化学工学実験

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 化学工学実験
科目番号 0096 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 中島 栄次,森 康貴

到達目標

1.流量・流速の計測、温度測定など諸物性の測定方法を説明できる。
2.蒸留操作の原理を理解できる。
3.物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。
4.液体および固体の正確な密度を測定できる。
5.反応速度定数の温度依存性から活性化エネルギーを決定できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1流量・流速の計測、温度測定など諸物性の測定方法に関する原理を理解し説明できる。流量・流速の計測、温度測定など諸物性の測定方法を説明できる。流量・流速の計測、温度測定など諸物性の測定方法を説明できない。
評価項目2蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。蒸留操作の原理を理解できる。蒸留操作の原理を理解できない。
評価項目3気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。物質収支やエネルギー収支の計算をすることができない。
評価項目4液体および固体の正確な密度を測定し、測定原理を説明できる。液体および固体の正確な密度を測定できる。液体および固体の正確な密度を測定できない。
評価項目5反応速度の濃度依存性を理解し、さらに速度定数の温度依存性から活性化エネルギーを決定できる。反応速度定数の温度依存性から活性化エネルギーを決定できる。反応速度定数の温度依存性から活性化エネルギーを決定できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-3 説明 閉じる
JABEE 1(2)(c) 説明 閉じる
JABEE 1(2)(d)(2) 説明 閉じる
JABEE 1(2)(h) 説明 閉じる
ディプロマポリシー 1 説明 閉じる
ディプロマポリシー 2 説明 閉じる
ディプロマポリシー 3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
一般的な単位操作に関する実験を通してその理論について理解を深める。また、実験で得られたデータの取り扱い方やデータのとりまとめ方を習得する事を目的とする。さらにはグループごとに行う実験テーマに関する事前学習の口頭発表や口頭試問にて、グループ学習力やプレゼンテーション能力も養う。
この実習は、担当教員が企業でのQC活動やPDCAサイクルを通したグループ討議や提案、報告などで得られた経験を活かして、グループワークの進め方や問題解決の支援を行っている。
授業の進め方・方法:
教員2名の監督による実験演習を行う。
注意点:
本実験では、まず各テーマの事前学習を行い、その成果を発表し口頭試問にて理解度を確認したのち実験を行う。事前に配布テキストや教科書、参考書をよく読んで理解を深めておく事がもちろん、未知の学習課題についても積極的に調査、学習する姿勢が重要となる。レポート(75%)に加えて発表資料や口頭試問内容(25%)にて評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 実験の進め方を理解する。
2週 第1テーマ実験日(事前学習) 以降、実験は1班4~5人のグループを10班構成し、10の実験テーマ(反応速度、精留、粉体、真密度測定、乾燥)を重ならないように廻していき、最終的に1班につき3種のテーマの実験を行う。
Ⅰテーマについて4週が与えられるので、1週目は事前学習、2週目以降は発表口頭試問を経て実験を行う。
3週 第1テーマ実験日(学習内容のプレゼンテーション) 各テーマの目的
4週 第1テーマ実験日(実験) 反応速度:反応速度と濃度の関係を理解し、実験データから活性化エネルギーや反応速度定数を求めることができる。
5週 第1テーマ実験日(実験およびまとめ) 精留1,2:段塔および充填塔における精留実験により理論段数を求めることができる
6週 第2テーマ実験日(事前学習) 粉体1,2:ボールミルによる粉砕実験またはアンドレアゼンピペットによる粒子沈降実験を行い、粒度分布を求めることができる。
7週 第2テーマ実験日(学習内容のプレゼンテーション) 乾燥1,2:多孔質材料の熱風乾燥により乾燥特性曲線を作成することができる。
8週 第2テーマ実験日(実験) 真密度測定1,2:ピクノメータを用いて粒子の真密度を求めることができる。
4thQ
9週 第2テーマ実験日(実験およびまとめ)
10週 第3テーマ実験日(事前学習)
11週 第3テーマ実験日(学習内容のプレゼンテーション)
12週 第3テーマ実験日(実験)
13週 第3テーマ実験日(実験およびまとめ)
14週 予備日
15週 期末試験 レポート、プレゼンテーション、口頭試問、によって評価し試験に代える。
16週 アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理実験物理実験実験報告書を決められた形式で作成できる。3後5,後9,後13
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3後5,後9,後13
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後3,後7,後11
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3後3,後7,後11
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3後4,後5,後8,後9,後12,後13
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3後5,後9,後13
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3後5,後9,後13
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3後5,後9,後13
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3後5,後9,後13
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3後5,後9,後13
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3後4,後5,後8,後9,後12,後13
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3後4,後5,後8,後9,後12,後13
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3後4,後5,後8,後9,後12,後13
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3後5,後9,後13
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】物理化学実験各種密度計(ゲールサック、オストワルド等)を用いて、液体および固体の正確な密度を測定し、測定原理を説明できる。4後4,後5,後8,後9,後12,後13
熱に関する測定(溶解熱、燃焼熱等)をして、定量的に説明できる。4後4,後5,後8,後9,後12,後13
反応速度定数の温度依存性から活性化エネルギーを決定できる。4後4,後5,後7,後8,後9,後12,後13
化学工学実験流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。4後4,後5,後8,後9,後12,後13
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。4後4,後5,後8,後9,後12,後13
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。4後4,後5,後7,後8,後9,後12,後13
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者の意見を聞き合意形成することができる。3後2,後6,後10
合意形成のために会話を成立させることができる。3後2,後6,後10
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3後2,後6,後10
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3後2,後6,後10
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3後2,後6,後10
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3後2,後6,後10
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3後3,後7,後11
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3後3,後7,後11
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3後3,後7,後11
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3後2,後6,後10
複数の情報を整理・構造化できる。3後2,後6,後10
事実をもとに論理や考察を展開できる。3後5,後9,後13
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3後5,後9,後13
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3後2,後6,後10
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3後2,後6,後10
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3後2,後6,後10
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3後2,後6,後10

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合02500075100
基礎的能力0000000
専門的能力02500075100
分野横断的能力0000000