応用物理Ⅳ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 応用物理Ⅳ
科目番号 0126 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質化学工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 高専の応用物理(小暮陽三編集,森北出版)
担当教員 高廣 政彦

到達目標

1.ローレンツ変換を用いたローレンツ短縮ならびに時間の遅れ、質量の増加に関して定量的な計算ができる
2.光の粒子性を用いて光電効果、コンプトン散乱現象を定性的に説明できるとともに、波動粒子の運動量、エネルギーと波長、振動数の関係を定量的に計算できる
3.シュレディンガー方程式の意味が説明できるとともに、井戸型ポテンシャルにおける波動関数、エネルギー順位を求めることができる。
4.原子核反応ならびに放射能、強い相互作用、弱い相互作用ついて、定性的に説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ローレンツ変換を用いた速度の合成式の導出ならびに光のドップラー効果を定量的に計算できる。ローレンツ変換を用いてローレンツ短縮、時間の遅れが計算できる。ローレンツ変換とガリレイ変換の違いが説明できない。
評価項目2物質波の運動量、エネルギーと波長、振動数の定量的な関係が導出できる物質波、光の粒子性を用いて光電効果等を説明できる。光の二重性に関して説明できない。
評価項目31次元井戸型ポテンシャル内に存在する粒子の波動関数、エネルギー順位を計算することができる。シュレディンガー方程式および波動関数について定性的に説明することができる。粒子の波動性について説明できない。
評価項目4原子核の安定性ならびにα崩壊、β崩壊に伴う質量数、原子番号の変化および質量欠損に伴う核エネルギーが計算できる強い相互作用、弱い相互作用について説明でき、放射線に関してその定義を説明できる。放射線とX線の区別がつかない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-3 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 A-5 説明 閉じる
JABEE 1(2)(c) 説明 閉じる
ディプロマポリシー 1 説明 閉じる
ディプロマポリシー 2 説明 閉じる
ディプロマポリシー 3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
応用物理Ⅰ,Ⅱ,Ⅲに引き続き,数学を用いて物理現象を表現,解析することを目的とする.応用物理Ⅳでは,現代物理学の代表である相対性理論と量子力学に関してその概要を理解し,更にこれらの学問がどのように利用されているかを学ぶことを目的とする.
授業の進め方・方法:
講義ならびに演習
学修単位について:本授業は学修単位のため、授業時間以外に15時間相当の学習が必要である。
注意点:
線形代数(ベクトル,座標変換)および微分方程式の解法を復習しておくと同時に,比較的複雑な積分計算ができるように復習しておくこと.授業計画は,学生の理解度に応じて変更する場合がある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ローレンツ変換と特殊相対論 特殊相対論の基礎となる光速不変の原理と,ローレンツ変換についてガリレイ変換との違いが説明できる。
2週 ローレンツ変換の性質,ローレンツ短縮 ローレンツ短縮について、速度に対する物体の縮みを計算できる。
3週 ローレンツ変換の性質(2),時間の遅れ ローレンツ変換を用いて速度に対する時間の遅れおよび速度の合成が計算できる
4週 静止質量とエネルギー 相対論的エネルギーについて説明でき、質量とエネルギーの換算が計算できる。
5週 加速系と等価原理、一般相対論の概要 重力質量と慣性質量が本質的に等価であることが説明できる。
6週 熱放射と量子仮説 光の粒子性と波動性についてその違いを説明できる
7週 光電効果,コンプトン効果 光電効果やコンプトン効果がどのような現象なのかを説明できる。
8週 電子線と回折 電子線の加速電圧からその波長を計算でき、電子線の振る舞いについて説明できる。
4thQ
9週 原子模型,ボーアの量子論 ボーアの水素原子模型からエネルギー順位を説明できる。
10週 電子の波動性とシュレディンガー方程式 物質波の運動量と波長の関係ならびにシュレディンガー方程式について定量的に説明できる
11週 エネルギー固有値と波動関数 波動関数の意味について説明でき、1次元井戸型ポテンシャルにおける波動関数およびエネルギー固有値を計算することができる。
12週 原子構造,原子核 原子核の構造に関して強い相互作用を用いて説明でき、核の結合エネルギーと原子核の安定性について定性的に説明できる。
13週 素粒子論の概要 原子核を構成している素粒子に関して定性的に分類できる。
14週 問題演習
15週 期末試験
16週 期末テストの解答、アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3
同位体について説明できる。3
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3後13
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3
専門的能力分野別の専門工学材料系分野材料物性陽子・中性子・電子からなる原子の構造について説明できる。3後12
ボーアの水素原子模型を用いて、エネルギー準位を説明できる。3後9
4つの量子数を用いて量子状態を記述して、電子殻や占有する電子数などを説明できる。3後10
周期表の元素配列に対して、電子配置や各族および周期毎の物性の特徴を関連付けられる。3
化学・生物系分野無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。2
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。2
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。2
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。2
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。2
物理化学放射線の種類と性質を説明できる。2
核分裂と核融合のエネルギー利用を説明できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力400000040
専門的能力400000040
分野横断的能力200000020