの重要性について説明できる。3
データサイエンス・AI技術を利活用する際に求められるモラルや倫理について理解し、データを守るために必要な事項を説明できる。 3
グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解異文化、多文化について説明できる。3
多様性の概念及びその重要性を説明できる。3
グローバリゼーションの進展により生じた産業、経済、政治への影響及びグローバリゼーションと科学技術との相互作用を説明できる。3
技術者としてグローバルに活動する際に求められる知識、資質、能力について説明できる。3

評価割合

試験発表レポート態度合計
総合評価割合205025500100
基礎的能力20201550060
専門的能力0201000030
分野横断的能力010000010