概要:
漢字・語彙・文法など、言語的な知識を身につけ、古典を含むさまざまな文章を読み 、論理構成に即して、主旨を理解できるようにする。読んだ文章を通して、さまざま な問題について、自身の意見や考えを持ち、適切に表現できるようにする。
授業の進め方・方法:
担当教員による単独講義及び演習。 但し、授業前に学習プリントや授業プリントを配布して、予習課題とする。
注意点:
他人の書いた文章を正確に読むことや自分で苦労して文章を書くことを通じて、自ら の感じ方や考え方を磨いてゆくのだという意識を持ってほしい。なお、授業計画は、 学生の理解度に応じて変更する場合がある。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 春休み漢字課題テスト |
授業の内容についての説明。 春休み課題を確認する漢字書き取りテスト。
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2週 |
金森修「この瞬間を歴史に刻む」① |
一般的な「印象」とは異なるものとしての「歴史」とはどういうものかについて説明できる。
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3週 |
金森修「この瞬間を歴史に刻む」② |
なぜ「歴史を尊ぶ」ことが大切なのかについて説明できる。
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4週 |
連休課題漢字テスト・陣内秀信「近代都市のレトリック」① |
連休課題を確認する漢字書き取りテストの実施。日本と西欧の都市の相違点について説明できる。
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5週 |
陣内秀信「近代都市のレトリック」② |
西欧の都市における「塔」の存在の意味について説明できる。
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6週 |
陣内秀信「近代都市のレトリック」③ |
日本の都市の、西欧都市とは異質な構造とは、どのようなものか、説明できる。
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7週 |
『十訓抄』「大江山いくのの道」① |
登場人物とその所在地、登場人物の関係について説明できる。
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8週 |
『十訓抄』「大江山いくのの道」② |
定頼の発言の意図、これに対する小式部の和歌の内容について説明できる。「大江山」の和歌に用いられている修辞について説明できる。
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2ndQ |
9週 |
前期中間試験 |
第1~8回の授業の内容について、理解度を確認する。
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10週 |
答案返却・中島敦「山月記」① |
中間試験の答案返却及び解説。虎に変身してしまった李徴の半生と人物像を整理して説明できる。
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11週 |
中島敦「山月記」② |
なぜ李徴は虎に変身したのか、彼自身がその理由をどのように考えているのか、整理して説明できる。
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12週 |
中島敦「山月記」② |
詩に対する李徴の執着がどのようなものであるのか、袁傪の視点を参考にしながら、説明できる。
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13週 |
中島敦「山月記」③ |
詩に対する李徴の執着がどのようなものであるのか、袁傪の視点を参考にしながら、説明できる。
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14週 |
中島敦「山月記」④ |
李徴の変身を通じて、運命、才能と努力、近代人の自意識といった問題について考えを述べることができる。
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15週 |
故事成語①「助長」・「画竜点睛」 |
それぞれの語が生じてきた故事を説明できる。
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16週 |
故事成語②「漱石枕流」・「塞翁が馬」 |
それぞれの語が、現在どのような意味に用いられているのか、説明できる。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
今福龍太「意味論的旅と越境」① |
道路標識によって生じる「認識の不条理」とはどういうことか、説明できる。
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2週 |
今福龍太「意味論的旅と越境」② |
「『旅』と『越境』という、特権的なしるし」とはどういうことか、説明できる。
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3週 |
西谷修「いのちのかたち」① |
「生命」の語で示されるものと「いのち」の語で示されるものの違いとはどういうことか、説明できる。
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4週 |
西谷修「いのちのかたち」② |
「いのち」が他者との「分有」に支えられている、とはどういうことか、説明できる。
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5週 |
西谷修「いのちのかたち」③ |
「いのち」という日本語を持っていることが、なぜ「僥倖」と言えるのか、説明できる。
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6週 |
『枕草子』「中納言参りたまひて」① |
登場人物とその関係を説明できる。人物関係を踏まえて使用されている敬語について説明できる。
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7週 |
『枕草子』「中納言参りたまひて」② |
助動詞や係り結びの働きについて説明できる。 清少納言の返答のおもしろさについて説明できる。
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8週 |
後期中間試験 |
第16~22回の授業の内容について、理解度を確認する。
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4thQ |
9週 |
答案返却・細見和之「身体という受動性」① |
後期中間試験の答案返却及び解答解説。 「他者への同化」・「内部を『外部』へ開く」とは、どういうことか、説明できる。
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10週 |
細見和之「身体という受動性」② |
「身体と意識との関係という契機のうちに『受動性』を見る」とは、どういうことか、説明できる。
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11週 |
細見和之「身体という受動性」③ |
「欲望」や「無意識」が「他者」の相貌を帯びてくる、とはどういうことか、説明できる。
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12週 |
『唐宋八家文読本』 「捕蛇者説」① |
筆者の申し出に対して、なぜ蔣氏は涙を流して悲しんでいるのか、その理由を整理して、説明できる。租税徴収の厳しさについて、蔣氏の述べるところを整理して、説明できる。
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13週 |
『唐宋八家文読本』 「捕蛇者説」② |
重い租税による村人たちの苦しみと、毒蛇捕りによる蔣氏の苦しみとが比較されている文を理解し、どちらがより苦しいか、説明できる。
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14週 |
『唐宋八家文読本』 「捕蛇者説」③ |
この話で「苛政」と「虎」に当たるのは、どのようなことか、理解する。左遷されている立場にある筆者が、この「説」によって何を主張しようとしているのか、理解し、説明できる。
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15週 |
学年末試験 |
第24~30回の授業の内容について、理解度を確認する。
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16週 |
学年末試験の答案返却と解説、授業アンケート実施 |
学年末試験の答案返却と解説。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 国語 | 国語 | 論理的な文章を読み、論理の構成や展開の把握にもとづいて論旨を客観的に理解し、要約し、意見を表すことができる。また、論理的な文章の代表的構成法を理解できる。 | 2 | 前2,前3,前4,前5,前6,前9,後9,後10,後11 |
代表的な文学作品を読み、人物・情景・心情の描写ならびに描写意図などを理解して味わうとともに、その効果について説明できる。 | 1 | 前10,前11,前12,前13,前14 |
文章を客観的に理解し、人間・社会・自然などについて考えを深め、広げることができる。 | 1 | 前2,前3,前4,前5,前6,前9,後9,後10,後11 |
文学作品について、鑑賞の方法を理解できる。また、代表的な文学作品について、日本文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。 | 1 | 前14 |
鑑賞にもとづく批評的な文章の執筆や文学的な文章(詩歌、小説など)の創作をとおして、感受性を培うことができる。 | 1 | 前14 |
読書習慣の形成をとおして感受性を培い、新たな言葉やものの見方を習得して自らの表現の向上に生かすことができる。 | 1 | 前14 |
現代日本語の運用、語句の意味、常用漢字、熟語の構成、ことわざ、慣用句、同音同訓異義語、単位呼称、対義語と類義語等の基礎的知識についての理解を深め、その特徴を把握できる。また、それらの知識を適切に活用して表現できる。 | 1 | 前1,前4,前9,後9,後10,後11 |
代表的な古文・漢文を読み、言葉や表現方法の特徴をふまえて人物・情景などを理解し、人間・社会・自然などについて考えを深めたり広げたりすることができる。 | 1 | 前15,前16,後12,後13 |
古文・漢文について、音読・朗読もしくは暗唱することにより、特有のリズムや韻などを味わうことができる。 | 1 | 前15,前16,後12,後13 |
代表的な古文・漢文について、日本文学史および中国文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。また、それらに親しもうとすることができる。 | 1 | 前15,前16,後12,後14 |
教材として取り上げた作品について、用いられている言葉の現代の言葉とのつながりや、時代背景などに関する古文・漢文の基礎的知識を習得できる。 | 1 | 前15,前16,後12,後13,後14 |
社会で使用される言葉を始め広く日本語を習得し、その意味や用法を理解できる。また、それらを適切に用い、社会的コミュニケーションとして実践できる。 | 1 | 前1 |