分析化学実験

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 分析化学実験
科目番号 0036 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実習・実験 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 物質化学工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 定性分析関係実験分析化学共立出版株式会社)および配布プリント 定量分析関係定量分析技報堂出版株式会社)および配布プリン
担当教員 高松 さおり,峰本 康正,津森 展子

到達目標

1.定性分析における系統的分類法を理解できる。
2.滴定の概念およびそれによる濃度測定法を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
定性分析における系統的分類法を理解できる各種反応を十分理解しながら駆使して系統的分類法を行うことができる系統的分類法の用いられる反応系、原理を理解できる理解が不十分である
滴定の概念およびそれによる濃度測定法を理解できる各種滴定に用いられる反応、計算式を駆使して自律的に実験を遂行できる。各種滴定に用いられる反応、計算式を理解できる理解が不十分である

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
これまで化学および分析化学の講義で学習した、またはしている定性分析、定量分析を踏まえ、それらの実験操作を実際に行うことで体験的に習得する。また試薬を含む化学薬品および実験器具の取り扱いについて体得する。定性分析においては試薬で劇物、毒物を取り扱うこともあるが、そういったことを通して化学的な経験値を高める。また、定量分析においては、得られた実験値から濃度等を計算できるようにする
授業の進め方・方法:
実験実習
注意点:
実験を行うことで得た結果を自分なりに考えることそれらをレポートとしてまとめ、その内容を他人に伝えることができるようにすることが重要。また、濃度等の計算においては、計算式の意味を理解するよう努めること。1年生の時よりも危険な試薬を扱うため、より安全に実験を行えることが最も基本的な評価項目となる。なお、授業計画は,学生の理解度に応じて変更する場合がある。本科目では、50点以上の評価で単位を認定する。評価が50点に満たない者は、願い出により追認試験を受けることができる。追認試験の結果、単位の修得が認められた者にあっては、その評価を50点とする。また、状況により授業や試験等をオンライン形式で行う等の内容の変更がある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 実験上の注意などを説明し試薬の取り扱いを学ぶ。
2週 試薬調製 試薬の取り扱い、および第Ⅰ族陽イオンの系統的分類
3週 I族イオンの分析 第Ⅰ族陽イオンの系統的分類
4週 II族イオンの分析(前半) 第Ⅱ族陽イオンの系統的分類
5週 II族イオンの分析(後半) 第Ⅱ族陽イオンの系統的分類
6週 III族イオンの分析 第III族陽イオンの系統的分類
7週 IV族イオンの分析(前半) 第Ⅳ族陽イオンの系統的分類
8週 IV族イオンの分析(後半) 第Ⅳ族陽イオンの系統的分類
2ndQ
9週 中間試験
10週 試験返却、試薬調製 試験の解説と復習, 未知試料分析の説明、試薬調製
11週 未知試料分析I 系統的分類によって未知試料中に含まれる陽イオンを検出
12週 未知試料分析II 系統的分類によって未知試料中に含まれる陽イオンを検出
13週 発表資料作成I 発表資料作成
14週 発表資料作成II 発表資料作成
15週 発表,アンケート 発表,アンケート
16週 成績評価と確認 成績評価と確認を行う。
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 定量分析で使用する器具と器具の使い方を確認する
2週 中和滴定1 炭酸ナトリウムによる塩酸の標定および水酸化ナトリウムの定量
3週 中和滴定2 水酸化ナトリウムの純度測定
4週 中和滴定3 医薬品中のイブプロフェンの定量
5週 中和滴定4 ワーダー法による混合アルカリの定量
6週 中和滴定5 食品中のタンパク質の定量 前半
7週 中和滴定6 食品中のタンパク質の定量 後半
8週 酸化還元滴定1 過マンガン酸カリウムによる過酸化水素の定量
4thQ
9週 中間試験
10週 酸化還元滴定1 ヨウ素滴定によるアセトンの純度測定
11週 沈殿滴定1 モール法による塩化物イオンの測定
12週 キレート滴定 水の硬度測定
13週 再実験予備日
14週 再実験予備日
15週 アンケート 学生による授業点検アンケートを行う
16週 成績評価と確認 成績評価と確認を行う

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3
安全を確保して、実験を行うことができる。3
実験報告書を決められた形式で作成できる。3
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3
測定と測定値の取り扱いができる。3
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3
ガラス器具の取り扱いができる。3前8
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3
試薬の調製ができる。3
代表的な気体発生の実験ができる。3
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。3
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】分析化学実験中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。4
酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。4
キレート滴定を理解し、錯体の濃度の計算ができる。4
陽イオンおよび陰イオンのいずれかについて、分離のための定性分析ができる。4

評価割合

試験レポート実技発表合計
総合評価割合2040202000100
基礎的能力2020000040
専門的能力0202000040
分野横断的能力000200020