概要:
熱や仕事,熱力学の第一法則,第二法則等は,熱力学現象の理解・定量化を助ける.また,エントロピーや自由エネルギー等は,化学反応に伴う熱の出入りを定量化できる.これらの理解と数値計算について,講義および演習を通して学ぶ.これらは,実験,製品開発,生産工程においての安全を確保する上では必要不可欠である.
授業の進め方・方法:
各内容について講義と演習を組み合わせた授業を行う.先に学習した内容を下地として,後の内容の学習を進める.
事前に行う準備学習:前回の講義の復習および予習を行ってから授業に臨むこと
(授業外学習・事前)授業内容を予習しておくこと
(授業外学習・事後)授業内容の復習を行うこと
注意点:
・実際のイメージがつかみにくいところがあるが,最近は平易に解説している本が多く出版されているので,これらの本も参考にし,真の理解を目指してほしい.参考書の例としては,アトキンス著/物理化学 (東京化学同人)などがある.
・演習問題は必ず自身で解くこと.微積分の基礎ができていないと内容が理解できない場合があるので,不安のあるものはしっかりと復習を行うこと.
・授業計画は,学生の理解度に応じて変更する場合がある.
<追認試験について>
総合評価が60点に満たない者に対して,願い出しかつ十分な学習が認められる場合に追認試験を行う.試験範囲は, シラバスの全範囲とする.追認試験の結果、単位の修得が認められた者にあっては,総合評価を60点とする.
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 熱 | 原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。 | 3 | 前4,前6,前7,前8,前11,前12,前13,前14 |
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。 | 3 | 前1,前6,前7,前8,前11,前12,前13 |
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 | 3 | 前3,前4,前5,前6,前7,前8,前11,前12,前13 |
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。 | 3 | 前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前11,前12,前13 |
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。 | 3 | 前1,前6,前7,前8,前11,前12,前13 |
気体の内部エネルギーについて説明できる。 | 3 | 前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前11,前12,前13,前14 |
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。 | 3 | 前2,前3,前4,前5,前6,前7,前11,前12,前13 |
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前1,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前11,前12,前13,前14 |
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。 | 3 | 前6,前7,前8,前11,前12,前13 |
熱機関の熱効率に関する計算ができる。 | 3 | 前6,前7,前8,前11 |
化学(一般) | 化学(一般) | ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。 | 3 | 前4,前6,前7,前8,前11,前12,前13 |
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。 | 3 | 前1,前4,前6,前7,前8,前11,前12,前13,前14 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 物理化学 | 熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。 | 4 | |
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。 | 4 | |
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。 | 4 | |
エンタルピーの温度依存性を計算できる。 | 4 | |
内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。 | 4 | |
熱力学の第二・第三法則の定義と適用方法を説明できる。 | 4 | |
純物質の絶対エントロピーを計算できる。 | 4 | |
化学反応でのエントロピー変化を計算できる。 | 4 | |
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。 | 4 | |
反応における自由エネルギー変化より、平衡定数・組成を計算できる。 | 4 | |
平衡定数の温度依存性を計算できる。 | 4 | |
気体の等温、定圧、定容および断熱変化のdU、W、Qを計算できる。 | 4 | |