環境科学

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 環境科学
科目番号 0139 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質化学工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 Professional Engineer Library 環境工学 (実教出版・ 山崎慎一 他編)
担当教員 袋布 昌幹

到達目標

環境と化学材料の関連および今後の進むべき環境科学の方向性に関する基礎知識を習得することを目標とする。
1)環境問題の歴史的推移を理解できること
2)水,大気,環境問題を法規制を含めて理解・解釈できること
3)いくつかの環境修復技術を工学的視野から説明できること
4)廃棄物・リサイクルについてその概要を説明できること

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1)環境問題の歴史的推移を理解できること古代文明の衰退の理由や産業革命の課題を環境問題で説明し,我が国の環境問題を時系列でその問題の変化に着目して説明できる我が国における環境問題の歴史的な変化を事例を交えて説明できる各環境問題を羅列するだけで,その時系列や課題の変化を理解できていない
2)水,大気,環境問題を法規制を含めて理解・解釈できること具体的な法体制を踏まえて,それぞれの法律などでどのような規制があるか,その規制はどのような歴史的背景で生み出されたかを説明できる現在の法律で規定されている環境基準とその対象を説明できる環境基準を法体制に立脚して説明できない
3)いくつかの環境修復技術を工学的視野から説明できること土壌,水,大気環境の対策技術について,実際の化学反応に立脚して説明できるいくつかの対策技術を俯瞰的に説明できる科学的な側面から環境修復技術を説明できない
4)廃棄物・リサイクルについてその概要を説明できること廃棄物リサイクルの現状と課題を資源の質の観点から説明できる廃棄物の処理,リサイクルについて,法規制と現在の技術の両面から説明できる廃棄物削減やリサイクルについて,その現状を俯瞰的に説明できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-5 説明 閉じる
JABEE 1(2)(c) 説明 閉じる
ディプロマポリシー 1 説明 閉じる
ディプロマポリシー 2 説明 閉じる
ディプロマポリシー 3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
環境技術は,単なる技術だけでなく,法律の枠組みや国際条約,国際関係等,種々のセグメントから構成されています。そのような広い視野で環境問題を概観し,それに対して特に化学の力を使って適切な技術を提案できる能力の育成を目指します。
授業の進め方・方法:
授業および演習。可能であれば,実際に環境業務や環境研究に携わっている方によるレクチャーを取り入れる予定。
教科書を用いて授業を行いますが,必要に応じて学生諸君に調査を御願いすることがあります。
注意点:
0)本科目は,過去数年間の単位認定(合格)者が半分近くです。環境科学に関する「考え方」を身につけることを意識して講義を受けてください。
1)環境技術の理解には法律・規制が重要となります。可能であれば前期開講の「法学」を受講されることをお勧めします。
2)公害の歴史についても取り扱います。特に富山はイタイイタイ病の歴史を抱えていますので,中学校等で学んだ情報を思い出しておいて下さい。
3)環境問題や環境技術等に関する新聞報道に十分触れるように心がけてください。
4)試験の結果,単位取得の規準に達しない学生に対して再評価を行うことがあります。再評価によって単位取得に相当する評価を得た学生については当該科目の評点を60点とします。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 授業の全体像を説明する
2週 環境科学の定義・歴史 環境科学の定義を公害問題の歴史から理解する
3週 環境に関する法律・規制 簡単な法体系の解説を含めて環境に関する法律・規制を理解できる
4週 大気の環境科学(1) 「大気汚染物質」「悪臭」の分類,その発生原因,対策技術について理解できる
5週 大気の環境科学(2) 近年話題となっている「越境汚染」について,PM2.5,黄砂を中心に理解できる
6週 大気の環境科学(3) 酸性雨について,その影響を土壌との相互作用等も含めて理解できる
7週 水に関する環境科学(1) 水質汚濁を中心に,汚染物質の環境影響を理解できる
8週 水に関する環境科学(2) 水処理技術について,生物処理技術の概要を理解できる
4thQ
9週 水に関する環境科学(3) 水処理技術について,物理化学的手法の概要を理解できる
10週 微量汚染物質の科学 微量の化学物質で生態系に影響を及ぼすとされる化学物質について理解できる
11週 地球規模での環境科学(1) 地球環境に関する国際的な取り組みを考えながら,地球規模での環境科学を理解できる
12週 地球規模での環境科学(2) 資源リスク,元素戦略等,国際的枠組みの中での環境問題を理解できる
13週 廃棄物とリサイクル 廃棄物とリサイクルについて,法規制と連携させて理解できる
14週 最新の話題から
15週 授業のまとめ
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス有害物質の生物濃縮について説明できる。3後7,後10
地球温暖化の問題点、原因と対策について説明できる。3後12
専門的能力分野別の専門工学材料系分野材料物性金属の一般的な性質について説明できる。3後3,後12
原子の結合の種類および結合力や物質の例など特徴について説明できる。2後11
環境日本の公害の歴史について説明できる。3後2
公害・環境汚染の防止策について説明できる。3後1,後8
地球温暖化の現象を科学的に説明できる。3後11,後12
温暖化防止の必要性について説明できる。3後11,後12
エネルギー資源問題について説明できる。3後4,後12
オゾン層の破壊について説明できる。3後11,後12
酸性雨や森林の減少について説明できる。3後6,後11,後12
大気汚染や水質汚濁について説明できる。3後5
廃棄物処理の目的と資源化について説明できる。3後13

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000100100
基礎的能力300000030
専門的能力300000030
分野横断的能力3000010040