科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 倫理
科目番号 0150 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 『倫理』(平木幸二郎他編)
担当教員 宮崎 真矢

到達目標

◯青年期の心理の特徴やアイデンティティの達成の意義について理解し論評できる。
◯善悪についての相対主義的見方、ソクラテスの問答法や幸福論について理解し論評できる。
◯プラトンのイデア論、エロス論、およびアリストテレスのプラトン批判や徳論について理解し論評できる。
◯孔子の道徳論と人間観、および『老子』の人生観について理解し論評できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1青年期の心理の特徴やアイデンティティの達成の意義について理解しそこから受けとめた問題について自分の考えを説得力ある仕方で論証できる。青年期の心理の特徴やアイデンティティの達成の意義について理解し論評できる。青年期の心理の特徴やアイデンティティの達成の意義についての理解が不足すると共に時分の考えを十分に表現できていない。
評価項目2善悪についての相対主義的見方、ソクラテスの問答法や幸福論についてについて理解しそこから受けとめた問題について自分の考えを説得力ある仕方で論証できる。善悪についての相対主義的見方、ソクラテスの問答法や幸福論について理解し論評できる。善悪についての相対主義的見方、ソクラテスの問答法や幸福論についての理解が不足すると共に時分の考えを十分に表現できていない。
評価項目3プラトンのイデア論、エロス論、およびアリストテレスのプラトン批判や徳論について理解しそこから受けとめた問題について自分の考えを説得力ある仕方で論証できる。プラトンのイデア論、エロス論、およびアリストテレスのプラトン批判や徳論について理解し論評できる。プラトンのイデア論、エロス論、およびアリストテレスのプラトン批判や徳論についての理解が不足すると共に時分の考えを十分に表現できていない。
評価項目4孔子の道徳論と人間観、および『老子』の人生観について理解しそこから受けとめた問題について自分の考えを説得力ある仕方で論証できる。孔子の道徳論と人間観、および『老子』の人生観について理解し論評できる。孔子の道徳論と人間観、および『老子』の人生観についての理解が不足すると共に時分の考えを十分に表現できていない。

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー 3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
日々の生活の中で人は簡単に答えが出ない問いにとらえられることがあります。「私はなぜここでこうして生きているのか」、「何が正しく何が間違っているかに本当の答えはあるのか」、「人の幸せとは何か」、「私は何を頼りに、どこをめざして生きるべきなのか」等々。これらを考える手がかりが、歴史上の思想家、心理学者、社会学者達の思索の中には示されています。この授業は、彼らの思想との対話を通して、皆さんが人の生き方に関わる諸問題について自分の頭で考え、自らの思いを論理的・概念的に表現できるようになることを目標とします。
授業の進め方・方法:
講義(100%)、授業形態A(教員→学生)70%・B(教員⟷学生)30%。教育手法1(普通の授業)
注意点:
この授業では言葉の意味にかなりこだわります。抽象的な言葉が具体的にどのような事柄を示すのか、また具体的な生活のありさまがどう抽象的な用語で表現されるか、という点に気を配って下さい。人間を見る色々な見方や人間の諸特徴を表現する概念を覚えることはそれなりに大事です。しかし、知識を暗記するのみでなく、それらを自身の経験と照らし合わせながら、自分がどう考えるか、自分が考えたことをどう表現できるか、といった思考力や表現力が問われる科目です。成績評価は4回の定期試験によって行います。授業計画は学生の理解度に応じて変更する場合があります。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 学習内容および評価の方法についてのガイダンス内容を理解する。
2週 青年期の位置づけ 現代の日本社会における「青年」の位置づけを理解する。
3週 青年期の特徴 青年期に起こる身体的・心理的・社会的変化について理解する。
4週 青年期の課題-自我の発見 自我のめざめと共に私たちが直面する心理的問題を考える。
5週 青年期の課題-アイデンティティの危機 青年期に訪れるアイデンティティの危機を心理的側面から考える。
6週 青年期の課題-アイデンティティの達成 アイデンティティの達成の意義と手立てを心理的側面から考える。
7週 青年期の課題―モラトリアム、「大人」になる アイデンティティの達成の意義を社会的側面から考える。
8週 中間試験 青年期の心理的特徴やアイデンティティ達成の意義について理解し論評できる。
2ndQ
9週 中間試験の解説、ギリシャ思想への導入 試験の解説。古代ギリシャの社会的、思想的状況を理解する。
10週 善について問うこと1-相対主義 自然哲学者を題材に合理的思考という探求方法の特質を理解する。ソフィストの主張を題材に、相対主義の考え方を理解する。
11週 善について問うこと1-相対主義 相対主義の根拠や働きを吟味する。
12週 善について問うこと2-ソクラテス ソクラテスの問答を題材に、普遍的なものを追求する手段としての論理的吟味の意味を考える。
13週 善について問うこと2-ソクラテス ソクラテスの問答法がどの程度まで相対主義を乗り越えられるかを考える。
14週 善について問うこと2-ソクラテス ソクラテスの道徳論を手がかりに、幸福と善や徳の関連を考える。
15週 善について問うこと2-ソクラテス ソクラテスの「無知」を検討し、普遍的な善を追求することの意味を考える。
16週 期末試験 善悪についての相対主義的な見方、ソクラテスの問答法や幸福論について理解し論評できる。
後期
3rdQ
1週 善について問うこと3-プラトン プラトンのイデア論を理解するために、幾何学的図形の例をもとに、理念の存在について考える。
2週 善について問うこと3-プラトン プラトンのイデア論を手掛りに、「完全」、「普遍」の観念の意味を考える。
3週 善について問うこと3-プラトン プラトンのエロス論を手掛りに、「理想」と「現実」の関わりを考える。
4週 善について問うこと3-プラトン プラトンのエロス論を手掛りに、イデア論の意味を考える。
5週 善について問うこと4-アリストテレス アリストテレスのイデア論批判を理解する。
6週 善について問うこと4-アリストテレス アリストテレスの幸福論を理解し、幸福と徳の関連を考える。
7週 善について問うこと4-アリストテレス アリストテレスの徳論を理解する。
8週 中間試験 プラトンのイデア論、エロス論、およびアリストテレスの徳論について理解し論評できる。
4thQ
9週 中間試験の解説、古代中国思想への導入 試験の解説、春秋時代中国の社会的状況について理解する。
10週 人間が生きる基盤:情と伝統-孔子 孔子の思想を手掛りに、社会規範としての礼の意義を理解する。
11週 人間が生きる基盤:情と伝統-孔子 孔子の思想を手掛りに、人の生き方としての仁の意義を考える。
12週 人間が生きる基盤:情と伝統-孔子 孔子の思想における仁と家族愛の関係を理解する。
13週 人間が生きる基盤:情と伝統-孔子 孔子の思想を手掛かりに、人の生と社会との関わりを考える。
14週 道に身をまかせ-老子 『老子』において、儒家道徳が作為として批判される根拠を理解する。
15週 道に身をまかせ-老子 『老子』を題材に、作為を捨て道に身を任せて生きる人生観の意義を考える。
16週 期末試験 孔子の道徳論と人間観、および『老子』の人生観について理解し論評できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3
工学基礎グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。3
様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。3
異文化の事象を自分たちの文化と関連付けて解釈できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000